フェムテックとは
フェムテックとは、英語で「femtech」、女性を意味する「female」と技術を意味する「technology」を掛け合わせた造語です。2013年ごろにドイツのスタートアップ企業のCEOが使い始め、現在世界中に広まっています。
IT技術を駆使して、女性のヘルスケアや生活の質の向上をめざすという発想から誕生したフェミニンケアの新市場を指す用語です。
フェムテックの領域とは
フェムテックのカテゴリは、「生理」「不妊」「セクシャルウェルネス」「更年期」に至るまで多岐にわたります。女性のライフスタイルや各ライフステージで発生する悩みにアプローチする分野がフェムテック領域に含まれます。
フェムテック企業が成長している理由
フェムテック業界の幅広いカテゴリの中で現在最も代表的なのものは、生理関連です。
生理管理アプリをはじめ、最近ではショーツ、ナプキンなどフェムテックを活用した製品が誕生し注目されています。
フェムテックの先駆けは生理管理アプリ
多くの女性にとって最も馴染み深いのは生理管理アプリで、スマホ活用が活発なミレニアム世代を中心に、広く普及し機能性を揃えたさまざまな種類のアプリ開発されています。
アプリというソフト開発に活用したサービスなので初期費用などのコストが低く抑えられることが、生理管理アプリを提供する企業が多い要因といえます。
一方、最近では、ショーツやナプキンなど製品開発という初期費用や在庫など多くのコストがかかる分野にも多くのスタートアップ企業が参入しています。
フェムテック業界に多くのスタートアップ企業が参入する理由
SNSの活用拡大により、TVや雑誌などのメディアから発信される情報だけでなく、個人間で情報がシェアされるようになりました。
人には言えない女性特有の悩みや不満をシェアされたり、キャッチアップできるようになったことで、消費者のニーズをしっかり捉えた商品開発ができるようになりました。
またSNSなどによる情報拡散により、女性だけでなく、男性の間にも女性の悩みに関する理解が広がりつつあります。こうした理解の広がりから、フェムテックへの注目が日々高まっています。
このようなフェムテックへの注目や関心の高さにより、フェムテック領域のスタートアップ企業は従来のVCなどの資金調達だけでなく、クラウドソーシングなど幅広い資金調達が可能になりました。
そのためアプリなど初期費用が低い領域だけでなく、製品開発・展開が必要な領域にも多くのスタートアップ企業が参入し成長することができているのです。
フェムテック業界の今後
現在頭角を見せつつあるフェムテック企業は生理関連サービスを展開する企業が多いですが、フェムテック市場は成長過程にあり、今後さらなる広がりを見せると考えられています。
妊活や不妊治療のサポート、サニタリー(キッチンを除いた浴室、洗面所、トイレなどの衛生のための設備を持つスペースの総称)だけではなく女性の快適をサポートするランジェリーなど多くのサービスがスタートしています。
女性活躍の場としてのフェムテックの可能性
フェムテックは、テクノロジーの知識だけでなく、女性目線での商品開発が求められます。
女性ならではの感性や感覚を理解しできるため、フェムテック業界では女性起業家たちの活躍が期待されています。事実、現在注目されているフェムテック企業の多くは、CEOはじめメンバーも女性という組織構成です。
女性の社会活躍が叫ばれ続ける近年において、フェムテック業界はその製品だけでなく働く場としても多くの女性たちに求められる存在となることが期待できます。