インターバンク市場とは【仕組みや種類をわかりやすく解説】

目次

インターバンク市場とは

インターバンク市場とは、「金融機関同士のみで行われる為替取引のこと」で、市場への参加者が金融機関に限定されるため、一般の投資家は参加することができません。

インターバンク市場は、「資金の運用・調達・決済を行う市場」のことでもあり別名「銀行間取引市場」とも呼ばれています。

金融機関同士を仲介する短資会社(金融機関同士の仲介を行う会社)も、インターバンク市場の参加者です。また、インターバンク市場には、取引所がなく、電話や電子機器などで為替取引が行われます。

インターバンク市場の対義語(オープン市場とは)

オープン市場とは、金融機関以外の「一般事業法人」や「個人」が自由に参加できる市場のことです。

オープン市場の主な参加者は、以下のとおりです。

  • 金融機関
  • 証券会社
  • 公的機関
  • 海外企業
  • 一般の投資家

オープン市場の種類は以下のとおりです。

  • CD市場(譲渡金預金)
  • 債券現先市場
  • レポ市場
  • CP市場(コマーシャルペーパー)
  • 短期国債市場

オープン市場は、インターバンク市場と同様に、取引所は存在せず、電話や電子機器を利用して取引を行います。一方で、インターバンク市場との違いは、自由に誰でも参加できる市場となっているところです。

インターバンク市場の仕組みと種類

インターバンク市場は、銀行や証券会社などの金融機関同士が「仲介業者」「専用の端末」「ネット」「電話」などを通して、為替取引を行う仕組みとなっています。この取引方法を「ダイレクトディーリング」と言います。

インターバンク市場が開かれる目的は、金融機関内で資金の過不足分を調整するためです。金融機関の短期の1ヶ月未満の資金が取引されており、金融機関が日々の短期的な資金の過不足をお互いに調整しています。

インターバンクのメイン市場は、為替の取引量が多くある「ロンドン市場」です。ニューヨーク市場の朝方とロンドン市場が重なっているため、市場の参加者がこの時間帯に多いです。

インターバンク市場の種類は、主に以下の3種類です。

  1. 外国為替市場
  2. 手形売買市場
  3. コール市場

①外国為替市場

外国為替市場とは、様々な国や地域の異なる通貨を、電話や電子機器などを通じて売買する市場のことです。

インターバンク市場の外国為替市場では、外国為替が世界中の銀行間で24時間取引されています。取引場所は、「東京」「香港」「シンガポール」「ヨーロッパ」「ロンドン」「ニューヨーク」であり、常にどこかの市場が開いています。

②手形売買市場

手形売買市場とは、手形を担保として、自己引受の手形を振り出して取引をする市場のことです。金融機関がお互いの短期資金を貸し借りする目的で行われます。

取引される手形は、優良企業の商業手形である「原手形」と金融機関が振り出す有価証券の「為替手形」があります。主に「為替手形」による取引が多いです。

③コール市場

コール市場とは、金融機関同士が短期の資金の借り入れ、貸し付けを行う市場です。日々の資金の過不足した分を調整する目的で行われる市場です。

コール市場には、担保を必要としない「無担保コール市場」と担保を必要とする「有担保コール市場」があります。コール市場で代表的な取引が、無担保で資金を借りて翌日に返済する取引です。

インターバンク市場の参加者

インターバンク市場の参加者は以下のとおりです。

  1. 中央銀行
  2. 為替ブローカー
  3. 短資会社
  4. 電子ブローキング

①中央銀行

中央銀行は、それぞれの国、地域の金融政策の方針を決めています。必要な時は、市場に介入することにより、その金融政策を実現する役割を果たします。

②為替ブローカー

為替ブローカーは、銀行に代行して売買の仲介を行います。ブローカー経由の取引は、インターバンク市場の取引の3割弱を占めています。

③短資会社

短資会社では、資金の貸し借りや取引の仲介を行います。また、手形市場やコール市場の貸し借りも行います。短資会社を通すことで、取引が成立しやすくなります。

④電子ブローキング

電子ブローキングでは、コンピューターが仲介して取引を行います。「ブローカー」や「人手」を介さない取引となっており、現在では、電子ブローキングが主流となってきています。

インターバンク市場とFX業者との関係

FX業者は、金融機関内で取引されるインターバンク市場と個人投資家を仲介する関係です。

インターバンク市場の参加者は、金融機関のみですが、FX業者が個人投資家の代わりに取引を行うことができます。FX業者は、外貨(顧客から預かった証拠金)を担保にして取引を行っています。

FX業者が、外貨を担保にして取引することを「FXトレード」と言います。

補足:インターバンクレートについて

インターバンクレートとは、銀行間で行われる為替取引のレートです。

金融機関での取引がすべて1対1で行われるため、インターバンクレートは多数存在します。そのなかから、有利なレートが選ばれ、金融機関が顧客と取引する相場価格を決められる仕組みです。

円相場と言われる為替レートは、インターバンクレートのことを指します。

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