『転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)』の意味【使い方・類語・対義語・英語表現も解説】

「転ばぬ先の杖」の意味と使い方

コロナ渦を経て、いつ何が起こるか分からないという不安が一層増しました。

コロナ前よりも定期預金や資産運用、保険など、将来や万が一のときに備えてる、もしくは備えようと思っているビジネスパーソンは多いと思います。

さらに日本は災害大国なので、あらゆる状況に合わせていろいろ準備しておいたほうが安心ですね。まさに「転ばぬ先の杖」です。

「転ばぬ先の杖」の意味は、「万が一のときに備えて、もしくは失敗しないように事前に準備・用心すること」です。

この記事では「転ばぬ先の杖」の意味はもちろん、使い方や類語、対義語、英語表現まで詳しく解説していきます。

目次

「転ばぬ先の杖」の意味

転ばぬ先の杖

読み:ころばぬさきのつえ

意味:万が一のときに備えて、もしくは失敗しないように事前に準備・用心すること

先述した通り、「転ばぬ先の杖」の意味は「万が一のときに備えて、もしくは失敗しないように事前に準備・用心すること」です。

「転ばぬ先の杖」の使い方と例文

「転ばぬ先の杖」は、予期せぬ事態やリスクに備える重要性を伝えるときに使用します。

例えば、チームメンバーに不測の事態やリスクへの対策案を考えたほうがいい等のアドバイスをするときに使います。

例文1.いよいよ次は最終コンペだ。ここで気を抜かずに「転ばぬ先の杖」で、あらゆる状況に対応できるように準備しておいたほうがいい。

例文2.「転ばぬ先の杖」というだろう。万が一に備えて、最低限の保険には入っておいたほうがいいさ。

例文3.少子高齢社会が進んでいる今、年金制度が機能しきれるかなんて分らない。「転ばぬ先の杖」で、今のうちから老後に向けて準備をしたほうがいいだろう。

例文4.将来何があるか分からない。「転ばぬ先の杖」というし、備えておくに越したことはないさ。

例文5.「転ばぬ先の杖」というように、何か事が起きる前にいろいろ用意しておいたほうがいいだろう。

「転ばぬ先の杖」の類語

「転ばぬ先の杖」の類語を3つ紹介します。

  1. 備えあれば憂いなし
  2. 石橋を叩いて渡る
  3. 濡れぬ先の傘

①備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし)

「備えあれば憂いなし」の意味は、「普段から十分に準備して備えておけば、いざというときに心配せずに済むこと」です。

「憂い」は、「患い」とも書くことができます。一方で「備え」を「供え」と書くのは誤用になるので、こちらは注意してください。

例文1.「備えあれば憂いなし」というだろう。日ごろから備えておけば、非常時に焦ることもない

例文2.プレゼンまでまだ時間もあるし、抜け漏れがないようにしっかり準備しておこう。「備えあれば憂いなし」、何かあったときでも焦らず対応できる。

例文3.「備えあれば憂いなし」って言葉を知ってるかい?人生何が起こるか分からないし、いざというときのために備えておいて損はないよ。

②石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)

「石橋を叩いて渡る」の意味は、「用心に用心を重ねて、慎重に物事を行うこと」です。

「石橋を叩いて渡る」の他にも、「石橋」を使用した表現はいくつかあります。例えば、「石橋を叩いて壊す(慎重になり過ぎて、失敗すること)」があります。

例文1.「石橋を叩いて渡る」というだろう。用心するに越したことはないさ。

例文2.彼女は同期の中でも、特に慎重派だ。まさに「石橋を叩いて渡る」で、彼女に任せておけば失敗はないさ。

例文3.そうやって「石橋を叩いて渡る」のもいいが、慎重過ぎると何も挑戦できない。たまには思い切って、勝負に出ることも必要なんじゃないかな?

③濡れぬ先の傘(ぬれぬさきのかさ)

「濡れぬ先の傘」の意味は、「失敗しないように、事前に準備したほうがいいこと」です。

「濡れぬ先の傘」の意味は、雨が降ってきても濡れないように事前に傘を準備しておくことからきています。

例文1.「濡れぬ先の傘」というように、何事も万が一に備えておくことは大切だ。

例文2.世の中、いつ何が起こるか分からないものだ。「濡れぬ先の傘」で、将来のために貯金だけでなく、資産運用についても検討している。

例文3.「濡れぬ先の傘」というだろう。そうやって無駄遣いばかりしないで、たまには貯金したら?

