「転職理由の考え方や伝え方がわからない」「転職理由と退職理由の違いがわからない」など、転職理由に関する質問を非常に多く頂きます。
本日は、そんな疑問をすべて解消していただけるように、転職理由に関する情報を網羅的にまとめました。
転職理由と退職理由は違う
Q:転職理由と退職理由の違いはなんですか?
A:転職理由は①退職理由と②志望理由を合わせたものです。面接では、退職理由だけでなく志望理由も必ず聞かれます。
まれに、志望理由だけしか考えておらず、退職理由をうまく話すことができない方もいます。そのようにならないためにも、転職理由(退職理由+志望理由)をしっかりと考えましょう。
退職理由ランキング
Q:他の転職者の転職理由を教えてください
A:やはり、他の転職者の転職理由は気になりますよね。どのような転職理由が多いのかは、大手人材会社がアンケートを取っているので、そちらを参照します。転職理由の多くは「人間関係」「仕事のやりがい」「年収・給与が低い」「キャリアアップがしたい」などがメインです。自分の転職理由がランクインしているか見てみましょう。
退職理由ランキング(リクナビNEXT)
- 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった
- 労働時間・環境が不満だった
- 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった
- 給与が低かった
- 仕事内容が面白くなかった
- 社長がワンマンだった
- 社風が合わなかった
- 会社の経営方針・経営状況が変化した
- キャリアアップしたかった
- 昇進・評価が不満だった
出典:リクナビNEXT 退職理由のホンネランキングベスト10
退職理由ランキング(doda)
- ほかにやりたい仕事がある
- 会社の将来性が不安
- 給与に不満がある
- 残業が多い/休日が少ない
- 専門知識・技術力を習得したい
- 幅広い経験・知識を積みたい
- U・Iターンしたい
- 市場価値を上げたい
- 雇用形態を変えたい
- 業界の先行きが不安
出典:DODA みんなが転職する理由は?転職理由ランキング<2015年上半期>
志望理由に正解はない
Q:自分の志望理由は客観的にみて大丈夫ですか?
A:志望理由はひとそれぞれです。正解も間違いもありません。しかし、志望理由の伝え方が間違っていたり、内容がまったく考えられていない志望理由があるのも事実です。そこで、落ちやすい志望理由のパターンを人事担当者の話をもとにまとめました。自分の志望理由が該当していないかチェックしてみましょう。
落ちやすい志望理由のパターン
1.学びたいという意欲だけのパターン
このパターンは結構多いと思います。学びたい!勉強したい!という姿勢は認めますが、会社は学校とは違います。教わる姿勢ではなく、今持っているスキルでいかに会社に貢献できるかを伝えることが重要です。学ぶ意欲ではなく、働く意欲をまずは見せましょう。
【よくあるNG例】
「御社でしっかりと勉強して、キャリアアップがしたいです」
「御社は研修がしっかりしていると聞いたので、多くのことを学んで貢献します」
2.漠然とした志望理由パターン
人事担当者の方がよくおしゃっているのは「パーソナリティは良いのだが、具体性に欠けている志望理由が引っかる」ということです。具体性に欠けた志望理由のため、思いが伝わらないということはよくあることです。そのようなことがないためにも、漠然とした志望理由は避け、エピソードトークや根拠のある話を混ぜて志望理由を練るようにしましょう。
【よくあるNG例】
「御社で自分が働いているイメージがわきます」
「業務内容が自分に合っていると思いました」
3.福利厚生が良いという稚拙なパターン
正直な話、多くの方が会社を探す時に気になるのは福利厚生についてです。しかし、志望理由の中で福利厚生について触れるのは良くありません。人事担当者からすれば「福利厚生がいいところなんて、ウチ以外にもあるだろ」と思われ、落とされるでしょう。
【よくあるNG例】
「御社は福利厚生がいいので自分のペースで働けると思いました」
「給与がいいのでモチベーションを保ちながら働けると思いました」
4.職場から近い、アクセス最優先パターン
会社を探す際に誰もが気になるのが、アクセスです。家から会社まで何分で行けるかは非常に重要なことです。通勤時間は幸福度にも直接的な影響をもたらすと言われていますし。しかし、志望理由の中でアクセスが良いというのは稚拙過ぎます。本気で行きたい会社であれば、アクセスが良い以外の志望理由が必ずあるはずです。そこを掘り下げてみましょう。
【よくあるNG例】
「家から徒歩で通えるので自分のペースで働けると思いました」
「前の職場は家から2時間もかかっていたので…」
5.口先だけの志望理由パターン
「漠然とした志望理由パターン」と通ずる部分が多いのですが、口先だけで強い気持ちが感じられない志望理由は多いです。このパターンは、転職エージェントに勧められ、なんとなく会社に応募した人に多く見られます。
【よくあるNG例】
「御社の業務内容に感動しました」
「御社のホームページを見て、自分に合っていると確信しました」
6.企業を褒めすぎるパターン
人事担当者からすると、自社を褒めてくれたからといってプラスになることはありません。本当に良いと思ったことを口に出すのはいいのですが、過剰に企業を褒めすぎるとかえってマイナスに働きます。また、会社の良いところを褒める場合は、例や根拠を一緒に話すよにしましょう。
【よくあるNG例】
「御社は評判もイメージもすごく良いです」
「御社以上に良い企業に出会ったことがありません」
7.過剰な自信がある上から目線パターン
前職でのポジションが高かったり、有名企業に勤めていた方に多いのが自信過剰なパターンです。このようなパターンの人は、自分が上から目線になっていることに気づいていない人が多いようです。自分を客観視できるのも一つのビジネススキルです。上から目線な態度は改め、謙虚な姿勢で面接に臨みましょう。
【よくあるNG例】
「私なら御社の売り上げを10倍にできます」
「御社にとって必要な人材は私のような人材だと思います」
面接官が転職理由を聞く理由
Q:なぜ面接官は転職理由を聞くのですか?
