リップル(XRP)とは?
リップル(XRP)とは、仮想通貨の種類の1つです。2013年に「Ripple, Inc.(リップル社)」が銀行間送金のコスト削減を目的に開発した仮想通貨です。
2020年2月時点におけるリップル(XRP)の時価総額は約2兆円。全ての仮想通貨の中で、5番目の時価総額を誇っています。時価総額1位のビットコインが時価総額20兆円なので、約10分の1の規模感です。
「リップル」と「XRP」の違い
「リップル」と「XRP」はどちらも仮想通貨の名称として使用されていますが、正確には、以下の違いがあります。
- リップル:Ripple, Inc.(リップル社)のこと
- XRP:Ripple, Inc.(リップル社)が開発した通貨のこと
Ripple, Inc.では、銀行間送金向けの国際送金プラットフォーム「RippleNet」を開発しています。このRippleNet上で使用される仮想通貨がXRPです。
ただし、実際には通貨のXRPも「リップル」という名称で呼ばれています。
リップル(XRP)とビットコイン(BTC)の違い
リップルとビットコインの大きな違いは、「中央集権」と「非中央集権」です。
- リップル:中央集権
- ビットコイン:非中央集権
先述したように、リップルはRipple, Inc.が開発した仮想通貨です。
そのため、Ripple, Inc.は、XRPの総発行枚数1000億枚のうち630億枚を保有しているほか、リップルの送金データなどを記録するサーバーを運営しています。このように、Ripple, Inc.によって全面的に管理されている通貨であるため、中央集権であると言われています。
一方、ビットコインは非中央集権であり、管理する人が誰もいません。ブロックチェーンと呼ばれる技術を採用することで、管理者がいなくてもビットコインのシステムが上手く動いていくように設計されています。
リップル(XRP)の特徴
リップルの特徴は「送金速度の速さ」と「送金手数料の安さ」です。
送金速度が早い
リップルの送金にかかる時間は通常4秒程度であり、仮想通貨の中でも最速クラスです。送金に1時間以上かかるビットコインと比較すると、その速さが分かりやすいかと思います。
- リップル:4秒
- ビットコイン:1時間以上
送金が早い理由は、先ほどの「中央集権」です。ビットコインは非中央集権であるため、送金時に多数の関係者の承認が必要で時間がかかる一方、リップルはRipple, Inc.が中心となって管理しているため、送金の承認が一瞬で終わります。
送金手数料が安い
リップルは銀行間送金向けに使用される仮想通貨であるため、送金手数料が安く設定されています。2020年2月時点におけるリップルの送金手数料は約7〜8円なのに対し、ビットコインは約4,000円かかります。
- リップル:約7〜8円
- ビットコイン: 約4,000円
このように、現状の銀行送金と比較しても大幅に安い手数料で送金できるため、銀行間送金への活用が期待されています。
リップルは将来性がない?
今後、銀行間送金への活用が期待されるリップルですが、1つ大きな壁に直面しており、「将来性がない」と指摘されています。
それは、アメリカの証券取引委員会(SEC)からの訴訟です。
リップルに対する訴訟
リップルは今まで「通貨」であるとのスタンスを取ってきましたが、今回、アメリカの証券取引委員会から、「証券」であるとして訴訟を受けました。
今回の訴訟に負けて、証券として認定されると、株式などと同等の扱いをしなければなりません。そうなると、通貨として扱われていた時と比べて、急激に規制が厳しくなり、銀行間送金に活用することが難しくなってしまいます。
リップルの取引停止
この訴訟を受け、アメリカの仮想通貨取引所では、リップルの取引を停止しました。
アメリカの仮想通貨取引所はリップルの取引高に占める割合が大きいため、今回の取引停止によって、リップルの価格に大幅な悪影響を与えます。
実際に、訴訟のニュースが出た後、リップルの価格は約78円から63%以上も下落し、約25.9円程度まで落ち込みました。
訴訟状況は今後も注視が必要
今回、リップルはアメリカの証券取引委員会から訴えられましたが、まだ「敗訴」となった訳ではなく、裁判が始まったばかりの段階です。
リップルは日本やシンガポールでは証券ではなく通貨とみなされており、訴訟の内容次第では、アメリカでも同様の結論に至る可能性もあります。リップルが勝訴した場合には、証券問題の解決による、大幅な価格上昇も期待できます。
この訴訟問題は、今後のリップルの価格に大幅な影響を与えるニュースですので、今後も注視していくようにしましょう。