景気動向指数とは
景気動向指数とは、「経済動向の先行きを予測する上で、方向性を判断するために作成された指標」のことです。
景気動向指数では、生産や雇用など、複数の指標の動きをみるために組み合わせて作成しています。内閣府が毎月調査し、2ヶ月後の月末に数値が発表され、景気の現状判断や将来の予測を行うのに役立ちます。
景気動向指数の種類
景気動向指数は、以下の2つの指数があります。
- CI(コンポジット・インデックス)
- DI(ディフュージョン・インデックス)
①CI(コンポジット・インデックス)
CI(コンポジット・インデックス)とは、景気変動の大きさや速度を表します。基準の年を100として、どれくらい変化したのか、変化率を元に算出します。
100からどのくらい離れているのかということで、景気動向の大きさを測ることができます。100より大きいと「景気拡大」、100より小さいと「景気縮小」と判断します。
従来は、景気動向指数はDIが代表的な指標として発表されてきましたが、近年は景気変動の大きさなどを把握することが重要視され、CIが中心となっています。
②DI(ディフュージョン・インデックス)
DI(ディフュージョン・インデックス)とは、景気動向の方向性を示す指数を表します。景気が回復局面か後退局面かを判断するのに役立ちます。
各指標ごとに3ヶ月前と比較して、改善:1、変化なし:0.5、悪化:0として採点します。
全て改善なら1=100%、全て悪化なら0%となるので、50%を上回れば「景気拡大」、50%未満であれば「景気後退」の判断です。
景気動向指数の見方
CIとDIには、それぞれ景気の動きを表す系列が、3つの指数があります。この3つの指数を基準に、景気が改善しているのか、下落しているのかを判断をします。
- 先行指数
- 一致指数
- 遅行指数
①先行指数
先行指数とは、景気の動きに対し、数ヶ月先行して動く指標のことです。景気の先行きに対する予測を行うときに参考します。
例えば、今後景気の動きを先読みできる「新規求人数」「東証株価指数」などを指します。
②一致指数
一致指数とは、景気の動きに対して一致して動く指標のことです。景気の現在の動きを把握するのに参考します。
例えば、直接的な景気の上昇、下落を示している「有効求人倍率」「商業販売額」などを指します。
③遅行指数
景気の動きに対し、数ヶ月から半年遅行して動く指標のことです。景気の転換点を確認するときに参考します。
例えば、景気の動向を後から確認できる「完全失業率」「消費者物価指数」などを指します。
補足:景気動向指数の影響
景気動向指数は、外国為替市場に影響を与えることがあります。
外国為替取引は、2国間の通貨の売買であることから、国内の経済情勢に大きな影響を受けます。その際に、景気動向指数は、国内の景気動向を把握する上で必要な指標となります。
FX取引において、景気動向指数が発表された際に、景気の大きさや方向をCIとDIを利用して、判断することが可能です。
景気の拡大は「日銀の金融引き締め」景気の後退は「日銀の金融緩和」を考えることができます。国内の景気の動きを把握することで、中央銀行の金融政策を予想することができ、FX取引において有利に働きます。