「ローマは一日にして成らず」ということわざ、一度は聞いたことがあると思います。しかし、「なんとなくの意味しか知らない」という方は多いと思います。
この記事では、「ローマは一日にして成らず」の意味だけでなく、誰が言った言葉なのか、などを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
「ローマは一日にして成らず」の意味
ローマは一日にして成らず
読み:ろーまはいちにちにしてならず
意味:大きなことを成し遂げるためには時間がかかること
「ローマは一日にして成らず」の意味は、「大きなことを成し遂げるためには時間がかかること」です。
「すべての道はローマに通ず」と言われたほど栄えたローマ帝国も、約700年という時間をかけて築かれました。
このように、「大きなことを成し遂げるためには、長年の努力や苦難が必要不可欠だ」ということを教えてくれることわざです。
「ローマは一日にして成らず」は誰が言った言葉?
出典:amazon
「ローマは一日にして成らず」は誰が言ったかについては、諸説あります。
よくある間違え:ドン・キホーテ説
スペインの作家であるセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』が由来だと言う人もいます。
これは間違いです。
原文を読んでも「ローマは一日にして成らず」という表現は見当たりません。
『ドン・キホーテ』の中で、「サモーラも一時間では落城しなかった」という一文があり、これが「ローマは一日にして成らず」と意訳されて伝わったそうです。
有力説:ジョン・ヘイウッド
一番有力なのが、16世紀のイギリスの劇作家であるジョン・ヘイウッドが言ったとされています。(ジョン・ヘイウッドは、演劇、詩、ことわざの収集で知られる英国の作家)
英語の原文には、「Rome was not built in a day.」と記されており、これが「ローマは一日にして成らず」と訳されました。
ジョン・ヘイウッド自身は、シェイクスピアのように有名な作家ではなかったため、「ローマは一日にして成らず」の由来になったと知っている方は少ないのです。
「ローマは一日にして成らず」の例文と使い方
「ローマは一日にして成らず」は、「時間をかけてやる重要性」について説く際によく使われます。
「長い時間をかけてやらなければ成果がでないよ」とアドバイスをしたいときには、「ローマは一日にして成らず」を引用したいですね。
人はすぐに成果を求める生き物。成果が出ずに焦っている人には最適なことわざです。
例文1.ローマは一日にして成らずと言う通り、大きな事業を成功させるためには、時間が必要だ。
例文2.成果をすぐに求めようと焦ってはいけない。ローマは一日にして成らずだ。
例文3.ローマは一日にして成らずで、この街は長年かけて作られたオフィス街だ。
例文4.人は成功ばかりに目が行くが、ローマは一日にして成らずで、長年の努力があったからだ。
例文5.すぐに諦めてはだめだよ、ローマは一日にして成らずと言うじゃないか。
「ローマは一日にして成らず」の使い方の注意点
「ローマは一日にして成らず」は、短期間で実現できることには使いません。
例えば、
このように期間が短いものに対して、使うのは適していません。上文であれば、「継続は力なり」がしっくりきますね。
「ローマは一日にして成らず」は成功哲学
ここでは、「ローマは一日にして成らず」がいかに大事かを考えていきます。私の考えがベースなので、興味のない方は読み飛ばしてください!
「ローマは一日にして成らず」は成功原則の一端を教えてくれている
人は、すぐに成果を求める習性があります。
また、成功者を見ると、成功した事実だけに目が行き、その人がどのような努力をし、忍耐力を持ち、その成功をなし得たのかを見ようとはしません。
成功者は、絶え間ない努力と強靭な忍耐力を持ち合わせています。それは、最初から持っていた訳ではなく、成功までの道のりで徐々に身につけたものだと思います。
だからこそ、成功したい人は、最初の一歩を踏み出し、それを継続していく必要があります。
「ローマは一日にして成らず」は、そんな成功原則の一端を教えてくれることわざだと私は考えます。
[nlink url=”https://career-media.net/9157/”]
「ローマは一日にして成らず」の類語
「ローマは一日にして成らず」の類語を3つ紹介します。
①千里の道も一歩から
千里の道も一歩からの意味は、「着実に努力を重ねていけば成功する」です。
千里(1,000里:4,000km)もある遠い道のりでも、まず最初の一歩が大事ということを教えられることわざです。
例文1.千里の道も一歩からと言うように、まずは始めることが重要なんだ。
例文2.富士山の頂上は見えないけど、千里の道も一歩からだ!頑張ろう!
例文3.千里の道も一歩からと言うように、一歩ずつ進んでいこう。
②塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
塵も積もれば山となるの意味は、「塵のように僅かなものでも、積もり積もったら大きな山のようになること」です。
「積み重ね」や「継続」の大切さを教えてくれることわざです。
例文1.塵も積もれば山となると言うように、少しずつ貯金することは大切だね。
例文2.たとえ無駄に見える努力でも続ければ、塵も積もれば山となり、結果に表れてくる。
例文3.理不尽な事を言われ続けて、塵も積もれば山となり、キレてしまった…。
③雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
雨垂れ石を穿つの意味は、「どんなに小さいことでも、根気よく続けていればいつか成果が得られること」です。
「雨垂れのようにわずかな一滴でも、長い間同じ箇所に落ち続ければ、いつか硬い石に穴を空ける」が由来となっています。
小さいことでも続けることの重要性を、痛いほど教えてくれることわざです。
例文1.雨垂れ石を穿つと言うように、どんな小さいことでも続ければ報われる日が来るよ。
例文2.人生において大事なことを雨垂れ石を穿つが教えてくれている。
例文3.雨垂れ石を穿つと言うように、人気が出るまでには、相当な努力が必要だ。
「ローマは一日にして成らず」の英語表現
「ローマは一日にして成らず」の英語表現は、
これを覚えておけば間違いないです。ネイティブの知り合いに使ったところ、通じました!ほとんどのネイティブスピーカーがこの表現を使っています。
直訳すると、「ローマは一日で建てられなかった」となりますが、「ローマは一日にして成らず」の意味で通じます。
「ローマは一日にして成らず」のイタリア表現
「ローマは一日にして成らず」は、ローマ=イタリアを舞台にしたことわざなので、イタリア表現もチェックしておきましょう。
「ローマは一日にして成らず」のイタリア表現は、
このように言うそうです。
まとめ
「ローマは一日にして成らず」ということわざの意味や由来について、理解して頂けたと思います。聞いたことのある言葉だからこそ、勉強してみると新しい発見がありますよね。
機会があれば、ぜひ「ローマは一日にして成らず」を使ってみてください。
①「ローマは一日にして成らず」の意味
・大きなことを成し遂げるためには時間がかかること
②「ローマは一日にして成らず」は誰が言った言葉?
・16世紀のイギリスの劇作家であるジョン・ヘイウッドが言ったとされている
③「ローマは一日にして成らず」の例文と使い方
・ローマは一日にして成らずと言う通り、大きな事業を成功させるためには、時間が必要だ。
・成果をすぐに求めようと焦ってはいけない。ローマは一日にして成らずだ。
・ローマは一日にして成らずで、この街は長年かけて作られたオフィス街だ。
④「ローマは一日にして成らず」の類語
・千里の道も一歩から
・塵も積もれば山となる
・雨垂れ石を穿つ
⑤「ローマは一日にして成らず」の英語表現
・Rome was not built in a day.
⑥「ローマは一日にして成らず」のイタリア表現
・Roma non fu fatta in un giorno.