「転ばぬ先の杖」の対義語

「転ばぬ先の杖」の対義語を2つ紹介します。

  1. 渇して井を穿つ
  2. 泥棒捕らえて縄を綯う

①渇して井を穿つ(かっしていをうがつ)

「渇して井を穿つ」の意味は、「必要に迫られてから慌てて対応しても間に合わないこと」です。

  • 渇する:のどが渇く
  • 井:井戸
  • 穿つ:掘る

をそれぞれ意味します。「渇して井を穿つ」は、「喉が渇いてから井戸を掘ること」からきています。

例文1.「渇して井を穿つ」というだろう。何か起こってからでは遅いよ。

例文2.事態が大きくなってから、そんなに慌ててもしょうがないよ。「渇して井を穿つ」、これを教訓に今後は事前の準備を怠らないことだね。

例文3.「渇して井を穿つ」というように、事前に用意しておいて損はないよ。

②泥棒捕らえて縄を綯う(どろぼうとらえてなわをなう)

「泥棒捕らえて縄を綯う」の意味は、「事が起こってから、慌てて対策を立てること」です。

「綯う(なう)」は、「糸などをより合わせて縄などを作ること」を意味します。

例文1.「泥棒捕らえて縄を綯う」というように、事態が深刻になる前に対策を講じるべきだ。

例文2.もう起きてしまったのだから、今焦って何かしようとしても遅いわ。まさに「泥棒捕らえて縄を綯う」とはこのことね。

例文3.「泥棒捕らえて縄を綯う」というだろう。今さら何をしても結果は同じさ。

「転ばぬ先の杖」の英語表現

「転ばぬ先の杖」の英語表現を2つ紹介します。

  1. Look before you leap.
  2. Prevention is better than cure.

①Look before you leap.

「転ばぬ先の杖」の英語表現のひとつめは、「Look before you leap.」です。直訳は「跳ぶ前に見よ」です。

  • look:(動詞)見る
  • before:(接続詞)~の前に
  • leap:(動詞)跳ぶ

で構成されています。

この英文は接続詞beforeによって、「Look(命令文)」と「you leap」の2文がつながっています。

②Prevention is better than cure.

「転ばぬ先の杖」の英語表現のふたつめは、「Prevention is better than cure.」です。直訳は「予防は治療に勝る」です。

  • prevention:(名詞)予防
  • better than~:(比較級)~より良い
  • cure:(名詞)治療

で構成されます。

まとめ

「転ばぬ先の杖」は、先が不透明な現代において、必ず覚えておきたいことわざです。

いつ何が起こるか、全く予測がつかない世の中で、自分の身を守ってくれるのは自分自身です。

未来の自分を守るために、今の自分に何ができるのか。「転ばぬ先の杖」を参考に、考えてみてはいかがでしょうか。

①「転ばぬ先の杖」の意味

・万が一のときに備えて、もしくは失敗しないように事前に準備・用心すること

②「転ばぬ先の杖」の使い方と例文

・いよいよ次は最終コンペだ。ここで気を抜かずに、「転ばぬ先の杖」であらゆる状況に対応できるように準備しておいたほうがいい。

・「転ばぬ先の杖」というだろう。万が一に備えて、最低限の保険には入っておいたほうがいいさ。

・少子高齢社会が進んでいる今、年金制度が機能しきれるかなんて分らない。「転ばぬ先の杖」で、今のうちから老後に向けて準備をしたほうがいいだろう。など

③「転ばぬ先の杖」の類語

・「備えあれば憂いなし」

・「石橋を叩いて渡る」

・「濡れぬ先の傘」

④「転ばぬ先の杖」の対義語

・「渇して井を穿つ」

・「泥棒捕らえて縄を綯う」

⑤「転ばぬ先の杖」の英語表現

・「Look before you leap.」

・「Prevention is better than cure.」

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