起業をすると、嫌でも社会保険や税金について詳しくなります。私も20代で起業してから、社会保険についてはずいぶんと詳しくなりました。本日は、社会保険料の納付方法をメインに、納付期限や滞納リスクについて、備忘録として記事に残します。
たとえ一人社長の会社であっても自分に役員報酬を支払っている場合は、社会保険に加入する義務があります。そのため、社会保険料の納付方法や納付期限について知っておいて損はないです。
社会保険料の納付方法
社会保険料の納付方法は主に3つあります。
- 口座振替
- ペイジー納付
- 金融機関で納付
①口座振替
口座振替は、金融機関の指定口座から毎月の社会保険料が自動振替されます。
個人的に一番おすすめなのが、口座振替です。
その理由は、
- 納付忘れを防げる
- 毎月の納付が自動化される
これらのメリットを享受できるからです。
社会保険料は毎月納付する必要があるので、自動化されるだけで非常に楽になります。納付を忘れると、延滞金を支払わなければいけないことがあるので、それだけでも口座振替のメリットは大きいです。
口座振替の手続きは、「健康保険厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」を金融機関に提出するだけです。ちなみに、ネット銀行(楽天銀行やジャパンネット銀行など)は口座振替に対応していないので注意しましょう。
金融機関(3部とも金融機関に提出してください)金融機関において、預(貯)金口座の照合確認を行った上で、1枚目(年金事務所用)が金融機関から年金事務所へ送付されます。ただし、金融機関において届出書が返戻された場合は、1枚目(年金事務所用)に金融機関の確認印を受けていることを確認した上で、1枚目(年金事務所用)、2枚目(金融機関用)を年金事務所又は事務センターへ送付、若しくは年金事務所の窓口へ提出してください。なお、提出された時期により、振替開始月がご希望に添えない場合がありますのでご了承ください。
②ペイジー納付
ペイジー納付とは、電子納付のことです。保険料納入告知書(毎月届く保険料の合計額が記載された紙)に記載されている「収納機関番号(0500)」「納付番号(16桁)」「確認番号(6桁)」の情報を使用して納付します。
ペイジー納付には4つの方法があります。主に使われるのが「①インターネットバンキングを利用した納付方法」です。簡単に言うと、ネット銀行から社会保険料を納付する方法です。
2019年7月現在では、楽天銀行とジャパンネット銀行が社会保険料のペイジー納付に対応しています。
①インターネットバンキングを利用した納付方法
インターネットを利用して払込手続きを行う
②モバイルバンキングを利用した納付方法
携帯電話を利用して払込手続きを行う
③ATM(ペイジーマーク表示のあるもの)を利用した納付方法
金融機関に設置されているATMを利用して払込手続きを行う
④テレフォンバンキングを利用した納付方法
電話の音声案内等を利用して、払込手続きを行う
③金融機関で納付
金融機関で納付は、その名の通り、金融機関の窓口で納付する方法です。わざわざ金融機関に行く必要があるので、おすすめできる納付方法とは言えません。
社会保険料の納付期限
社会保険料の納付期限は翌月末です。例えば、5月の社会保険料は6月末までに納付する必要があります。
例:5月の社会保険料の場合
6月10日頃に5月分の社会保険料が確定
6月20日頃に保険料納入告知書が届く
6月末までに社会保険料を納付する
毎月、事業主に納付していただく保険料額については、提出される被保険者の資格取得、喪失、標準報酬月額又は賞与支払等の変動に関する届出内容を基に毎月10日頃に前月分を確定し、20日頃、事業所へ「保険料納入告知書」を送付する方法にてお知らせしております。
保険料の納付期限は、月末です。納付期限までに保険料が納付されない場合は、後日、年金事務所より指定期限を設けた督促状が送付されることとなりますので、納付期限内に納付くださいますようお願いします。(※例えば、4月分保険料の納付期限は5月末日となります。)
出典:日本年金機構『納付期限』
社会保険料の滞納リスク
社会保険料を滞納については、「うちは関係ない」と思っている事業主は多いと思いますが、小規模事業者では滞納しているケースが多くあるそうです。
社会保険料の滞納が2〜3ヶ月続いた場合、「差し押さえ」が入るリスクが高まります。(滞納を理由にした売掛金の差し押さえなど)
社会保険料の延滞金
社会保険料を納付期限までに納付しなかった場合、督促状が送付されます。督促状の指定する期日までに納付がなく、督促状の指定する期日以降に納付がされたときは延滞金がかかります。
延滞金は、納付期限の翌日から、納付の日の前日までの日数に応じ、保険料額に一定の割合を乗じて計算されます。割合については下記のとおりです。
詳しくは、日本年金機構の『延滞金について』を参照ください。
①納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日までの期間
「年7.3%」または「特例基準割合+1%」のいずれか低い方
②納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日の翌日以後
「年14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い方
社会保険料が支払えない場合
社会保険料が支払えない場合は、年金事務所に必ず相談に行きましょう。自社の状況を説明することで、状況に応じて社会保険料の「分納」が認められることがあります。
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おわりに
事業主は社会保険料の納付義務があるので、社会保険についてはある程度理解しておいた方が良いです。なかには、税理士に丸投げしている方もいるとは思いますが、社会保険や税金はそこまで難しいものではありません。
税理士と共通言語でコミュニケーションを取るためにも、ある程度の知識は持っておきましょう。最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。