マネタイズの意味とは?【有名サービスのマネタイズの仕組みも合わせて解説】

目次

マネタイズの意味とは

マネタイズの意味と使い方

ビジネスパーソンは「マネタイズ」という言葉をよく使いますが、マネタイズの意味がいまいちわかりません。

マネタイズは「収益化する」という意味です。

より具体的に言うと、無料のインターネットサービスをどのように収益化するかという意味で使われることが多いです。最近は、FacebookやInstagram、LINEのようなユーザー側は無料のサービスが増えています。

ユーザー側は無料にして、多くのユーザーを集客できたら、そこからマネタイズしていく。それがインターネットサービスのマネタイズの主流になっています。

ポイント

マネタイズは収益化するという意味。無料のインターネットサービスをどのように収益化するかという意味で使われることが多い。

マネタイズポイントとは

「マネタイズ」に関連して、マネタイズポイントという言葉もよく使われます。マネタイズポイントとは、「収益(お金)が発生するタイミングのこと」です。

例えば、Webメディアやブログに表示されている広告は、クリックすると「1クリック=30円」のように収益が発生します。この場合、ユーザーが「クリックしたタイミング=マネタイズポイント」になります。

マネタイズの英語の意味

マネタイズの英語表現は「monetize(お金に換える、収益化する)」です。日本語として使うマネタイズと同じ意味になります。

How do you plan to monetize this business?
どのようにこの事業を収益化するのですか?

マネタイズの例文と使い方

例文1.マネタイズできなければビジネスとして成り立たない

例文2.Webサービスでマネタイズするなら集客が命です

例文3.サブスクリプションはマネタイズ方法としては効率的

例文4.その新規事業はどうやってマネタイズするの?

例文5.その新規事業案だとマネタイズは難しそうですね

「マネタイズ」は、IT企業では日常的に使われています。特にミーティングでは、頻繁に使われる言葉です。

例えば、新規事業を提案したときに、上司から「この事業はどうやってマネタイズするの?」と聞かれることは多いです。

マネタイズモデルは基本的に4つだけ

マネタイズモデル

マネタイズモデルは、基本的に4つあります。多くのサービスが「広告モデル」または「課金モデル」を採用しています。

  1. 広告モデル
  2. 課金モデル
  3. 仲介モデル
  4. ECモデル

マネタイズモデル:①広告モデル

無料のWebメディアやアプリを見てると、よく広告が表示されます。例えば、漫画アプリでは、広告を見ると、無料で漫画を読み始めることができます。これが広告モデルです。

広告モデルのマネタイズは「クリック型」「純広告」があります。「クリック型」は、広告をクリックしたら収益が発生します。(代表的なのがグーグルアドセンス)

一方、「純広告」は、Webメディア側が広告枠を企業に売り、ユーザーの目に留まるだけで収益が発生します。つまり、ユーザーがクリックしなくても広告が表示されるだけで収益化できるのです。(純広告は、集客力のある大手メディアがやっている場合が多いです)

ちなみに、今見ていただいている『キャリアメディア』も広告モデルでマネタイズしています。記事内に表示されている広告(=グーグルアドセンス)をユーザーがクリックしたら収益が発生します。

マネタイズモデル:②課金モデル

課金モデルは、その名の通り、ユーザーが課金することでマネタイズするモデルです。わかりやすい例で言うと、ゲームアプリが課金モデルですね。

基本プレイは無料ですが、最後までクリアするためには課金が必要。このようなモデルが課金モデルです。
課金モデルの凄いところは、最初の入口は無料のため、ユーザーが抵抗なくサービスインできることです。サービスに満足すれば、自然に有料プランに移行していくため、ユーザー心理を捉えたモデルと言えます。

最近は、YouTubeも課金モデルを採用してきましたね。

動画は無料で視聴できますが、「広告なしで視聴したい場合はプレミアムプランに入ってね」というように、うまく有料プランに誘導しています。

マネタイズモデル:③仲介モデル

仲介モデルは、簡単に言うとマッチングビジネスです。わかりやすい例は、リクルートです。

賃貸不動産サイトの「SUUMO」は、家を借りたいユーザーと貸したい企業をマッチングしています。転職サイトの「リクナビNEXT」は、仕事を探しているユーザーと採用したい企業をマッチングしています。

このように、何かを必要としている人同士をつなぐモデルを仲介モデルと言います。

仲介モデルは、ユーザー(個人)と企業をつなぐことが多いです。基本的には、ユーザー側は無料で、企業側がマッチングした会社に料金を支払います。

(例えば、リクナビNEXTは、ユーザーは無料で使えますが、企業側はリクルートに料金を支払う必要があります)

マネタイズモデル:④ECモデル

ECモデルは、簡単に言うと「通販」のことです。

amazonやZOZOTOWNが有名ですね。ユーザーが商品を購入することで収益が発生する。単純なビジネスモデルとなっています。

ちなみに、オークションサイトもECモデルに入ります。ネット上で売買行為が行われるものは、基本的にECモデルに該当します。

有名サービスのマネタイズの仕組み10選

マネタイズの仕組み

マネタイズの意味はよくわかりました!

