Bybitのロスカットの仕組みについて、知りたい。
Bybitは追証なしって聞いたけど、どういう意味?
これから取引を始める方にとって、「ロスカット」や「追証」という単語は馴染みがなく、少し分かりづらいですよね。しかし、Bybitで取引を始めるのであれば、必ず知っておくべき内容です。
この記事では、Bybitのロスカットや追証について、初心者でも分かるようにまとめているので、ぜひ参考にしてください。
ロスカットとは
ロスカットとは、保有しているポジションが強制的に決済されてしまう仕組みのことです。より分かりやすく言うと、ロングやショートのポジションが強制的に「損切り」されてしまう仕組みのことです。
例えば、ロングポジションを持っているときに、一定の価格まで下落すると強制的に損切りされてしまいますし、ショートポジションを持っているときに、一定の価格まで上昇すると強制的に損切りされてしまいます。
この強制的に損切りされてしまう一定の価格のことを「強制決済価格」といいます。強制決済価格に達すると、ポジションが強制的に決済されます。
強制決済価格は取引所に入金されている金額や、取引モードによって異なります。後ほど詳しく解説します。
- ロスカット:保有ポジションが強制的に決済されてしまう仕組み
- 強制決済価格:ロスカットによって強制的に損切りされてしまう価格のこと
ロスカットの具体例
ロスカットの具体例を出すと、「1ビットコイン(BTC)=500万円」のときに、ロングポジションを持つとします。このとき、400万円が強制決済価格だとすると、価格が400万円まで下落した瞬間に、強制的に損切りされて、ポジションが無くなってしまいます。
このように、強制決済価格に達すると、自分の意思とは関係なく強制的にポジションが無くなってしまいます。そのため、Bybitで取引をするうえでは、ロスカットの仕組みを正確に理解しておく必要があります。
追証とは
追証とは、証拠金額以上の損失が出てしまい、追加入金が求められることです。証拠金とは、取引に利用しているお金のことです。取引に利用しているお金以上の損失が出ると、その損失を補填するために、追加入金が求められてしまいます。
例えば、取引に利用しているお金が100万円で、この100万円を全て利用してロングポジションを持っているとします。このタイミングで強烈な価格下落が起きると、強制決済価格で売ることができず、強制決済価格を更に下回る価格で強制的に売られてしまうことがあります。
このとき、証拠金額以上の損失分については、証拠金を追加入金をしなければなりません。このように、証拠金の追加入金を求められることを「追証」と呼びます。追証は、「追加証拠金」の略です。
- 証拠金:取引に利用しているお金のこと
- 追証:証拠金額以上の損失が出て追加入金が求められること
Bybit(バイビット)のロスカットの仕組み
Bybitには2つの取引モードがあり、それぞれロスカットの仕組みが異なります。Bybitの取引モードは、以下の2つです。
- クロスマージンモード
- 分離マージンモード
ここからは、それぞれのモードについて解説していきます。
クロスマージンモード
クロスマージンモードとは、取引所に入金されている「全て」のお金を使って取引を行うモードです。
例えば、取引所に1ビットコイン(BTC)が入金された状態で、クロスマージンモードで取引を行うと、1ビットコイン(BTC)全てを取引に使っていることになります。
クロスマージンモードにおける強制決済価格は、取引所に入金している金額が全て無くなってしまう損失が出る価格です。
つまり、クロスマージンモードで取引をしているときに強制決済価格に達し、強制ロスカットされたときには、1ビットコイン(BTC)全てが無くなってしまいます。
分離マージンモード
分離マージンモードとは、取引所に入金されている「一部」のお金を使って取引を行うモードです。
分離マージンモードでは、取引所に入金されているお金のうち、 取引に利用するお金を限定することができます。
例えば、「取引所に入金している金額は1ビットコイン(BTC)だけど、取引に利用するのは0.1ビットコイン(BTC)だけ」というのも可能です。
分離マージンモードにおける強制決済価格は、取引に利用している金額が無くなる損失が出る価格です。
つまり、分離マージンモードで取引をしているときに強制決済価格に達し、強制ロスカットされたときには、取引に利用した金額だけが無くなります。
取引所に入金している全てのお金を失うリスクを背負いたくないときは、分離マージンモードを利用しましょう。
- クロスマージンモード:入金額の全額を使って取引を行うモード
- 分離マージンモード:入金額の一部をを使って取引を行うモード
Bybit(バイビット)の追証の仕組み
Bybit(バイビット)は追証がありません。
先ほど説明したように、追証とは、「証拠金額以上の損失が出てしまい追加入金を求められること」でした。つまり、Bybitでは証拠金額以上の損失が出ても、追加入金は求められません。
追証ありの取引所だと、入金額以上の損失が出ることがあるため、正直怖い部分があります。一方、Bybitでは入金額以上の損失が発生することがないので、安心してトレードをすることができます。
ユーザー保護の観点から追証なしに設定されており、想定外の損失によってユーザーに不利益をもたらすことがないようになっています。
Bybit(バイビット)のゼロカットシステム
Bybitに追証がないのは、Bybitの「ゼロカットシステム」のおかげです。
ゼロカットシステムとは、証拠金額以上の損失が出ても、取引所が補填してくれるシステムです。このゼロカットシステムにより、証拠金額以上の損失分についてはBybitが補填してくれるため、Bybitでは追証が発生しません。
ゼロカットシステム:証拠金額以上の損失が出たら取引所が補填してくれるシステムのこと
Bybit(バイビット)の保険基金
Bybitのゼロカットシステムが成り立つのは、Bybitの保険基金のおかげです。
Bybitには保険基金という制度が設けられています。これは、強制ロスカットが行われる度に、差額分のお金を貯めていく制度です。
この仕組みにより、万が一、入金額以上の損失が出てしまった場合においても、追証なくロスカットが可能です。