社内失業(社内ニート)という言葉を知っていますか?
社内失業とは「会社に正社員として在籍しているものの、仕事がない状態のこと」です。ベンチャー企業や中小企業に勤めている方からすると、「会社に行っても仕事がない」という状況はにわかにも信じられませんよね。
ですが、事実として社内失業は年々増え続けています。この記事では、「社内失業とは何か」だけでなく、「社内失業の原因」や「社内失業から抜け出す方法」について解説します。
社内失業(社内ニート)とは?
先述した通り、社内失業とは「会社に正社員として在籍しているものの、仕事がない状態のこと」です。「会社に行っても仕事ないから意味がない」と感じている人は、社内失業に陥っているかもしれません。
「社内失業なんて本当にあるの?」と思う人もいるでしょう。ですが、社内失業は年々増えていると言われています。
社内失業の数は増えている
2011年の内閣府の調査によると、全国の労働者8.5%にあたる465万人が社内失業者に該当するそうです。また、2025年には500万人に増えるとも言われています。
- 2011年:465万人
- 2025年:500万人以上(予測)
思ったよりも多いですよね。なぜ、社内失業が増えてしまうのでしょうか?
その原因を見ていきましょう。
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社内失業の原因
社内失業の最大の原因は、「ビジネス環境の急激な変化に伴い、労働者に求められるスキルが変化し、それに追いつけないから」と言われています。
例えば、一昔前パソコンの普及により、パソコンに慣れていない50代・60代以上の仕事がなくなるのでは?ということが騒がれました。
このように、仕事のやり方、進め方は時代とともに急激に変化しており、それに追いつけない労働者は社内失業してしまうのです。
一概に労働者が悪い訳ではない
「社内失業は労働者に原因がある」と思われがちですが、一概に労働者が悪い訳ではありません。見方を変えれば、「会社側が労働者の最適配置ができていないため社内失業が増えている」という考え方もあります。
そのため、良い悪いと考えるのではなく、社内失業に陥っている労働者が働きやすいポジションを会社と労働者の双方で考えていくことが重要になります。(社内失業がより社会問題化していく中で、より良い解決策が生まれていくると思います)
社内失業が多い年齢層
社内失業は何歳の方に多いのでしょうか?
エン・ジャパンが公表しているデータによると、社内失業者は50代に一番多いようです。
- 20代:22%
- 30代:26%
- 40代:41%
- 50代:57%
- 60代:24%
社内失業が多い役職
社内失業はどんな役職者に多いのでしょうか?
エン・ジャパンが公表しているデータによると、社内失業者は一般社員クラスに一番多いようです。つまり、一般社員クラスの50代が社内失業のボリュームゾーンということになります。
- 一般社員クラス:80%
- チーフ・リーダークラス:24%
- マネージャー・管理職クラス:30%
- その他:4%
一般社員クラスの次に、「マネージャー・管理職クラス」も多いですね。にわかに信じられないデータですが、マネージャー・管理職クラスになると、事業部やチームの戦略策定や意思決定がメイン業務になり、社内失業と見られてしまうのかもしれません。
「社長は全然働いていない」「部長は全然働いていない」と見られがちですが、彼らは「意思決定」という会社の方向性を決める重要な職務を担っています。
社内失業が多い職種
エン・ジャパンが公表しているデータによると、社内失業が多い職種は企画・事務職(経営企画、広報、人事、事務)のようです。
- 企画・事務職(経営企画、広報、人事、事務):46%
- 営業職(営業、MR、人材コーディーネート):31%
- 技術系(IT・Web・ゲーム・通信):14%
- 技術系(電気、電子、機械):9%
- 施設・設備管理、技能工:7%
- 販売・サービス系(ファッション、フード、小売):6%
- 技術系(建築、土木):5%
- クリエイティブ系(WEB・ゲーム制作):5%
- 運輸・物流系(ドライバー、警備、清掃):4%
- 専門サービス(医療、福祉、教育、ブライダル):2%
- 専門職系(コンサルタント、金融、不動産):2%
- 技術系(医薬、科学、素材、食品):1%
- その他:7%
