クレショフ効果とは?
クレショフ効果とは、「前後に脈絡がない映像や写真の羅列であっても、無意識に関連づけてしまう心理現象のこと」です。
少し難しいですね…。
簡単に言うと、「人は直前に見た映像や写真から大きな影響を受ける」ということです。簡単な例で解説しますね。
クレショフ効果の例
例えば、シャンプーのCMで「商品が映し出される前に、一面に広がるお花畑のシーン」があったとします。
このとき、視聴者が感じるイメージは「花の香りや草原の爽やかさがあるシャンプーなのかな」と感じるはずです。
つまり、直前の映像からシャンプーのイメージが決まったのです。このように、人は直前に見た映像や写真から大きな影響を受けるので、商品のイメージをある程度コントロールできます。
クレショフ効果の実験
被験者を3つのグループに分けて、それぞれ別の映像を見ることで、どのように印象が変わるかを実験しています。
- A:スープの入った皿→同じ俳優
- B:棺に入った遺体→同じ俳優
- C:ソファに横たわる女性→同じ俳優
その結果、
- Aを見た被験者:飢えている
- Bを見た被験者:悲観している
- Cを見た被験者:欲求がある
このようにそれぞれ異なる印象を受けており、直前に見た映像の影響を大きく受けていることがわかりました。
同じ俳優であるにも関わらず、直前に見た映像により印象が左右される。これって結構怖いことですよね。
言い方を換えれば、クレショフ効果を利用して人の印象はある程度コントロールできるということです。実際に、ビジネスでも応用されているので例を見ていきましょう。
クレショフ効果は応用例
クレショフ効果は、マーケティングとの相性が高いですが、営業やプライベートでも応用できます。
①マーケティング
クレショフ効果は、マーケティングで当たり前のように使われています。僕が高校時代にお世話になった「シーブリーズ」の広告を例に見てみましょう。
下記の画像を見て、どのような印象を持ちますか?青空をバックに商品が並べられた画像です。
出典:シーブリーズ公式HP
感じ方は人それぞれだとは思いますが、
- 爽やか
- 涼し気な
- クールな
- 気持ちがいい
- さらさらした
このあたりの印象が当てはまると思います。会社側も商品のイメージをそうしたかったはず。これがもし、白いただの壁をバックに商品が並んでいたとすると、感じ方は大きく変わるはずです。
②営業
営業でもクレショフ効果を活かすことができます。
例えば、初めてクライアントと対面する際に、「笑顔の写真が載った名刺」を渡すとします。これだけでも、アポ中のその人の印象は柔らかいものになるはずです。
もっと言うと、アポ前に良い印象を植え付けることもできます。これは僕がリクルート時代にやっていた方法ですが、新規アポが取れた際に「写真付きのプロフィールシート」のようなものをPDFにしてクライアントに送っていました。
内容は、
- 名前
- 年齢
- 写真
- 得意領域
- 趣味
たしかこんな感じだったと思います。
これだけで第一印象は全然変わります。また、アポの最初のアイスブレイク(ラポール)にもプロフィールシートが使えるので、クライアントとすぐに打ち解けられるようになりますよ。
ちなみに、プロフィールシートはやる相手を選んだ方が良いです。アナリティカルなタイプにはウケが本当に良くない…。涙 ソーシャルスタイルについては下記の記事をご覧ください。
[nlink url=”https://career-media.net/2642/”]
③プライベート
「無愛想」「いつも怒っている」というイメージを持たれる方は意外と多いと多いと思います。そんな方におすすめなのが、FacebookやTwitterなどのSNSで、笑顔の写真をアップすること。
会う前に「満面の笑顔のあなた」を相手に植え付けることで、直接会っときの印象は大きく変わるはずです。
まとめ
今回はクレショフ効果について解説しました。
クレショフ効果をはじめ、ビジネス心理学はマーケティングや営業に役立つものばかりなので、知っておくと便利ですよ。
①クレショフ効果とは
前後に脈絡がない映像や写真の羅列であっても、無意識に関連づけてしまう心理現象のこと
②クレショフ効果の実験
被験者を3つのグループに分けて、それぞれ別の映像を見ることで、どのように印象が変わるかという実験
③クレショフ効果の応用例
マーケティング、営業、プライベートにも応用できる(例は上記参照)