経済成長率とは【経済成長の要因や推移についても解説】

近年、新型コロナウイルスの影響により、日本の経済成長率はマイナス成長だと言います。

経済成長率とは、ある一定期間において国の経済規模が拡大する割合のことです。景気とも関わりがあり、プラス成長の場合は景気が拡大する一方で、マイナスの場合は景気が下降します。

この記事では、「経済成長率とは」だけでなく、「経済成長の要因」や「経済成長率の推移」について解説します。

目次

経済成長率とは

経済成長率とは、経済規模が前年や四半世紀に比べてどのくらい伸びたのかを示す割合のことです。また、GDP(国内総生産)の伸び率を指します。

経済規模が長期的に拡大すると、国内で生産される物量が多くなるため、国民生活が豊かになります。経済成長率が高まることは、その国の景気が良いことを示す一方で、経済成長率が低下すると、景気が悪くなる傾向になります。

経済成長率は、金利の方向性を判断するための指標でもあります。成長率が上昇する場合は、投資の需要が増加し、金利も上昇します。経済成長率が下落する場合、投資の需要が低下し、金利も下落します。

経済成長率の求め方

経済成長率は、GDPが前年や四半期に比べてどの程度増加、減少したかを示す割合を、国内総生産の対前年度増加率で表します。

経済成長率の計算方法は、以下のとおりです。

経済成長率(%)=(当年の実質GDP−前年のGDP)÷前年のGDP×100

経済成長の要因

経済成長の要因は、

  • 労働力成長
  • 機械・工場などの資本ストックの蓄積
  • 技術進歩

この3つです。

「機械・工場などの資本ストックの蓄積」「技術進歩」は、1人あたりの労働生産性に影響を与えます。「労働生産性」と「労働力」が増えることによって、経済成長率が上昇します。

日本では、戦後高度経済成長を迎え、1955〜73年の約20年にわたり、経済成長率が年平均10%以上の高い水準で成長を遂げました。戦後の経済成長の要因は「若年労働力」「投資の増加」「技術革新の導入」の確保などです。

経済成長率の推移

日本の経済成長率の長期的な推移をみると、高度成長期が9%台、安定成長期が4%台、低成長期1%台と、段階的に低下してきています。

2020年度の経済成長率は、新型コロナの影響によりマイナス4.5%と戦後最低。2021年度の経済成長率は、前年度のマイナスの影響が大きいため2.1%に回復しました。

世界各国の経済成長率について

現在、世界で経済成長率が高い国は、「中国」や「インド」です。

この2カ国に共通するのは、人口の多さです。

中国では、農村部の労働力が都市部に移動したことによって、工業が大きく成長しました。2011年に生産年齢人口はピークを迎えているため、このまま減少すると経済成長率も変化する可能性があります。

インドは人口が増え続けており、生産年齢人口も増え続けています。経済成長率は、20年弱で約6倍に増え、世界で最も急成長している国です。

ちなみに、アメリカは、出生率が低下していますが、毎年100万人前後の移民を受け入れているため、人口増加が続いています。そのため、現在も人口増加の傾向にあり、今後も経済成長が見込まれます。

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