日本の国営放送局であるNHK(日本放送協会)の平均年収は1,098万円です。この記事では、そんなNHKの年収や働く環境について解説します。
NHKの平均年収
NHKの平均年収は推定1,098万円です。国税庁の民間給与実態調査によると日本国民の平均年収は432万円なので、NHKの平均年収はとても高いことがわかります。
- NHK:1,098万円(推定)
- 平均年収:432万円
※平均年収は、NHKの平成30年度決算書に記載されている「給与支給額」を「総従業員数」で割って算出しました。
NHKとは、放送法にもとづいて1950年に設立された特殊法人。総務省が所轄しており、日本で唯一の公共放送を行う放送局となります。
独立性を担保するために、スポンサーからの収入を得ないため、CMもありません。その代わり、日本国民から受信料を徴収することで、業務運営が行われています。
NHKの役職ごとの平均年収
NHKでは、役職につくことで年俸制となり、大幅に年収が上がります。
部長クラスになると基本年俸が1,000万円を超えます。年俸であっても、超過分の残業代や諸手当はつくため、実際の年収はさらに高くなることが推定できます。
(NHKが公式HPから発表している年収モデルから引用)
年齢 | 平均年収 |
局長クラス | 1,428万円 |
部長クラス | 1,173万円 |
課長クラス | 913.6万円 |
NHKは、30代の年収モデルも公表しています。
- 30歳:528万円
- 35歳:666万円
上記の数字から、NHKの30代の年収は500〜900万円程度であると推測できます。年功序列が残る企業であるため、年齢を重ねるごとに給与が上がります。年収が1,000万円に到達するのは40歳近くになると推測できます。
NHKの会長・理事などの報酬
NHKは、役員の報酬額も公表しています。NHKの役員は非常に高年収です。民間企業と比べても、かなり高い水準になっています。
年齢 | 平均年収 |
会長 | 3,092万円 |
副会長 | 2,690万円 |
専務理事 | 2,360万円 |
理事 | 2,206万円 |
NHKの一般職(管理職以外)の給与体系
NHKの一般職(管理職以外)の給与体系も公表されています。一般職の中でも、転勤のある全国職員と、転勤のない地域職員で給与体系は異なります。
全国職員の給与体系
一般職(管理職以外)の全国職員の給与体系は、A1からC2までのグレードがあります。C2以上は管理職になるため、給与体系が変わり、大きく年収が上がります。
下記の金額は基本給であるため、実際の年収には残業代や諸手当が追加されます。
グレード | 下限額 | 上限額 |
A1 | 164,950 | 240,000 |
A2 | 243,360 | 271,360 |
B1 | 278,360 | 306,360 |
B2 | 310,360 | 338,360 |
C1 | 340,360 | 368,360 |
C2 | 369,000 | 405,000 |
地域職員の給与体系
一般職(管理職以外)の地域職員の給与体系も、全国職員と同じく、A1からC2までのグレードがあります。C2以上は管理職になるため、給与体系が変わり、大きく年収が上がります。
下記の金額は基本給であるため、実際の年収には残業代や諸手当が追加されます。
グレード | 下限額 | 上限額 |
A1 | 143,960 | 204,000 |
A2 | 200,690 | 223,090 |
B1 | 222,690 | 345,090 |
B2 | 248,290 | 270,690 |
C1 | 272,290 | 294,690 |
C2 | 295,200 | 324,000 |
テレビ局の年収ランキング【NHKの年収は高い?】
テレビ局の中から、キー局の平均年収を比較しました。民間のテレビ局はすべてホールディングス企業のため、テレビ番組を製作している事業会社の平均年収とは異なります。
企業名 | 平均年収 | 売上高 | 一人あたりの役員報酬 | 転職人気ランキング |
TBSホールディングス | 1,586万円 | 3,663億5,300万円 | 約3,600万円 | 81位 |
テレビ朝日ホールディングス | 1,387万円 | 3,017億4,400万円 | 約2,276万円 | 97位 |
日本テレビホールディングス | 1,372万円 | 4,249億4.400万円 | 約4,871万円 | 60位 |
フジ・メディア・ホールディングス | 1,167万円 | 6,692億3,000万円 | 約2,250万円 | 34位 |
NHK | 1,098万円 | 7,332億円(収入) | 約2,371万円 | 45位 |
出典:決算書
NHKの平均年収は5位でした。
民間の放送局と比較した際、NHKの平均年収は低いです。しかし、民間放送局の平均年収は従業員数の少ないホールディングス企業から算出されたものに対して、NHKは10,000人の従業員数から算出された平均年収です。
そのため、実質的には、NHKの平均年収は民間の放送局よりも高い可能性があります。
