アウトライト取引の意味とは【知っておきたい金融用語】

目次

アウトライト取引の意味とは?

アウトライト取引とは、「買い戻し条件や売り戻し条件をつけないで売買を行うこと」です。

アウトライト取引の対義語

アウトライト取引の対義語は、為替スワップ取引です。

為替スワップ取引では、直物為替と先物為替の売買を組み合わせて行います。詳しくは、下記の「アウトライト取引と為替スワップ取引の違い」で解説します。

アウトライト取引の英語表現

英語のアウトライト(outright)とは、「率直な」「明白な」「無条件の」という意味です。金利がつかないことや、いろいろな条件がかからないシンプルな取引、というニュアンスです。

アウトライト取引と為替スワップ取引の違い

アウトライト取引と為替スワップ取引の違いは、以下のとおりです。

  • アウトライト取引:為替をそのまま買付・売付できる
  • 為替スワップ取引:為替の買付と売付(反対売買)を組み合わせている

為替スワップ取引は、「ある資産を買付する時に、将来的に売付までしなければならない」取引です。大抵は直物(じきもの)為替と先物為替の買付・売付を組み合わせて行われています。つまり、買付・売付に生じるリスクを抑えるための保証のような取引です。

例えば、ある時点で買付した資産(直物為替)の価値が、その後暴落してしまった。しかし、先物為替で売付することが決まっていたため、買付したときの価格で売付することができます。こうなると、暴落して生じたリスクを抑えることができます。

為替スワップ取引に対して、アウトライト取引には買い戻し・売り戻しの条件がなく、「買っただけ」「売っただけ」といったような取引になります。形としては、お店で商品を購入することと同じです。

アウトライト取引と裁定取引の違い

アウトライト取引と裁定取引の違いは、以下のとおりです。

  • アウトライト取引:一つの市場において、資産の価格変動を予想して取引し、利益を得る
  • 裁定取引:複数の市場において、資産の価格を比べて、利益を得る

そもそも裁定取引とは、「ある資産が2つの市場で異なる価値を持った時、割安の市場で買い、割高の市場に売ると利益がもらえることを利用する」取引の方法で、アービトラージとも呼ばれます。

一方、アウトライト取引では、その資産の価値の変化そのものを見越して売買し、単一の資産の差額によって稼ぎます。市場としての視点というよりも、その資産そのものの価値がどう変化するのかに重きを置いて行います。

アウトライト取引のメリット・デメリット

アウトライト取引のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

  • アウトライト取引のメリット:高いリターンを得ることができる
  • アウトライト取引のデメリット:未知数のリスクが生じる

アウトライト取引のメリット

アウトライト取引のメリットは、「高いリターンを得ることができる」点です。

為替スワップ取引では、買い戻し・売り戻しが予め決まっているので、買付によって利益を得ても、将来的には売付分の金額が差し引かれてしまいます。

アウトライト取引では買い戻し・売り戻しの条件がありません。狙っている資産の価値が大幅に上昇する前に買付けしたり、または下降する前に売付けしたりすることで、その分の膨大なリターンをそのまま得ることができます。

アウトライト取引のデメリット

アウトライト取引のデメリットは、「未知数のリスクが生じる」点です。

もし、予想した通りに市場が動かなかった場合、所持している資産の価値が暴落したり、あるいは売ってしまった資産が急騰したりする可能性があるので、トレーダーにとっては大きな損失になります。

為替スワップ取引では、将来的に売付まで決定しているのでリスクを少なくすることができますが、アウトライト取引では、損益が増大しても買い持ちし続けなければならない状況に陥る可能性があります。

買い持ち・売り持ちとは?

買い持ちとは「資産を買っている状態」であり、売り持ちとは「資産を売っている状態」です。少し詳しく言えば、資産を持っていることを買い持ちと言い、資産を売っている(資産を手放している)ことを売り持ちと言います。

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