ソーシャルレンディングで節税する方法8選をわかりやすく解説

ソーシャルレンディングの節税の基本

そもそも節税とは、法律の範囲内で税金を減らす工夫をすることです。法律に違反してしまうと脱税になってしまうので注意が必要です。

所得には10種類あり、ソーシャルレンディングはこのうち「雑所得」に分類されます。

  1. 利子所得:銀行の預金の利子などの収入
  2. 配当所得:株式の配当、投資信託の分配金などの収入
  3. 不動産所得:不動産の家賃収入など
  4. 事業所得:商業、工業、農業、漁業などの事業から得る収入
  5. 給与所得:給料、賞与などの収入
  6. 退職所得:退職金などの収入
  7. 山林所得:5年以上所有している山林の木を売った時の収入
  8. 譲渡所得:土地、建物、株式などの譲渡によって得た収入
  9. 一時所得:クイズの賞金や満期保険金などの収入
  10. 雑所得:年金もしくは他の9種類のどれにもあてはまらない収入

これらの所得の中には、ほかの所得と合算して税額を決定する総合課税と、その所得だけで税額を決定する分離課税があるのですが、雑所得は総合課税に分類されます。

総合課税は、所得が増えていくと税率が上がっていくので、工夫次第で大きく節税できる可能性があります。

節税方法①:経費を計上する

対象 ソーシャルレンディング投資をしているすべての人
関連度

ソーシャルレンディングは雑所得に分類され、雑所得は所得から経費を差し引いて税金を計算します。そのため、経費を増やせば節税できるのです。

ソーシャルレンディングは、まだ認知度が低いため、何が経費になるかは明確になっていません。ただし、「事業利益の向上にかかわる出費」と税務署が判断したものが経費になるため、以下のものは経費として計上できると考えられています。

  • ソーシャルレンディングの関連書籍
  • ソーシャルレンディングのセミナー参加費と交通費
  • ソーシャルレンディングの売買や運用に関わる手数料

経費として計上するためには必ず証拠となる書類が必要となるので、領収書は取っておきましょう。

インターネット料金やパソコン購入費も経費になると記載しているサイトもありますが、経費にはできないと考えた方が良いです。

節税方法②:出金回数を抑える

対象 ソーシャルレンディング投資をしているすべての人
関連度

節税とは少し違いますが、出金回数を抑えることも重要です。

ソーシャルレンディングでは、投資を行う時に各事業者が指定する口座に資金を預ける必要があります。この口座のことをデポジット口座と呼びます。

ソーシャルレンディングで得られた利益もデポジット口座に返ってきます。そのため、自分の口座に戻すためには、デポジット口座から出金する必要があり、この時に数百円の手数料がかかります。

一度の出金なら大した金額ではありませんが、何度も出金するとお金を失ってしまうことになります。一度にまとめて出金するなどして出金回数を抑えることで、手数料を低く抑えることができます。

節税方法③:確定申告して還付を受ける

対象 ソーシャルレンディング投資をしているすべての人
関連度

ソーシャルレンディングを含めて、給与所得以外の利益が20万円を超えた場合、確定申告を行う必要があります。

ソーシャルレンディングでは、あらかじめ20.42%の税金が源泉徴収されているため、確定申告をすることでその一部もしくは全部を取り戻すことができます。

節税方法④:ふるさと納税

対象 税金がかかるすべての人
関連度

ふるさと納税はソーシャルレンディングと直接関係はないものの、節税に非常におすすめです。

ふるさと納税は、実質2000円を負担するだけで好きな自治体に寄付を行うことができ、その見返りとして自治体から返礼品を受け取れる制度です。

確定申告を行えば、その年の所得税と翌年の住民税を減らすことができます。

節税方法⑤:夫婦で所得が低いほうの名義で投資する

対象 配偶者がいる人
関連度

先述したとおり、ソーシャルレンディングの利益は給与所得などほかの所得と合算され、総合課税されます。

総合課税は、所得が多くなると税率が高くなっていくため、ソーシャルレンディング投資は年収が低い方の名義で行ったほうが節税になります。節税効果は2人の年収の差が大きいほど高いです。

