エキゾチック通貨とは
エキゾチック通貨とは、「発展途上国・新興国が発行している通貨」のことです。言い換えると、「流通量の少ないマイナー通貨に分類される通貨のこと」です。
そもそもマイナー通貨とは、「メジャー通貨に比べて流通量の少ない通貨全般」を意味しており、主に「米ドル」「日本円」「ユーロ」「英ポンド」などの流動性の高いメジャー通貨以外の通貨を指します。
その中でも特に、「発展途上国や新興国で使われる通貨」を、エキゾチック通貨と呼びます。
エキゾチック通貨にはどんな種類がある?
ここでは、以下の代表的なエキゾチック通貨について解説します。
①TRY(トルコリラ)
トルコは現在、エルドアン大統領の独裁政治により、インフレ状態が続いており、通貨の価値が下落しています。
高いスワップポイントが得られることでも有名ですが、現在の政治情勢から見ると下落が続きそうだと言われています。
②RUB(ロシアルーブル)
主要国の中でも高いスワップポイントがありますが、ウクライナ侵攻によって価格が急落し、欧米からの経済制裁によってさらに下げ幅を拡大しています。
③ZAR(南アフリカランド)
ZAR(南アフリカランド)は、高金利通貨として人気があります。
南アフリカでは、金や鉄鉱石などが貿易上重要な資源なので、資源価格の変動に大きく影響を受けやすいです。現在は、貿易相手国である中国の再ロックダウンの影響が懸念されています。
④MXN (メキシコペソ)
メキシコは銀などの鉱物資源が豊富であるため、資源価格に大きく影響されます。
また、地理的な要因から対米依存度が高く、アメリカの景気変動にも影響を受けやすいとされています。現在は原油高によって価値が上がっています。
⑤HKD(香港ドル)
中国企業が香港ドルを利用して海外企業に投資するケースが多く、中国の経済情勢が大きく影響を与えています。米中関係の悪化にも影響を受けやすいと言われています。
⑥BRL(ブラジルレアル)
ブラジルは大豆や鉄鉱石などの一次産品の輸出額が高く、一次産品の価格変動に影響を受けやすいと言われています。
また、コロナ禍での財源不足が懸念されており、レアル安が進み、通貨価値の下落が続いています。
⑦CNH (中国・人民元)
中国ではオンショア(国内)市場とオフショア(海外)市場で取引されています。現在、オンショア市場の取引時間の延長を検討しており、価値が上昇しています。
エキゾチック通貨ペアのレートを載せているサイトもあるので、気になる方はぜひ調べてみてください。
エキゾチック通貨の注意点
エキゾチック通貨は、メジャー通貨に比べて流通量が少なく、取引量も少ないため価格の変動が激しい通貨です。
そのため、テクニカル分析(過去の値動きから資産の価格変動を予想すること)がしづらく、取引にかかるコストが非常に高いため、難易度の高い取引になります。
また、発展途上国や新興国では、景気や政治情勢の影響を強く受けやすい傾向もあり、潜在的な価格リスクをはらんでいるとも言えます。
しかし、エキゾチック通貨の中には、高いスワップポイントを得られるものもあります。エキゾチック通貨の取引に興味がある方は、リスクをしっかりと把握した上で取引するようにしましょう。