A:面接官が転職理由を聞く理由は大きく3つです。(人事担当者の方からよく聞く理由です)
1.すぐに辞めてしまうリスクはないか?
人事担当者が一番困るのが、入社後すぐに辞められてしまうことです。すぐに辞められると何が困るかというと、採用にかけた時間、お金がすべて無駄になるからです。
2.周囲に溶け込める柔軟性はあるか?
人事担当者からよく聞くのが「柔軟性の無い人はすぐに辞めてしまう」ということです。”転職を繰り返している人”や”新卒入社した会社を1年未満で辞めてしまう人”は柔軟性が無いと判断されがちで転職理由を事細かに聞かれることが多いです。
3.ストレス耐性はあるか?
社会人と学生との大きな違いは、ストレスが多い環境にさらされることです。ストレスにある程度耐えられることが社会人には求められます。
その他にも「他責思考ではないか?」「仕事に対するモチベーションはあるか?」など、転職理由を聞く理由は数多くあります。人事担当者が聞く理由をまとめると以下のようになります。
- すぐに辞めてしまうリスクはないか?
- 周囲に溶け込める柔軟性はあるか?
- ストレス耐性はあるか?
- 他責思考ではないか?
- 仕事に対するモチベーションはあるか?
転職理由を考えるためのポイント
Q:転職理由を考えるためのポイントを教えてください!
A:転職理由を考えるためのポイントは3つあります。
①一貫性のある転職理由
転職理由で一番重要なことは、面接官を納得させることです。納得させるためには、一貫性のある転職理由が必要になります。
例えば、営業をやっていた方が、転職してマーケティング職をやりたいと思ったら、それ相応の理由が必要になります。AさんとBさんを比べてみましょう。
Aさん:営業を通して、現場の声を多く聞いてきました。それらの貴重な声をマーケティングに使えば、より効果的なプロモーションができると思い、マーケティング職を希望しています。
Bさん:営業をやってきましたが、自分にはマーケティングの方があっているなと思い、マーケティング職を希望しています。
どちらの方が、一貫性があり、納得できる転職理由ですか?もちろんAさんです。面接官を納得させることができれば、前職と違う職種にだってチャレンジすることは可能です。それだけ、転職理由は重要ということです。
②ポジティブな転職理由
「転職理由と退職理由は違う」の中で、転職理由は退職理由と志望理由を合わせたものというお話をしました。一般的に退職理由はネガティブな傾向が強く、志望理由はポジティブな傾向が強いです。そのため、退職理由を話す際には、どうしてもネガティブな話が続いてしまいます。
しかし、終始ネガティブな話ばかりをしてしまうと、面接官の印象が良くありません。そうならないためにも、ネガティブな話や批判的な話(前職は残業が多い、年収が低い)は話の一部にとどめ、メインの部分はポジティブな話をしましょう。また、話の最後は必ずポジティブな話にすることをおすすめします。
③キャリアプランのゴールを見据えている
「キャリアプランのゴールを見据えている」というのは、どういうことかわかりますか?
簡単に言えば、中長期的なキャリアプランが描けているかということです。キャリアプランを描けていない人の場合、自分のキャリアのゴール地点が定まっていないので、転職理由は曖昧なものになると思います。
【キャリアプランのゴールを見据えている方】
①キャリアプランのゴールを見据えている→②ゴールから逆算して今やるべきことがわかる→③今の自分にとって最善な職場を探すことができる→④一貫性のある転職理由を考えることができる
【キャリアプランのゴールを見据えていない方】
①キャリアプランのゴールを見据えていない→②ゴールから逆算することができないため、今何をするべきかわからない→③今の自分にとって最善な職場を探すことができない→④一貫性のある転職理由を考えることができない。