「ハレーション」の意味
ハレーション
意味:①撮影するときに強い光が当たってしまい、フィルムに影響して、写真全体が白く濁ってしまうこと、②周囲や周りの人に悪影響を与える、強い影響を与えること
「ハレーション(英語でhalation)」はもともとは写真用語で、「撮影するときに強い光が当たってしまい、フィルムに影響して、写真全体が白く濁ってしまうこと」を意味します。
ハレーションは元の意味が「なにか強い影響力のあるものが周りに悪影響を与えるという現象であること」から、ビジネスをはじめ、いろいろな分野で意味を転用して使われています。
ビジネスシーンでの使われ方
ビジネスを含め社会一般では、「ハレーション」は写真用語としての意味を拡張して、「周囲や周りの人に悪影響を与える、強い影響を与える」という意味で使われることが多いです。例えば、「あの人がここに来てから、周りにハレーションが起きてしまった」などの使い方がされます。
IT業界
ビジネスの世界でも、プログラミングなどのコンピューター関連業界では、少しニュアンスが異なります。プログラムで使う言語は、1文字違うとエラーとなってしまうことから、「周囲への悪影響」ではなく「一つのミスで大きな悪影響を及ぼす」という意味で使われることが多いようです。
デザイン業界
デザイン業界では、「彩度の高い、明るい色同士を組み合わせることで目がチカチカしてしまう現象」をハレーションと言い、デザイン的に避けるべきこととされています。
医療業界
医療業界では、「レントゲン撮影の際、強い光があたったところが白くぼやけてしまう現象」をハレーションと言い、放射線科でよく使われます。また、歯科の分野では、CTなどを撮影した際に、インプラクトや銀歯などの金属などがあると、電波が反射して映像にたくさんの線が入ってしまうことを言うようです。
「ハレーション」の例文と使い方
ここでは、「ハレーション」について、ビジネスシーンでの使い方を見ていきます。
→会社トップの一言は、部下に大きな影響を与えます。トップは慎重にありたいものです。
→現在ではパワハラにもつながるのでしょうか。仕事にやる気がなくなったり、上司の顔色をうかがうようになったりと、上司次第で部下の毎日が変わってしまいます。
→何か新しいことを始めると、社内ばかりでなく関係の会社にもいろいろな影響が生じるものです。
いずれも元々の意味である、「強い光の影響で周囲が白くぼやける」ように、周りに悪影響を与えるということです。その結果、社内や関係者に不安や軋轢が生じることになります。
「ハレーション」は悪影響を表すことが多いのですが、この場合のようにポジティブな良い影響を与える場合にも使うことがあります。
「ハレーション」を使用する場合の注意点
注意点①:業種により意味が異なる
先述したように、「ハレーション」は一般に「周りに悪影響を与える」という意味で使われることが多いのですが、業種によって意味が異なります。
注意点②:必ずしも悪い意味ではない
「ハレーション」は周りへの悪影響だけでなく、「停滞していた職場に新入社員が入り、ハレーションが起きた」など、好影響を与えるという意味で使われることもあります。話の前後関係で判断しましょう。
注意点③:使い方により嫌味に聞こえる
ネットの質問箱に「ハレーションって何?」という質問がよくあるように、必ずしも幅広く認知された言葉ではありません。知らない人に使うと、偉そうで嫌味に聞こえる場合があるので、相手を判断して、注意して使いましょう。
「ハレーション」の類語
ビジネスの場面で使う「ハレーション」について、「周りに悪影響を与える」という意味で次の言葉が類語になります。
- 悪影響
- 副作用
- マイナス効果
「ハレーション」の結果である次の言葉も類語といってもよいかもしれません。
- 摩擦
- 軋轢
まとめ
この記事では、「ハレーション」の意味や使い方について解説しました。あまり馴染みのない言葉だからこそ、初めて知る内容もあったのではないでしょうか。
まとめると、、、
・「ハレーション」の意味
→「撮影するときに強い光が当たってしまい、フィルムに影響して、写真全体が白く濁ってしまうこと」や「周囲や周りの人に悪い影響を与える、強い影響を与える」
・「ハレーション」の使い方
→周りに悪影響を与えるという意味で使われることが多いですが、好影響与える際にも使われることがあります。話の前後関係で意味を判断しましょう。
・「ハレーション」の類語
→悪影響、副作用、マイナス効果、摩擦、軋轢
「ハレーション」はもともと写真用語でしたが、「周りに悪影響をあたえる」「強い影響を与える」という意味で、ビジネスの世界でも使われる言葉です。ビジネス用語として覚えておけば、どこかで役に立つと思います。