みなさん「お手すき」という言葉の意味をご存知ですか?ビジネスシーンでよく使われるこの言葉には、実は二つの意味をもたせることができるんです。
みなさんが普段使っている「お手すき」はどちらの意味として使えるのか、この機会にぜひ認識し、意識して使い分けられるようにしましょう。
「お手すき」の意味
お手すき
読み:おてすき
意味:手が空いている
「お手すき」という言葉は、文字の通りその人の「手が空いている状態のこと」を指します。
よく使用されるシチュエーションとしては「急を要さない仕事を依頼したいとき」や「今相手の手が空いているかどうかを確認したいとき」があげられるでしょう。
相手の都合を考慮したこの言い回しは、それぞれ接続される他の言葉や伝えるツール(直接・メール文面・資料文面など)によって使い分けることが出来ます。
『お手すきの際に』の意味と使い方【社会人なら知っておきたい常識用語】
「お手すき」の語源・由来
「お手すき」の語源は「空き」や「透き」ないし「隙」からきており、どれも手の空いている忙しくない状況を連想させます。
ただし、漢字それぞれの持つ意味が異なるため、漢字を含めて使う際には相手の受ける微妙な印象の違いを認識する必要があります。文面にする場合は「すき」とひらがなで書くのが一般的と言えるでしょう。
「お手すき」の例文と使い方
「お手すき」という言葉を使用する際は、シチュエーションを意識することが大切です。
例えば、
- 先日ご依頼いただいた資料を添付いたしましたので、お手すきの際にご確認ください
- ○○さん、今お手すきでしょうか?
一つ目はメール文や電話口の使用例で「急を要さない仕事を依頼したい」ときに使われます。この言葉を使うメリットは、受け取る側に、急いで取り掛からなければいけないというプレッシャーを与えずに仕事を依頼できることです。
二つ目の例文は、主に相手に直接お伺いを立てる際に使用されることが多いでしょう。相手が今何をしている所なのか、会話を始める前に使用することで、ワンクッションの役割を果たしてくれます。
どちらも、相手のスケジュールに合わせたいという配慮の気持ちを伝えるための言葉なので、取引先や上司とのやり取りの際に活用するのがいいでしょう。
「お手すき」の使い方の注意点
「お手すき」を利用する際に気をつけることは大きく分けて2つあります。
- 急を要するときは使わない
- 直接使用の際はタイミングを計ること
注意点①:急を要するときは使わない
前の例文を説明した際にふれたように「お手すき」の言葉は時間的な余裕を含ませるためのものです。そのため、当然締め切りが迫る案件を依頼する際や、急ぎの要件を伝える際の使用はNGです。
相手がゆっくり構えすぎて期日を過ぎてしまった場合、自分にも相手にも迷惑が掛かり、トラブルの原因になります。
期日のある案件を渡す場合には、期日を記載する前に「お忙しい中大変恐縮ですが」などの別の言葉を使用して角を立たせないようにしましょう。
注意点②:直接使用の際はタイミングを計ること
これは当然のことのようですが、どう考えても相手が忙しくしている時に「お手すきですか?」と声をかけるのはNGです。配慮するつもりがかえって状況判断のできない人間と思われてしまうことになります。
直接使用する際には、相手の状況をしっかり見て、忙しそうな場合は時を改めるのも一つの手段と言えるでしょう。
「お手すき」の類語
「お手すき」という言葉のように相手へ配慮した言い回しは他にもいくつかあるので、少し紹介していきたいと思います。
- お時間のある際に
- ご都合のよろしいときに
- お暇なときに
類語①:お時間のある際に
メール文などで相手の都合を配慮したいときの言い換え表現です。よく連絡を取り合う相手に毎回同じ文面では本来もつべき意味も失われて感じられてしまうので、時には別の言葉で言い換えることも必要です。
この言葉を電話口や直接相手に使用する際には、「お時間よろしいでしょうか」などと言い換えるのがいいでしょう。
類語②:ご都合のよろしいときに
こちらもメール文などで使う際には①の例文と同様、言い換えたい時に使用することが出来ますが、直接使用すると「ただいまご都合はよろしいでしょうか」と不自然な言い回しになってしまうため、直接使用は避けることがいいでしょう。
類語③:お暇なときに
この言い回しは完全に間違いではありませんが、今回はあえて悪い例として挙げたいと思います。「暇」という漢字には、少なからず「時間を持て余している」という意味が含まれているため、ビジネスシーンでこれを使うと、暇があるように見えているのか、と相手に悪い印象をもたれてしまう可能性があります。フランクな相手とのやり取りで使うぶんには問題ありませんが、相手を選んで使うようにしましょう。
おわりに
この記事では、「お手すき」の意味や使い方について解説しました。あまり馴染みのない言葉だからこそ、初めて知る内容もあったのではないでしょうか。
まとめると、、、
・「お手すき」の意味
→「手が空いている状態のこと」
・「お手すき」の使い方
→①急を要するときは使わない、②直接使用の際はタイミングを計ること
・「お手すき」の類語
→①お時間のある際に、②ご都合のよろしいときに、③お暇なときに
取引先や上司とのやり取りの中で、相手に配慮する思いやりの気持ちを持つことは、この上なく大切なことです。同時に、もし自分が「お手すきの際に」と配慮されて仕事を依頼された場合、それでもなるべく早く対応してあげることがマナーです。
この言葉はあくまで、いい関係を築きたいという相手からの意思表示であり、「お手すき」でいいと言われたからといって長時間対応を放置してしまえば、それは信頼に傷をつける結果を生んでしまいます。言葉の持つ正しい意味を理解し、気持ちよく仕事を預け合える関係を築いていきましょう。