MDGs(ミレニアム開発目標)とは
MDGsとは、「Millenium Development Gorls」の略で、日本語訳では「ミレニアム開発目標(ミレニアム目標)」のことです。
現在注目を集めているSDGsの前身となる国際的な開発目標です。
MDGsの成り立ち
2000年9月にニューヨークで国連ミレニアム・サミットが開催され、「国際ミレニアム宣言」が採択されました。
本サミットは189ヵ国の首脳が出席した国連開設以来最大の国際会議で、国際法や政治的観点からもレベルの高い、実効性を伴う目標として「国際ミレニアム宣言」がなされました。
そしてこの「国際ミレニアム宣言」を主軸に、1999年代に開催された主要な国際会議やサミット(主要国首脳会議)で採択された国際開発目標を統合し、2001年に策定されたのが、ミレニアム開発目標(MDGs)です。
MDGsの意義
MDGsでは、発展途上国が抱える課題解決のための8つの目標(後述)を掲げ、2015年までにその達成に向けて全世界が取り組むよう進められました。
目標達成に向けた取り組みはもちろんですが、MDGsを設定することによって、主要国はじめ多くの国々の目を、発展途上国が抱える数々の問題へ向けることにつながりました。
MDGsの掲げる目標
MDGsによって定められている目標は8種類あります。
- 極度の貧困と飢餓の撲滅
- 初等教育の完全普及の達成
- ジェンダー平等推進と女性の地位向上
- 乳幼児死亡率の削減
- 妊産婦の健康改善
- HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
- 環境の持続可能性確保
- 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
MDGsは上記8つの目標に対して一定の成果を上げました。
例えば、①の目標の具体的な取り組みの成果として、極度な貧困状態である1日1.25ドル(日本円でおよそ136円)未満で生活する人の数が半減、③の取り組みの成果として、およそ2/3以上の途上国において小学校の男女の就学率がほぼ同率になった、等があげられます。こうした成果を受け、MDGsは2015年に終了しました。
成果をあげる一方で、MDGsには課題も残りました。MDGsに残された課題として、サハラ砂漠以南のアフリカといった一部地域では目標が達成されずに状況が改善されない、また成果を上げた国でも都市部と農村部での格差が発生する等があげられます。
そしてMDGsの成果と課題をそれぞれ踏まえ、その後継として発展途上国だけでなく、先進国も含めた全世界を対象としたSDGsが定められました。
日本におけるMDGs
現在日本全国で積極的に活用されているSDGsと同様に、その前身のMDGsも重視されていました。
なかでも日本では二国間におけるODA(政府開発援助※)を積極的に行い、国際社会の一員としてMDGsの達成に向けて活動してきました。
こうした姿勢は引き続きSDGsの取り組みにも継承され、MDGsへの取り組みよりもさらに官民一体となってSDGsの達成に向けて活動されています。
参考:外務省