『蛍雪の功(けいせつのこう)』の意味【由来・使い方・類語・英語表現も解説】

「蛍雪の功」の意味と使い方

年が明けて節分を経ると、春ですね。春といえば出会いと別れの季節。3月は卒業、そして4月は入学や就職、新しいスタートを切るシーズンです。

そんな出会いと別れの季節に、よく登場するのが「蛍雪の功」です。

「蛍雪の功」の意味は、「苦労して学問に励み、収めた成果のこと」です。

この記事では「蛍雪の功」の意味はもちろん、由来や使い方、類語、英語表現まで詳しく解説していきます。

「蛍雪の功」の意味

蛍雪の功

読み:けいせつのこう

意味:苦労して学問に励み、収めた成果のこと

先述した通り、「蛍雪の功」の意味は「苦労して学問に励み、収めた成果のこと」です。

  • 蛍雪:苦労して勉学に励むこと
  • 功:経験や努力の積み重ねで得た成果

を意味します。「蛍雪」のみで使用されることもあります。

「蛍雪の功」は、特に卒業式の式辞で使用されます。学生やお子さんがいるビジネスパーソンは、春に耳にすることが多いと思います。

「蛍雪の功」には別の言い方がある

「蛍雪の功」には、別の言い方がいくつかあります。

  • 蛍窓雪案(けいそうせつあん)
  • 車蛍孫雪(しゃけいそんせつ)
  • 蛍の光、窓の雪(ほたるのひかり、まどのゆき) など

こちらも合わせて覚えてください。

特に「蛍窓雪案」は、四文字熟語として使用されることが多い表現です。この記事では、類語として後述します。

「蛍雪の功」の由来

「蛍雪の功」の由来は、古代中国の歴史書「晋書 車胤伝(しんじょ しゃいんでん)」といわれています。

この書の中に、車胤(しゃいん)と孫康(そんこう)という2人の人物が登場します。2人は勤勉で、日夜勉学に励んでいました。

しかし彼らは貧しく、夜に明かりを灯すための灯油が買えませんでした。そのため夜に勉強するときは、車胤は集めた蛍の光、孫康は雪明かりを利用したと記述されています。

この記述が「蛍雪の功」の由来といわれています。

後述する類語の「苦学力行」「蛍窓雪案」の由来も同様とされています。

「蛍雪の功」の使い方と例文

「蛍雪の功」は、大学受験や国家資格受験などの試験に苦労して合格した人に対して使います。

特に学生の、「アルバイトをしながら自分で(塾や予備校)の学費を稼いで合格した」や「塾や予備校に通わずアルバイトで参考書や試験費用を稼ぎながら合格した」といった苦労を表現する際に使用します。

また「蛍雪の功」は、

  • 蛍雪の功を積む
  • 蛍雪の功成る
  • 蛍雪の功が現れる

といった動詞を伴って使用されることがあります。この記事では、「蛍雪の功」と「蛍雪の功を積む」の2つの用法での使い方を解説します。

①「蛍雪の功」のみで使用する場合

例文1.彼は一切予備校にも通わずに、アルバイトをしながら第一志望に合格したらしい。まさに「蛍雪の功」だね。

例文2.彼女は弁護士になるためにアルバイトをしながら予備校代を稼ぎながら、勉学に励んでいた。「蛍雪の功が」現れて、見事現役で弁護士資格を取得したという。

例文3.「蛍雪の功」って知っているか?労苦を重ねて掴んだ成果は、決して君を裏切らないと思うよ。

②「蛍雪の功を積む」として使用する場合

例文4.彼女は「蛍雪の功を積ん」で、留学費用を貯めて海外の有名大学の学位を取得した。今や日本を代表する学者の一人だ。

例文5.合格おめでとう!これも君が「蛍雪の功を積ん」だおかげだ。気を抜かずにしっかり勉学に励んでくれよ。

例文6.彼は逆境にも負けない、強い忍耐力がある。やはり若いころから「蛍雪の功を積ん」でいるからだろう。

「蛍雪の功」の類語

「蛍雪の功」の類語を2つ紹介します。

  1. 苦学力行
  2. 蛍窓雪案

1.苦学力行(くがくりっこう)