ただし、片方が専業主婦(主夫)で収入がない場合や、パートで扶養の範囲内で働いている場合には、扶養の上限を超えないように注意が必要です。うっかり扶養を超えてしまうと、むしろ税金が増えてしまう可能性もあります。

節税方法⑥:年金をもらっている親を扶養に入れる

対象 定年を迎えた親がいる人
関連度

年金で生活している親を扶養に入れる方法は、ソーシャルレンディングとの関連は薄いですが、節税を行う方法として優れています。

そもそも扶養とは自分の生活を自力で維持できない人を援助する行為のことです。

子どもだけではなく、親も扶養に入れられる場合があります。扶養には、健康保険法上のものと所得税法上のものがあるので区別が必要です。

節税する時に重要になってくるのは所得税法上の扶養の方です。

健康保険法上の扶養

健康保険法上の扶養では、扶養家族として認められれば、親については75歳になるまで健康保険料を納めなくて良くなります。

健康保険法上の扶養が認められる条件は、まず年齢によって以下のように異なります。

60歳未満 1年間の収入が130万未満
60歳以上もしくは障がいを持たれている方 1年間の収入が180万未満

また、同居しているか別居しているかによっても以下のように異なります。

同居 収入が扶養する人の半分未満
別居 1年間の収入が扶養する人の仕送りより少ない

これらはあくまで大まかな基準なので、詳細は「日本年金機構」まで問い合わせるようにしてください。

所得税法上の扶養

所得税法上の扶養では、扶養家族が増えると所得税や住民税が減り、節税をすることができます。

扶養に入れるための条件の1つ目は、年収です。親の収入が年金のみである場合、親の年収が以下の条件を満たしていれば扶養に入れることができます。

親の年齢が65歳未満 年収が108万円以下
親の年齢が65歳以上 年収が158万円以下

ちなみに、遺族年金は非課税なので、遺族年金以外の所得で判断しましょう。「生計を一にしている」ことも扶養に入れるための条件の1つです。

同居していたり、別居していても生活費や医療費などを仕送りしていれば「生計を一にしている」と言うことができます。

以上のような条件を満たして、親を所得税法上の扶養に入れることができれば、以下のような金額が控除されます。

所得税 住民税
70歳未満 38万円 33万円
70歳以上で同居 58万円 48万円
70歳以上で別居 48万円 38万円

節税方法⑦:子どもの基礎控除を使う

対象 子どもがいる人
関連度

基礎控除は、すべての人が無条件で収入から差し引ける控除のことです。基礎控除は収入がない子どもであっても対象になります。

2019年まで基礎控除は38万円でしたが、2020年からは以下のように変更されます。

所得が2400万円以下 48万円
所得が2400~2450万円 32万円
所得が2450~2500万円 16万円
所得が2500万円超 0円

子どもの名義でソーシャルレンディングを行うことができれば、基礎控除の金額を超えない限り税金はかかりません。そのため、源泉徴収された金額を確定申告で取り戻すことができ、大きく節税することができます。

子どもの名義で投資することができる事業者は現在のところ、『クラウドバンク』と『ポケットファンディング』のみです。

これらの事業者では保護者などがすでに口座を開設している場合、保護者である旨の書類などを提出すれば、子ども名義の未成年口座を開設することができます。

子ども名義の未成年口座に入金する時には、子ども名義の銀行口座から入金する必要があります。また、親子間であっても年間110万円を超えると贈与税がかかるので注意してください。

節税方法⑧:法人化

対象 ソーシャルレンディングなどの利益が大きい人
関連度

ソーシャルレンディング投資で得られる利益は総合課税されるため、収入が大きくなるとそれだけ税率は高くなります。

所得税率は最大45%で、住民税は10%なので、合わせて55%も税金で取られてしまいます。

一方、法人税の税率はほぼ一定で、利益が800万円を超えている場合は法人税と法人住民税などをあわせて約33%です。

そのため、ソーシャルレンディングなどの利益が大きくなれば、法人化により高い節税効果を期待できます。

法人化は以下のような点でも節税に有利です。

  • 赤字を持ち越せる
  • 従業員への給与を経費にできる
  • 節税方法が多い

赤字を持ち越せる

ソーシャルレンディングによる利益は雑所得なので、もし赤字が出てもそれを翌年に繰り越すことはできません。

しかし、法人化すれば9年まで赤字を持ち越すことができます。もし赤字が出ても、それを翌年の利益と相殺することができます。

例えば、2019年の損失がー50万円で、2020年の利益が100万円だった場合、赤字を持ち越すことができれば、2020年の利益から2019年の損失を差し引いた50万円が課税の対象になります。

