「つまるところ」という言葉は堅苦しい響きがあります。若いビジネスパーソンの中には目上の人に対して使っていいのか、あるいは報告書の中で書いてもいいのか迷われる方もいます。
今回は「つまるところ」という言葉の意味から語源・由来、同義語や使い方の例文、英語とドイツ語の対応する表現まで解説します。特に語源が同じ同義語「つまり」については、「つまるところ」と比較して使い方を詳しく見てみます。
「つまるところ」の意味
つまるところ
意味:言い換えると、簡潔に言うと、一言で言うと、結論を言うと
「つまるところ」の意味は、「言い換えると、簡潔に言うと、一言で言うと、結論を言うと」です。先に述べたことを別の言い方で表現するとき、長々と話したことを短くまとめるとき、複数の根拠を挙げて最後に結論を述べるとき、などに「つまるところ」という言葉を使います。
「つまるところ」の語源・由来
「つまるところ」は動詞の「つまる」と名詞の「ところ」が組み合わせられてできた言葉です。動詞の「つまる」には行きつく、極限に達するという意味があるので、「つまるところ」とは「行きつくところ」、「極限に達したところ」という意味になります。
「つまるところ」の例文と使い方
つまるところは、先に述べたことを別の言い方で表現するとき、長々と話したことを短くまとめるとき、複数の根拠を挙げて最後に結論を述べるとき、などに使います。
例えば、
- 営業の目的は、つまるところ会社と顧客の双方を幸せにすることだ。
- つまるところ、返品なさりたいということでしょうか。
のように使われます。
どちらの例文もあまり丁寧な印象を受けません。特に2番目の例では、「つまるところ」が堅苦しく、威張ったような印象を与えるため、尊敬語「なさる」との釣り合いがうまく取れていません。使う際には注意しましょう。
「つまるところ」を使う時の注意点
「つまるところ」はひらがなが一般的
「つまるところ」は一般的にはひらがなで書きます。
漢字で表記する場合は、送り仮名は「る」のみで「詰る所」と両単語を漢字で書きます。「詰まる所」「詰まるところ」「つまる所」と書く例も見られますが、あまり見られない書き方です。
「つまるところ」は敬語ではない
「つまるところ」という言葉は敬語ではありません。断定的な印象を与えるので、目上の人、上司、お客さんに使うのは控えたほうがよい言葉です。
堅苦しい印象を受けるため品格のある表現と思われる方もいらっしゃいますが、実はどちらかというと話し言葉に近い言葉です。そのため、報告書や論文などの正式な文章では使わないほうがよいです。
「つまるところ」の類語
せんずるところ
「せんずるところ」は「詮ずる所」とも書きます。「詮ずる」とは「つきつめて考えてみる」という意味なので、「せんずるところ」とは「つきつめて考えた結果」という意味になります。ちなみに、「詮ずる所」を熟語に変えると「所詮(しょせん)」になります。
結局
「結局」とは囲碁の言葉で、囲碁の一局を打ち終える、囲碁の対局を終了するということから、「結末」「あげくのはて」といった意味になります。
つまり
「つまり」は「つまるところ」と同じく、動詞の「つまる」を語源とする言葉です。堅苦しい響きのある「つまるところ」よりも高い頻度で使われています。「とどの詰まり」という表現もあります。