具体的に有名サービスのマネタイズの仕組みを教えて欲しいです。

勉強熱心ですね!

それでは、有名サービスのマネタイズの仕組みを一つひとつ見ていきましょう。

  1. TikTok
  2. LINE
  3. Facebook
  4. Twitter
  5. YouTube
  6. Retty(レッティ)
  7. Sansan
  8. TimeTree(タイムツリー)
  9. マネーフォワード ME
  10. BASE(ベイス)

マネタイズの仕組み:①TikTok(ティックトック)

TikTokのマネタイズの仕組み

中高生を中心に大人気のTikTokですが、実はまだマネタイズできていません。しかし、約1,000万人以上のアクティブユーザーを抱えており、すぐにでもマネタイズできる状況です。

YouTubeと同じように、短い広告を差し込んだり、企業アカウントを有料化するなど、マネタイズの方法は豊富にあります。

TikTokはまだマネタイズできていませんが、TikTokを運営するバイトダンス社の企業価値はなんと78億ドル(約8,500億円)となっています。

まだ収益をあげていませんが、ユーザー数が多く、マネタイズまったなしなので、今後の動きに注目したいですね。

マネタイズの仕組み:②LINE

LINEのマネタイズの仕組み

私たちの生活に欠かせないコミュニケーションツールとなったLINE。LINEのマネタイズ方法は、基本的には広告モデルです。

広告以外にも、スタンプの販売やLINE GAME、LINE MUSIC、LINE マンガがあります。LINE関連のサービスは非常に多いので、プラットフォームになりつつありますね。

LINEは、電子決済サービスのLINE Payも運営しています。電子決済市場は確実に伸びていくので、今後どのようにマネタイズしていくのか気になりますね。

マネタイズの仕組み:③Facebook

Facebookのマネタイズの仕組み

Facebookは世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス。そんな誰もが知っているFacebookのマネタイズ方法は、広告モデルです。

Facebookの広告は、比較的低予算で出稿することができます。予算を決めれば、その予算内で効果的に広告が表示されます。

最近では、Facebookのアクティブユーザーが減ってきているため、広告効果がないという声もあります。今後どのような戦略を取るのか注目です。

マネタイズの仕組み:④Twitter

Twitterのマネタイズの仕組み

Twitterも誰もが知るソーシャル・ネットワーキング・サービスです。Twitterのマネタイズ方法は、広告モデルです。

Twitterを利用している人であればわかると思いますが、タイムラインには一定間隔で広告が表示されています。

ツイートの左下に「プロモーション」と記載されているので、区別できるようになっています。

マネタイズの仕組み:⑤YouTube

YouTubeのマネタイズの仕組み

YouTubeは世界最大の動画共有サービスです。YouTubeのマネタイズ方法は広告モデルです。

YouTubeは無料で動画を視聴できますが、必ず動画内に広告が差し込まれています。最近では、1動画あたりの広告数が増えており、かなり大きな収益をあげています。

2019年のYouTubeの広告売上高は150億ドル(約1兆6000億円)となっています。2020年には、2兆円になると言われているので、凄まじい勢いです。

またYouTubeは、YouTubeプレミアムというサブスクリプションにも手を出しています。サブスクリプションとは、月額制のことです。

YouTubeプレミアムに入ると、

  • 広告なしで動画を視聴可能
  • バックグラウンドで動画を再生可能
  • 動画をオフラインに保存可能

などができるようになります。金額は下記の通りです。

  • 一般:1,180円/月
  • ファミリー:1,780円/月
  • 学生:680円/月

マネタイズの仕組み:⑥Retty(レッティ)

Rettyのマネタイズの仕組み

Rettyは日本最大級の実名型グルメサービスです。食べログやぐるなびのようなグルメサイトを想像するとわかりやすいですね。Rettyのマネタイズ方法は、広告モデルです。

具体的に言うと、Rettyのマネタイズ方法は「広告モデル」だけでなく「店舗向けの集客支援サービス」もあります。

例えば、

  • お店の情報を増やす
  • 特集記事にお店を取り上げる
  • お店に興味のあるユーザーにニュースを配信

などを行っています。

マネタイズの仕組み:⑦Sansan

sansanのマネタイズの仕組み

Sansanは、法人向けのクラウド名刺管理サービスです。名刺管理アプリは数多くありますが、Sansanは2018年時点でシェア82%誇っています。

そんなSansanのマネタイズ方法は、課金モデルです。法人向けに、「Liteプラン」「Standardプラン」「DXプラン」3つのプランが用意されています。(料金は各企業の規模によって変わってきます)

Sansanは2019年6月にはマザーズに上場した今勢いのある企業です。CMも度々打っているので、知名度がどんどん高まっています。

マネタイズの仕組み:⑧TimeTree(タイムツリー)

TimeTreeのマネタイズの仕組み

TimeTreeはカレンダー共有アプリです。家族やカップル、友人と予定を共有する際に重宝するサービスです。

TimeTreeの便利な点は、目的別にカレンダーを作成できることです。「家族用のカレンダー」や「彼女用のカレンダー」のようにアプリ内で使い分けできます。

そんなTimeTreeのマネタイズ方法は、広告モデルです。

TimeTreeは積極的にCMを打っているので、知っている人は多いと思います。最近では、プライベートのカレンダーを「グーグルカレンダー」から「TimeTree」に移行する人が増えているようです。