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NHKの働き方
NHKは働き方改革に力を入れており、数々の制度を実施しています。ここでは主な制度を4つ紹介します。
- フレックス勤務
- 在宅勤務制度・サテライトオフィス
- クリエイティブ休暇
- 育児制度
フレックス勤務
NHKではフレックス勤務が導入されています。業務や個々人の予定に合わせて勤務開始時間・終了時間を選択することができます。
例えば、所定勤務時間が10:00〜18:30の職員の場合、ある日は通院のために11:00〜19:30に勤務時間を変更したり、次の日は子どものお迎えのために9:00〜17:30に設定するなど、自由な働き方が可能です。
在宅勤務制度・サテライトオフィス
職場に出勤せずとも、自宅で業務を行うことができます。勤続年数などの一定の条件はありますが、2019年時点で1,700人が登録し、毎月200名以上が利用しています。
その他、出張や外勤の際にも効率的に仕事ができるように、全国80ヵ所にオフィススペースがあります。いつでもオフィススペースを利用することができるため、時間を有効活用することができます。
クリエイティブ休暇
NHKでは、通常の年次有給休暇とは別に、毎年連続5日の休暇を取れる「クリエイティブ休暇」制度があります。土日や休日と合わせることで1週間以上の休暇を毎年取ることができます。
育児制度
NHKには豊富な育児制度が備わっています。
2年間の育児休職は毎年ほぼ100%の女性が取得しており、自担勤務や産前産後休暇、妻出産休暇なども実施されています。
その他、事業所内に保育施設が確保されていたり、仕事と育児の両立を支援する育児サポートデスクなども完備。子育てと仕事の両立ができやすい環境になります。
NHKに転職するためには
NHKの転職難易度は高いです。「社会人が選ぶ転職人気企業ランキング」では常にトップクラスであり、2019年度では50位以内に食い込んでいます。NHKを志望している方は、事前準備が重要になります。
NHKに転職するために知っておくべきこと
NHKに転職するために知っておくべきことは、3つあります。
- 30歳未満の「新卒・キャリア同時採用」
- 記者職種は通年採用を実施
- 非公開求人を保有する転職エージェントを利用する
1.30歳未満の「新卒・キャリア同時採用」
NHKは、秋に「新卒・キャリア同時採用」を実施しています。学生もしくは30歳未満の方だけが応募できる採用です。新卒採用と同じ形式であるため、職種も多岐に渡ります。30歳未満の方なら、第二新卒や既卒でも応募可能です。
ディレクター、記者、映像取材、映像制作、放送事業のマネジメント、技術
2.記者職種は通年採用を実施
NHKでは、記者職種のみ通年採用を実施しています。
必須条件はとても緩く、「社会人経験」のみ。しかし、その分人気職種であるため、応募も多く、競争率は上がっていることが予想されます。
競争を勝ち上がる際には、「なぜ公共放送という場で記者を行いたいのか」ということを掘り下げて伝えることが重要になります。自分一人で対策を行うことはなかなか難しいため、次に紹介する「転職エージェント」のサポートを受けることをおすすめします。
3.非公開求人を保有する転職エージェントを利用する
転職エージェントとは、求人紹介や履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、面接の日程調整、面接後の条件交渉などを担当のキャリアアドバイザーがサポートしてくれる無料サービスです。
NHKは、転職エージェントに「非公開求人」を掲載している可能性があります。NHKのような人気企業が求人を出すと応募者が殺到しやすいため、一般には公開しない「非公開求人」を転職エージェントに発注することが多いです。
NHKの場合、転職難易度が非常に高いので、万全な準備が求められます。転職エージェントでは、NHKの求人紹介はもちろん、NHKから内定を貰うための面接対策を行ってもらえるため、転職エージェントを利用した方が内定確度は高まるでしょう。
- リクルートエージェント:転職支援実績No.1
- JACリクルートメント:ハイクラス転職実績No.1
- パソナキャリア:転職サポートの質が高い
まとめ
NHKの平均年収は推定1,098万円でした。
NHKは定期的にキャリア採用を行なっており、募集条件も緩いため、誰でもチャレンジすることが可能です。しかし、その分競争率が上がるため、綿密な対策が必要になります。
そのため、転職エージェントなどでサポートを受けることをおすすめします。
■まとめ
・NHKの平均年収
1,098万円
・NHKの会長・理事などの報酬
会長:3,092万円
副会長:2,690万円
専務理事:2,360万円
理事:2,206万円
・NHKの役職ごとの報酬
局長クラス:1,428万円
部長クラス:1,173万円
課長クラス:913.6万円
・NHKに転職するために知っておくべきこと
①30歳未満の「新卒・キャリア同時採用」
②記者職種は通年採用を実施
③非公開求人を保有する転職エージェントを利用する