「苦学力行」の意味は、「苦労して勉強に励む姿勢から、一生懸命努力して物事に取り組むこと」です。

「苦学」は「自ら学費を稼いで学問を修めること」、「力行」は「努力して物事に取り組むこと」を意味します。

例文1.初めはわからないことばかりで苦労すると思う。でも「苦学力行」というように、すべてのことに一所懸命取り組むことが大切だ。

例文2.彼は自ら学費を稼いで博士まで取得したそうだ。まさに「苦学力行」だね。

例文3.「苦学力行」って言葉を知ってるかい?何事も一生懸命取り組む、その姿勢を見ている人が必ずいるものさ。

2.蛍窓雪案(けいそうせつあん)

「蛍窓雪案」の意味は、「苦労して勉学・学問に励むこと」です。

「蛍窓」は、「蛍の光で窓の外が明るいこと、または苦労して学問・勉学に取り組むこと」、「雪案」は「雪明かりで机の上が明るいこと」を意味します。「案」は机を指しています。

例文1.「蛍窓雪案」というだろう。働きながら大学院に通うのは非常に大変だと思うが、必ず大きな成果につながるさ。

例文2.彼は学生の身分でありながら、自分で稼いで勉学に励んでいるそうだ。まさに「蛍窓雪案」だ。

例文3.「蛍窓雪案」の精神で、キャリアアップのために働きながら学位取得に向けて努力している。

「蛍雪の功」の英語表現

「蛍雪の功」の英語表現を、2つ紹介します。

  1. the fruit of diligent study
  2. burn the midnight oil

1.the fruit of diligent study

「蛍雪の功」の英語表現のひとつめは、「the fruit of diligent study」です。直訳は「勤勉な学問や研究の成果」です。

  • fruit:(名詞)結果、成果(ofとともに使用する)
  • diligent:(形容詞)勤勉な
  • study:(名詞)学問、研究

で構成されています。

2.burn the midnight oil

「蛍雪の功」の英語表現のふたつめは、「burn the midnight oil」です。直訳は「真夜中にオイルランプを燃やす」で、意訳は「夜遅くまで勉強する(※)」です。

  • burn:(動詞)燃やす
  • midnight:(名詞)真夜中
  • oil:(名詞)オイル(ランプ)

で構成されます。

先述した「the fruits」を使用して、「the fruits of burning the midnight oil(夜遅くまで勉強した成果)」として使うこともあります。

※電気ランプができる前は、夜に明かりを灯すとき、油を入れたランプに火を灯していた

まとめ

「蛍雪の功」は、おもに卒業式の祝辞として使用される故事成語です。

その意味、由来、類語までおさえることで、この言葉が卒業という大きなイベントで使用される理由が見えてきます。

学生はもちろん、学生時代にはなんとなく聞き流していた社会人にもぜひしっかり覚えてほしい故事成語です。これからぜひ新しい門出を迎える後輩や子供たちに、贈ってくださいね。

①「蛍雪の功」の意味

・苦労して学問に励み、収めた成果のこと

②「蛍雪の功」の由来

・古代中国の歴史書「晋書 車胤伝(しんしょ しゃいんでん)」の一節から

③「蛍雪の功」の使い方と例文

・彼は一切予備校にも通わずに、アルバイトをしながら第一志望に合格したらしい。まさに「蛍雪の功」だね。

・彼女は弁護士になるためにアルバイトをしながら予備校代を稼ぎながら、勉学に励んでいた。「蛍雪の功が」現れて、見事現役で弁護士資格を取得したという。

・彼女は「蛍雪の功を積ん」で、留学費用を貯めて海外の有名大学の学位を取得した。今や日本を代表する学者の一人だ。

・合格おめでとう!これも君が「蛍雪の功を積ん」だおかげだ。気を抜かずにしっかり勉学に励んでくれよ。など

③「蛍雪の功」の類語

・「苦学力行」

・「蛍窓雪案」

④「蛍雪の功」の英語表現

・「the fruit of diligent study」

・「burn the midnight oil」