マネタイズの仕組み:⑨マネーフォワード ME

MoneyForward MEのマネタイズの仕組み

マネーフォワード MEは、個人向けの資産管理・家計管理ができるサービスです。収入や支出を見える化してくれるので重宝するサービスです。

マネーフォワード MEのマネタイズ方法は、課金モデルです。月額500円ですべての機能を利用することができます。

マネーフォワード MEを運営している「株式会社マネーフォワード」は、法人向けにクラウド型の会計ソフトも提供しています。

また、お金に関するオウンドメディアも運営しており、お金に関するサービス全般を提供する会社となっています。

  • 個人向けサービス:マネーフォワード ME、MNEY PLUS、SiraTama、マネーフォワードモール
  • 法人向けサービス:クラウド会計、クラウド確定申告、クラウド請求書、クラウド給与、クラウド勤怠、クラウドマイナンバー、クラウド経費、クラウド資金調達

マネタイズの仕組み:⑩BASE(ベイス)

BASEのマネタイズの仕組み

BASEは、ネットショップを無料で作成できるサービスです。誰でもネット上にショップを持つことできるようになった画期的なサービスです。

BASEのマネタイズ方法は、課金モデルです。

BASEは、ネットショップの作成に必要な機能はすべて無料で提供しています。一部のオプションサービスを有料化することにより、マネタイズしています。

例えば、ネットショップ上でクレジットカード決済をできるようにする「BASEかんたん決済」は、下記の金額になっています。

  • 決済手数料:3.6%+40円
  • サービス利用料:3.0%(決済手数料とは別)

ユーザー側に無料で利用できるようにして、一部の機能を有料化する。これが課金モデルの典型です。

オウンドメディアのマネタイズ方法

オウンドメディアとは、自社で保有するWebメディアのことです。自社の商品・サービスをWeb上で宣伝するために運営されるメディアのことを指します。

基本的にオウンドメディアは、「ユーザーに対して自社の商品・サービスを宣伝し、購入してもらうため」に運営されます。

つまり、オウンドメディアのマネタイズ方法は、自社の商品・サービスを売ることです。最近では、それにプラスして広告モデルを採用する企業が増えています。

ポイント

オウンドメディアとは、自社で保有するWebメディアのこと。基本的には、自社の商品・サービスを売ることでマネタイズしている。

補足:地域ブログのマネタイズ

この記事を書いている私は、地域ブログを運営していたこともあります。その当時、「地域ブログをどうマネタイズしているのですか?」という質問をよく頂いていたので、補足情報としてお話します。

地域ブログのマネタイズ方法は、広告モデルです。メインの収入源はグーグルアドセンスのような「クリック型広告」です。プラスして、地域のイベント情報などを記事にする、記事広告もやっていました。

また、その地域に旅行に来るユーザーに対して、航空券などのアフィリエイト広告でもマネタイズできていました。

マネタイズについて学べる本

マネタイズについてもっと学びたいのですが、おすすめの本はありますか?

マネタイズについて学びたい人は、「ビジネスモデル」を解説している本を読むと勉強になると思います。

日常的に当たり前に使っているサービスがどのようにマネタイズされているのかを知れば、新しいアイデアが生まれるかもしれません。

ここでは、実際に読んだ2冊の本を紹介します。

①ビジネスモデル2.0図鑑

ビジネスモデルの仕組みが図解で100個紹介されています。左側にビジネスモデルの図解、右側にビジネスモデル解説という構成になっているので、非常にわかりやすいです。

Amazo GOやSpotify、Airレジなどの新しいビジネスモデルについても解説されているので、非常に勉強になりますよ。

②ビジネスモデル全史

昔のビジネスモデルから現代のビジネスモデルまで、広く簡潔にまとめられています。

  • 1期:〜1990年頃
  • 2期:〜2001年
  • 3期:2002年〜

このように、3期に分けられて幅広いビジネスモデルが解説されているので、これまでのビジネスモデルの変遷を知りたい方におすすめです。

まとめ

この記事では、マネタイズの意味だけでなく「マネタイズの例文」や「有名サービスのマネタイズの仕組み」などについて解説しました。

マネタイズという言葉はビジネスパーソンにとって必須用語なので、ぜひ覚えておきましょう。少し記事が長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

①マネタイズの意味とは

マネタイズは収益化するという意味

②マネタイズの例文と使い方

「マネタイズできなければビジネスとして成り立たない」

「Webサービスでマネタイズするなら集客が命です」など

③マネタイズモデルは基本的に4つだけ

  • 広告モデル
  • 課金モデル
  • 仲介モデル
  • ECモデル

④有名サービスごとのマネタイズの仕組み10選

上記参照

⑤オウンドメディアのマネタイズ方法

オウンドメディアのマネタイズ方法は、自社の商品・サービスを売ること

⑥マネタイズについて学べる本

  • ビジネスモデル2.0図鑑
  • ビジネスモデル全史
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