『ご紹介に預かりました』の意味と使い方【社会人なら知っておきたい常識用語】

「ただいまご紹介にあずかりました○○です」

結婚披露宴やパーティなどで、あいさつを求められた人がよく使うこのフレーズ。なにげなく使っている人も多いかと思いますが、皆さんはこの言葉の意味を知っていますか?

どうしてモノでもないのに「あずかる」を使うのか。何のためにこのフレーズを使うのか。ぜひ言葉の持つ意味を理解して、正しく活用してみてください。

目次

「ご紹介にあずかりました」の意味

ご紹介にあずかりました

読み:ごしょうかいにあずかりました

意味:○○さんに紹介して頂いた者です

「ご紹介にあずかりました」という定型句は、「私は今○○さんに紹介して頂いた者です」という、自己紹介を促した相手(主催)に対しての敬意を表す言葉として使われます。なかでも、主催者に招待されて会場を訪れた来賓やゲストが、自己紹介の前置きとして使うパターンが最も多いでしょう。

主催者によって「ここで○○様より、一言ご挨拶を賜ります」と丁寧に前置きされた時、さも自分が話すことが当然のように振舞うと多方面からの印象を悪くする可能性があります。なので、謙虚さが美徳とされる日本ではこれは大切な表現の一つかもしれません。

「ご紹介にあずかりました」の語源・由来

この「あずかる」という言葉には「与る」という漢字を当てはめることができます。これは目上の人物から、好意の表れとして、あることを受けとった場合に使用される漢字です。(「お褒めに与り光栄です」も、まさにそのうちの一つです)

「ご紹介にあずかりました」の例文と使い方

社会人の常識用語

例文1:○○さん、△△さん、このたびはご結婚おめでとうございます。ただいまご紹介にあずかりました✕✕です。
例文2:先日○○様よりご紹介にあずかりました××と申します。

一つ目の例文は、主に結婚披露宴やパーティなどで用いられます。意味は先述した通りです。一方、二つ目の例文は、本来の意味とは少し違った目的で用いられることもあります。

例えば初めて連絡を取り合う相手にメールや書類を送る際。「はじめまして、株式会社○○の✕✕です」と冒頭に置くと、知らない会社の知らない人間から来た連絡に受け取り手は困惑し、もしかしたら不審に思われることもあります。

しかし「はじめまして。先日○○様よりご紹介にあずかりました、✕✕です」と記述することによって、「ああ、この人は○○さんの知り合いか」と受け取り手に不信感を与えず内容に目を通してもらうことが出来ます。

つまり、自分と相手が初対面の場合でも、共通の知り合いの信頼を借りてやりとりができるということです。どんなにメール文の内容が重要で大切でも、まずはその文面に信ぴょう性がなければ始まりません。このビジネスワードはそういった面で多くの活躍をしてくれます。

「ご紹介にあずかりました」の使い方の注意点

社会人の常識用語

注意点①:身内からの紹介の時には使わない

この定型文はあくまで「目上の人物に紹介された」ときに、敬意の意を表して使うものです。なので、例えば他の企業が参加する説明会などで自社の人間から言葉を求められた場合に「ご紹介にあずかりました」と使用するのは不自然になります。
話を促した相手が部長であれ社長であれ、取引先の会社の人間が参加しているのであれば、目上の人はその取引先の方々になるためです。

注意点②:ご紹介に「預かりました」は間違い

文面などで「ご紹介に預かりました」と書きたいとき、実は「預」の字を使うのは誤りです。ただ「与」は普段あまり使わない漢字になりますので、文章として起こすときにはひらがなで書くのが一般的です。

注意点③:「ご紹介にあがりました」は間違い

「あがりました」という謙譲語ももちろんありますが、これは例えば「お話を伺いに上がります」など〝参上〟の意味を持つ言葉になります。紹介された場に参上する、という状況は大きく外れてはいませんが、「ご紹介に参上しました」となるとやはり適切な使い方とは言えません。

「ご紹介にあずかりました」の類語

社会人の常識用語

類語①:「ご紹介いただきました」

「ご紹介にあずかりました」の言いかえ表現として使用できるのが、この定型文になります。違いとしては「あずかりました」よりもフラットな印象で使用することが出来るので、先ほど挙げた注意点①のような場合(身内による紹介の際)でも使うことが出来ます。

類語②:「ご紹介に賜りました」

こちらの表現は「あずかりました」よりもさらに敬意を表したい時に使用できます。「賜る」という言葉は謙譲語として使う場合「目下の人間が、目上の人間からなにかをもらう」という意味を含んでいるので、「あずかりました」と同様の意味合いで使うことが出来ます。

まとめ

この記事では、「ご紹介にあずかりました」の意味や使い方について解説しました。あまり馴染みのない言葉だからこそ、初めて知る内容もあったのではないでしょうか。

まとめると、、、

・「ご紹介にあずかりました」の意味
→「○○さんに紹介して頂いた者です」

・「ご紹介にあずかりました」の使い方
→「○○さん、△△さん、このたびはご結婚おめでとうございます。ただいまご紹介にあずかりました✕✕です。」「先日○○様よりご紹介にあずかりました××と申します。」

・「ご紹介にあずかりました」の類語
→「ご紹介いただきました」、「ご紹介に賜りました」

「ご紹介にあずかりました」は、あまり使う頻度は高くありませんが、知っておくと便利な言葉です。目上の方から自分をアピールできるチャンスを貰えた場合、それは社会人として周囲に認められるという可能性につながります。正しい日本語を使い、その機会をしっかりと自分のものにしていきましょう。

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