元リクルートの転職エージェントの立場から言うと、退職交渉について理解している求職者は非常に少ないです。
退職交渉の期間はどれくらい?
退職交渉はメールでも大丈夫?
退職交渉のベストなタイミングは?
などなど。
そこで、退職交渉についてよくある質問をピックアップして回答していきます。
目次
これだけは知っておこう:退職交渉の基本フローとポイント
まずは、退職交渉の基本的なフローを簡単に説明いたします。
退職交渉の基本フロー
退職交渉のステップは7つあります。
- 内定を貰う
- 条件に同意して内定承諾
- 現職に退職を切り出す
- 現職に退職を認められる(退職日確定)
- 退職手続きを完了させる
- 業務の引き継ぎを完了させる
- 内定企業に入社
退職交渉のポイント
退職交渉のポイントは、「内定先企業の希望入社日に間に合うように退職する」ことです。内定先企業は、退職するまで何ヶ月も待ってはくれません。
基本的には1〜2ヶ月、最大でも3ヶ月しか待ってくれません。そのため、上記のステップ3〜ステップ6までをスムーズに進める必要があることを知っておいてください。
それでは、退職交渉にまつわる質問について答えていきます。
退職交渉の一般的な期間は?
前提、退職交渉の期間は企業によってバラバラです。その理由は、退職手続きの流れが企業ごとに違うからです。
例えば、社員数の少ないベンチャー企業は、比較的早めに退職交渉が完了します。一方、社員数の多い大企業の場合は、何人もの上司から承認を得る必要があったり、手続きが煩雑なため、退職交渉に時間がかかります。
その上で、元転職エージェントの経験則でお伝えすると、退職交渉の一般的な期間は1〜2週間です。ちなみに、引き継ぎ期間は最低でも1ヶ月。したがって、実際に退職できるのは、退職交渉開始日から1ヶ月半はかかると想定しておくと安全です。
退職交渉はメールで切り出してもいいの?
退職交渉をメールで切り出すのは絶対にNGです。失礼にあたるため、上司からの心証が悪くなります。その結果、退職交渉が長引いたり、トラブルが起きることもあります。
したがって、どれだけ気まずかったとしても、上司には退職交渉を直接切り出しましょう。
退職交渉の切り出し方は決まっているの?
退職交渉の切り出し方に決まりはありません。しかし、退職交渉をスムーズに進めるめには、切り出し方が重要になります。ポイントは3つあります。
- 事前に直属の上司の時間を押さえておく
- 「相談」ではなく「報告」
- 同僚には絶対に言わない
詳しくは下記の記事で丁寧に解説しているため、興味のある方はご覧ください。
退職交渉のベストなタイミングは?
退職交渉のベストなタイミングは、「閑散期」と「上半期・下半期に入ったタイミング(4〜5月、9〜8月)」の2つです。その理由は、企業は、「繁忙期」と「上半期・下半期直前の期間(2〜3月、7〜8月)」の退職交渉を嫌がるからです。
「繁忙期」の退職交渉を嫌がる理由は、単純に業務の負担が大きくなるから。ただでさえ忙しいのに、退職手続き業務が増えると大変です。また、繁忙期に戦力が抜けてしまうと、企業の業績にも影響します。
「上半期・下半期直前の期間(2〜3月、7〜8月)」の退職交渉を嫌がる理由は、事業計画を再考する必要が生じるからです。企業は、上半期・下半期の事業計画を、期が変わる1ヶ月半前には策定しています。それなのに退職者が出ると、組織計画、人員計画、成長戦略、採用予算などの事業計画を変更する必要が出てきます。負担が大きいため、企業は必死で引き止めます。
退職交渉が一向に進まない場合はどうしたらいい?
退職交渉が一向に進まない場合は、上司にしっかりと確認をしましょう。その上で、「いつまでにどのような行動をとるのか」を約束してもらいましょう。
退職手続きの流れは煩雑です。そのため、手続きを嫌がった上司がダラダラしていることが、退職交渉が進まない原因であることが多いです。退職交渉は受け身の姿勢だと進まないため、積極的に介入していきましょう。
もし、上司がわざと退職交渉を進めていない場合は、上司よりも上の役職の人や人事に退職の旨を伝えましょう。
上司だけでなく、会社全体で退職交渉をわざと進めていない場合は、「最後の手段」として、弁護士に依頼し、「内容証明書」を企業に送ることで退職することができます。
「最後の手段」については、下記の記事内最後で解説しています。
退職交渉で転職先の企業名を伝えてもいいの?
退職交渉で転職先の企業名を伝えることはやめておきましょう。メリットは1つもない上に、リスクが非常に大きいです。主にリスクは2点あります。
1つ目が、退職交渉が長引くリスクです。転職先の企業の悪口を聞かされたり、「転職先の企業よりも現職の方がいい理由」を理論武装してきてしつこく説得してくる可能性があります。
2つ目が、転職先企業に悪い噂を流されるリスクです。現職企業や上司のモラルが低い場合、平気で転職先企業にあなたの悪口を流したりしてきます。
そのため、転職先の業界や職種、仕事内容程度を伝えるならまだしも、企業名は伝えない方がいいです。
退職交渉で引き止められた時の対処法は?
退職交渉では、基本的に引き止めがあります。しかし、丁寧に退職交渉を進めることができれば、強引な引き止めはされません。
それでも強引に引き止められた場合、しっかりと対処する必要があります。特に、よくある引き止めケースは下記の3点。
- 引き止めケース①:希望部署への配属を打診
- 引き止めケース②:年収アップを打診
- 引き止めケース③:泣き落とし
上記の引き止めケースごとの対処法は、下記の記事で詳しく解説しています。その他、引き止めに応じることのデメリットなども記載しているため、興味のある方はご覧ください。
退職交渉でトラブルが起こった時の対処法は?
丁寧に退職交渉を進めたとしても、企業や上司のモラルが低い場合、大きなトラブルが起こってしまう場合があります。特に、下記3点は、モラルの低い企業や上司によくあるトラブルパターンです。
- ケース①:脅し
- ケース②:有給消化をさせてくれない
- ケース③:退職届けを故意に受け取ってくれない
退職交渉とトラブルについて、詳しくは下記の記事で解説しています。興味のある方や、不安な方はぜひご覧ください。
転職エージェントは退職交渉も代行してくれるの?
転職エージェントは、退職交渉の代行はしていません。そのため、退職交渉は自分で行う必要があります。
しかし、退職交渉の進め方のアドバイスは丁寧にしてくれますし、引き止めやトラブルに合った時の対処法を、状況に応じて逐一教えてくれます。また、退職交渉は精神的な負担が大きいため、そのメンタルケアも転職エージェントは行ってくれます。
退職交渉は、『退職代行Jobs』や『弁護士法人みやび』のような退職代行サービスを利用するのも一つの手です。専門知識を持った弁護士さんがあなたの代わりに退職の手続きを進めてくれます。