『礼節』の意味と使い方【礼儀との違いについても解説】

「礼節」という言葉は若い方にとってはあまり馴染みがなく、聞いたことはあっても意味までは知らない方が多いと思います。一方、「礼儀」という言葉であれば「礼儀正しい」など日常生活でも使われるため、意味を知っている方が多いと思います。

「礼節」は相手を尊重する心と態度を表す日本特有の言葉で、日本人として理解しておきたい言葉です。今回は「礼節」と「礼儀」の関係、正しい使い方について解説します。

目次

「礼節」の意味

礼節

読み:れいせつ

意味:礼儀と節度

「礼節」の意味は、「礼儀と節度」です。礼儀という言葉は、表面的な作法だけでなく、内面でも相手を敬う言動を表します。内面が伴っている・伴っていないというのは、不思議と相手に伝わるもので、敬意は表情や所作に現れるものです。

表面上だけ礼儀を守っているように見せて、相手への敬意がない人も多く、礼儀正しくはあるが、礼節が伴っていない人が以外と多いものです。

「礼儀」の意味

礼儀

読み:れいぎ

意味:社会のきまりにかなう、人の行動・作法。そのような敬意の表し方。

「礼儀」の意味は、「社会のきまりにかなう、人の行動・作法。そのような敬意の表し方。」です。

人間関係や社会の秩序を守るために、社会的にふさわしとされる行動作法のことです。例えば、「約束した時間を守る」「目上の人と話す時は敬語を使う」「丁寧な言葉遣いで話す」「正式な場ではスーツを着る」などです。現代の言葉で表すと「マナー」という言葉に近いですね。

礼儀はシーンや相手によって多岐にわたり、いきなり完璧に身に着けることは難しいですが、意識して行動することが大切です。礼儀のおかげで、初対面の相手に失礼な印象を与えず、良好な関係を築くことができるのです。

「礼儀」を使った言葉

例1:礼儀正しい

礼儀を守って正しく行動できているさま

例2:礼儀を知らない

礼儀が守れておらず、相手への敬いの気持ちがない、常識にかけているさま

「礼節」の例文と使い方

社会人の常識用語

例1:あの人は礼節を重んじる

例2:我が社の社訓は「思想を堅実に礼節を重んずべし」です

「礼節」は「礼節を重んじる」という形で「重んじる」という言葉と一緒に使われることが多く、他には「礼節をわきまえる」「礼節を守る」「礼節を知る」「礼節を心得る」という言い方で使われることがあります。

いずれも礼節を大切にするという意味合いがあります。一方、「礼節をわきまえない」「礼節を軽んじる」と言った場合は、礼節がなっていないということを表します。

「礼儀」「礼節」の使い方と注意点

社会人の常識用語

注意点①:「礼儀を知らない」「礼節をわきまえない」を相手に直接伝えるのはNG

「礼儀を知らない」「礼節をわきまえない」などの言葉は、相手の礼儀やマナーがなっていないことを表す強い否定の言葉で、相手を傷つけるだけでなく怒りを買うことになりかねません。少なくともビジネスシーンにおいて電話やメールで相手に直接伝えることは避けましょう。

例えば、部下の言動で気になるところがあれば、「もう少し丁寧な言葉遣いの方がいいよ」など具体的に気になるポイントについて注意を促しましょう。

注意点②:目上の方に対しては褒め言葉としても直接伝えない

「礼儀正しい」「礼節をわきまえている」は褒め言葉になりますが、目上の方に直接伝えると違和感があります。例えば、上司に対して「礼儀正しいですね」と言うと「上から目線」や「当たり前のことを褒められても」という印象を与えかねません。

丁寧な対応をしてもらった感謝を伝えたい場合は、「ご丁寧にありがとうございます」や「心のこもったご対応ありがとうございます」と伝えましょう。

目下の方に対しては「〇〇さんは礼儀正しいね」と直接伝える場合もあり、目下の方に直接伝えるのは問題ありません。また、基本的にはその場にいない人を評価する時に使われることが多く、「御社の〇〇さんは礼儀正しいですね」「御社の社員は礼節をわきまえており、素晴らしいですね」のように使われます。

「礼節」の類語

社会人の常識用語

「礼節」の類語①:「礼儀」

先述した通り、「礼儀」「礼節」には違いがありますが、一般的には同じような意味として使われることがあります。そのため「礼儀」も類語の1つとしてあげられることが多いです。

例:彼は非常に礼儀正しい

「礼節」の類語②:「礼儀礼節」

「礼儀礼節」という言葉があります。「礼儀」と「礼節」どちらも大切にすることを表し、この言葉も「礼節」と同じような意味で使われます。

例:あの人は、礼儀礼節を心得ている

「礼節」の類語③:「マナー」「エチケット」

「礼節」は普段使うには少し固い表現ですが、現代風に表現すると「マナー」「エチケット」という言葉が比較的近い意味を持ちます。

例:御社の社員はマナーがしっかりしている。

まとめ

社会人の常識用語

この記事では、「礼節」の意味や使い方について解説しました。あまり馴染みのない言葉だからこそ、初めて知る内容もあったのではないでしょうか。

まとめると、、、

・礼節の意味
→「礼儀と節度」

・礼節の使い方
→「礼節」は「礼節を重んじる」という形で「重んじる」という言葉と一緒に使われることが多く、他には「礼節をわきまえる」「礼節を守る」「礼節を知る」「礼節を心得る」という言い方で使われることがあります。

・礼節の類語
→礼儀、礼儀礼節、マナー、エチケット

「礼儀」は人間関係や社会秩序を守るために、社会的にふさわしとされる行動作法です。一方、「礼節」は、行動作法だけでなく、心から相手を敬う気持ちを持って礼儀正しく接することを表します。

表面上だけでなく、敬意を持って接することの大切さを伝える日本的な言葉になります。「礼儀」「礼節」の意味・使い方を理解して、正しく使えるようになりましょう。

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