「企画・事務職」は幅が広いですね。各社の人事担当に聞くと、「総務」には社内失業が多いようです。業務範囲やノルマが明確に決められていない職種は、正当な評価も難しく、社内失業が増えてしまう傾向が強いみたいです。
社内失業はデメリットしかない
社内失業者のなかには、「現状を変えなきゃいけない!」と強く思っている方が多いと思います。一方、「このまま給料を貰えればいいや…」と考えている方もいると思います。
結論、社内失業にはメリットはないです。もっと言うと、労働者と会社、双方にとって良くない状況とも言えます。
社内失業は自己成長を止める
社内失業に対して問題意識を持っている方は大丈夫ですが、ぬるま湯に浸かっている気分の方は要注意です。
本来であれば、会社はお金をもらうための場所ではなく、自分を成長させる場です。自分が成長することにより、より会社に貢献でき、その対価として給料が上がっていく。
しかし、社内失業の場合、自分の成長が止まってしまい、できる仕事はほんのわずか。これでは、会社に行く意味がありません。今は給料を貰えているかもしれませんが、リストラされる可能性もゼロではありません。
転職がしづらくなる
社内失業が続くと、できる仕事が限られていきます。極端に言えば、誰でもできる仕事しかできない状態になってしまいます。
中途採用の面接では、
「あなたは何ができますか?」
「あなたは弊社にどのように貢献してくれますか?」
という質問が必ずあります。
この質問に自信を持って答えられなければ、転職難易度は上がります。そのため、いち早く社内失業の状態から抜け出し、より成長できるフィールドにチャレンジした方が良いでしょう。
社内失業から抜け出す方法
社内失業から抜け出す方法は、3つあります。
①今の居場所で成長する
「今の居場所で成長したい」という気持ちがある場合は、まずは上長に相談しましょう。自分のやる気を見せることで、今とは違う仕事を担当できるかもしれません。
「上長に思いを伝える」→「目の前の仕事で結果を出す」→「より大きな仕事をもらう」というサイクルを回すことができれば、必ず社内失業の状態から抜け出せるはずです。
②部署を異動する
「今の部署では、何も変わらない」と考えている人は、部署を異動するのも一つの手です。社内失業の原因が「今の仕事と合わない」ということもあるので、その場合、部署を異動するのは有効です。
自分のやりたいことを明確にして、「この仕事は本気でやりたい!」という仕事を見つけることができれば、社内失業から抜け出せるはずです。
③転職する
転職も有効な手段です。
よく求職者から下記のような相談をいただきます。
「今の会社では、できない奴と思われている」
「できない奴と思われている環境ではやる気がでない」
社内失業の原因は、能力不足ではなく、やる気不足の場合もあります。「できない奴」というラベル付けをされてしまうと、仕事に対するモチベーションは下がってしまいますよね。
そのような方は、転職にチャレンジすることをおすすめします。
社内失業から転職はできる?
このような質問をいただきますが、結論可能です。「社内失業から抜け出したい」という思いを持っている方は、転職にチャレンジするべきだと思います。
社内失業からの転職の場合、履歴書・職務経歴書の書き方が非常に重要になるので、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントでは、求人紹介はもちろん、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、面接の日程調整、 内定後のアフターフォローなどを完全無料でサポートしてくれます。
転職エージェントのおすすめは2社
社内失業から転職する場合、転職サポートが手厚い転職エージェントをおすすめします。しっかりと相談に乗ってくれて、丁寧な転職サポートをしてもらえれば、あなたの転職の強い味方になるはずです。
転職エージェントの経験から言うと、転職サポートが手厚い転職エージェントは『リクルートエージェント』と『パソナキャリア』です。
リクルートエージェントは、転職支援実績No.1なので必ず利用した方が良いです。また、パソナキャリアは、転職エージェント業界の中でも転職サポートに定評があるので、合わせて利用しましょう。
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