2022年7月13日、仮想通貨のレンディング(貸暗号資産)大手の「Celsius Network(セルシウス・ネットワーク)」が米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づいて破産申請を行ったことを発表しました。
2022年の極端な市況による破産と言われていますが、その後、2019年から実質的に破産状態にあったことがわかっています。
破産までの流れを簡単にまとめました。
2022年5月頃?:元CEOが同社口座から1,000万ドルを出金
2022年6月13日:顧客資産の引き出しを停止
2022年7月13日:破産申請
2022年5月頃?:元CEOが同社口座から1,000万ドルを出金
匿名の情報源をもとに、ファイナンシャル・タイムズが伝えた内容によると、Celsius Networkの元CEOアレックス・マシンスキー氏は、6月に顧客資産の引き出しを停止する数週間前に1,000万ドル(約14億5000万円)を出金していたとのことです。
2022年6月13日:顧客資産の引き出しを停止
2022年6月13日、Celsius Networkは、顧客資産の引き出し、スワップ、口座間の移動を一時停止することを発表しました。
オンチェーン分析の結果から、Celsius Networkが大量の顧客資産をDeFiで運用してきたことが以前から指摘されており、2021年のハッキング被害や「stETH」の価格が下落したことにより、同社が流動性危機に直面しているとの憶測が一気に広がりました。
2022年7月13日:破産申請
2022年7月13日、Celsius Networkが米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づいて破産申請を行いました。
また、同月に破産を申し立てた3AC(スリー・アローズ・キャピタル)に4,000万ドルを貸し付けていると明かしています。
補足①:2019年から破産状態にあった可能性
破産申請手続きをする中で提出した書類によると、セルシウスが2022年の仮想通貨市場の低迷後からではなく、2019年には実質的に破産状態にあったという事実が明らかになりました。
セルシウス側も、捜査当局の調べに対し、
投資家たちに支払っていた利回りを支えるのに十分な収入を得たことは一度もなかった。
と認めています。
補足②:仮想通貨のレンディング会社を選ぶ際の注意
セルシウスの一件で、どんなにユーザー数が多くても、実績が豊富でも、倒産する可能性が大いにあることがわかりました。
仮想通貨のレンディング会社には、海外では「BlockFi」や「Nexo」、国内では「BitLending」や「HashHub」などがありますが、投資家はどのようにレンディング会社を選べばいいのでしょうか?
結論、残念ながら「確実に安全な投資先」はありません。
そのため、投資家ができることは、一つのサービスに依存しないことです。言い換えれば、分散投資が必須ということです。
仮想通貨のレンディングは、銀行よりも圧倒的に高金利なため、魅力的な商品が溢れていますが、ハッキングリスクや会社破綻リスクがあることを常に考えておくことが大事です。