ソーシャルレンディングでは、貸し倒れのリスクもあります。貸し倒れが起きた年には赤字になることもあるので、赤字を持ち越せるのは大きなメリットです。

従業員への給与を経費にできる

法人化をすれば、従業員への給与を経費にすることができます。従業員はいないから関係ないと思う人が多いかもしれませんが、実はこの方法を使って、手軽に節税することができます。

具体的には、家族に帳簿作成などの仕事を任せて、それに対して給与を支払えば経費を増やし、利益を減らして節税することができます。この方法は給与をもらう人の収入が低いほど高い節税効果を期待できます。

特に、専業主婦(主夫)などで収入がない人に仕事を任せて給与を支払い、扶養の範囲内に納めれば所得税や住民税はかからず、法人税だけを減らすことができます。

ちなみに、仕事を任せずに給与だけを支給し、それを経費としてしまうと、従業員としての実態がないため経費として認められません。

節税方法が多い

法人には、個人と比べて多くの節税方法が用意されています。例えば、以下のような節税方法があります。

  • 経営セーフティー共済
  • 法人で生命保険に加入する
  • 少額減価償却資産の特例

経営セーフティー共済

経営セーフティー共済とは、中小企業の連鎖倒産を防ぐための保険のようなものです。毎月掛け金を納めることで、取引先が倒産した時、これまでに積み上げた掛け金の10倍まで無担保無保証人でお金を借りることができます。

そして、一定期間経った後に解約をすれば、これまでに積み上げた掛け金の一部もしくはすべてを返却してもらうことができます。

具体的には、返してもらえる額は以下の通りになっています。

12ヶ月未満で解約 0円
12ヶ月以上40ヶ月未満で解約 掛け金の総額の80%
40ヶ月以上で解約 掛け金の全額

経営セーフティー共済の掛け金は、毎月5000円から20万円まで自由に設定でき、増額や減額などの変更を行うこともできます。

また、経営セーフティー共済の掛け金は損金に算入することができるので、節税効果があります。もちろん解約した時には税金がかかってしまいますが、税金がかかるタイミングを自由に調整できるのはメリットです。

経営セーフティー共済は倒産のリスクを下げることもできるので、法人化したらぜひ利用したい制度です。

法人で生命保険に加入する

生命保険に入っている人は多いと思いますが、生命保険は法人でも加入することができます。法人で生命保険に加入すると、掛け金の一部もしくは全部を損金に算入することができ、将来に向けてお金を貯蓄することもできます。

保険金が支払われたり、掛け金を取り戻した場合には、税金はかかってしまいますが、税金がかかるタイミングを自由に調整することができます。

少額減価償却資産の特例

パソコン、建物、機械などは使っていくうちに価値が低くなっていきますが、取得した年以降も何年か働いてくれることが予想されます。

このような資産を取得年度に一括で費用に計上してしまうと、その年だけ利益が少なく見えてしまい、会社の財務状況を正しく把握できなくなってしまいます。

そのため、実際に稼働すると考えられる期間にわけて費用を計上すべきと考えられています。

例えば、5年稼働すると考えられる100万円の機械を取得した年に、すべて費用として計上するよりも、1年に20万円ずつ、5年かけて費用に計上していったほうが会社の財務状況を正確に把握できるでしょう。

このような考え方を減価償却と呼びます。

通常は減価償却するべきと考えられる資産でも、取得金額が30万円未満であれば、一定の要件を満たせば取得年度に一括で費用に計上することができます。

そのため、利益が大きい年にこのような資産を購入すれば、利益を削減して税金を減らすことができます。