『勝てば官軍(かてばかんぐん)』の意味【由来・類語・対義語・英語表現まで詳しく解説】

「勝てば官軍」の意味と使い方

もうすぐ新年、大河ドラマの新シリーズがスタートします。壮大なストーリーとクオリティの高さに、歴史好きでなくとも毎年思わず見てしまうドラマです。

大河ドラマでは、「勝てば官軍」というセリフを耳にすることがあります。

「勝てば官軍」の意味は、「道理はどうであれ、勝ったものが正しいということ」です。

この記事では「勝てば官軍」の意味はもちろん、由来、例文、類語、対義語、英語表現まで詳しく説明していきます。

目次

「勝てば官軍」の意味

勝てば官軍

読み:かてばかんぐん

意味:道理はどうであれ、勝ったものが正しいということ

先述した通り、「勝てば官軍」の意味は「道理はどうであれ、勝ったものが正しいということ」です。

「勝てば官軍」の続きは「負ければ賊軍」

「勝てば官軍」は省略した表現で、正式な表現は「勝てば官軍、負ければ賊軍(かてばかんぐん、まければぞくぐん)」です。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」は、

  • 官軍:政府(朝廷)側の正式な軍隊のこと
  • 賊軍:政府(朝廷)と敵対する軍勢のことで、賊徒ともいう

という用語で構成されています。

正式な表現である「勝てば官軍、負ければ賊軍」は長いので、会話の中で使用される際には「勝てば官軍」と省略されます。

「勝てば官軍」の由来

「勝てば官軍」の由来は、江戸時代から明治時代初頭に起きた、日本最大の内戦「戊辰戦争」です。

戊辰戦争は徳川慶喜率いる「幕府軍」と、薩摩藩と長州藩をはじめとする「新政府軍」が、京都で衝突したことにより開戦しました。この京都での最初の戦いを「鳥羽・伏見の戦い」といい、この戦を皮切りに1年半もの間、内戦が続きます。

戊辰戦争が開戦した当初、官軍は「幕府軍」でした。しかし内戦が進み、最終的に「新政府軍」が勝利をおさめると、今度は新政府軍が官軍として任命され、幕府軍が賊軍という位置づけになりました。

この戊辰戦争での軍隊の呼び名の変化から、「勝てば官軍、負ければ賊軍」ということわざができたとされています。

戊辰戦争を題材とした小説やドラマ、映画、舞台はたくさんありますので、興味がある方はぜひ鑑賞してみてください。

「勝てば官軍」の例文と使い方

「勝てば官軍」の使い方は、2パターンあります。

  1. 勝負ごとに何としてでも勝ちたいとき
  2. 勝ちに執着すべきでないと伝えたいとき

正反対の文脈で使用できることわざなので、状況に合わせて使い分けましょう。

ビジネスシーンにおいては、競合企業とのコンペなど勝負ごとが発生するときに使用します。

1. 「勝負ごとに何としてでも勝ちたいとき」の例文

例文1.「勝てば官軍」というように、今回のコンペに勝ってしまえば、こっちのものだ!

例文2.「勝てば官軍」、今回のコンペで勝てたおかげで、以前逃したグループ会社のプロジェクトも獲得できた!

例文3.ビジネスパーソンにとって、学歴なんて関係ない。「勝てば官軍」というように、成功すれば誰も文句は言えないさ。

2. 「勝ちに執着すべきでないと伝えたいとき」の例文

例文1.また案件獲得したの?すごいね、でも君のように「勝てば官軍」と手段を選ばないやり方では、いずれ限界がくるよ。

例文2.「勝てば官軍」というが、ビジネスにおいては競合に勝利すればいいというわけでない。

例文3.「勝てば官軍」の精神でビジネスをしていると、そのうち何か大きな問題が起きるぞ。

「勝てば官軍」の類語

「勝てば官軍」の類語を2つ紹介します。

  1. 弱肉強食
  2. 小股取っても勝つが本

①弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)

「弱肉強食」の意味は、「弱い者を餌食にして、強い者が栄えること」です。

「弱肉強食」は、ビジネスや世の中の無常を皮肉る表現として使用されます。

例文1.ビジネスの世界は「弱肉強食」、常に食うか食われるか、だ。

例文2.そんなにのんきに生きていていいのか?この世は「弱肉強食」、生きていくために自分を磨いて成長させないと生き残れないよ。

例文3.数十年前と今では、市場がまるで異なる。まさに「弱肉強食」、企業は常に熾烈な争いを繰り広げている。

②小股取っても勝つが本(こまたとってもかつがもと)

「小股取っても勝つが本」の意味は、「多少卑怯な手段を使ったとしても、勝つことが重要だということ」です。

「小股取って」は、相手のすきをついて勝つことを意味します。「小股取っても勝つが本」は、勝つことに執着しすぎないことを表現したいときに使用します。

例文1.「小股取っても勝つが本」、勝利することが何より大切だ。

例文2.「小股を取っても勝つが本」というが、君はそんな卑怯な手を使ってでも勝ちたかったのかい?

例文3.「小股を取っても勝つが本」という言葉があるが、私はやっぱり正々堂々と勝負して勝ちたい!

「勝てば官軍」の対義語

「勝てば官軍」の対義語は、「勝負は時の運」です。

「勝負は時の運」の意味は、「勝負は運で決まるので、必ずしも実力通りにはいかないということ」です。

ビジネスシーンでは、コンペなど競合との勝負ごとの際に、結果が分からない時点で相手をはげましたり、思いがけない結果が出たりしたときに使用します。

例文1.「勝負は時の運」、全力を尽くしたのだから、あとはもう運を天に任せて結果を待つだけだ。

例文2.コンペお疲れ様。「勝負は時の運」というし、少しうまくいかなかったからといって落ち込まないで。

例文3.まさか、うちが勝つなんて!「勝負は時の運」というが、勝負ごとはやってみないとわからないものだなぁ。

「勝てば官軍」の英語表現

「勝てば官軍」の英語表現を2つ紹介します。

  1. Might makes right. / Might is right.
  2. Losers are always in the wrong.

①Might makes right. / Might is right.

「勝てば官軍」の英語表現のひとつめは、「Might makes right. / Might is right.」です。直訳は「力は正義である」で、日本語訳としては「勝てば官軍、負ければ賊軍」となります。

  • might:(主語・名詞)力、権力
  • make:(動詞)~の状態になる
  • right:(補語・形容詞)正しい

という単語で構成されています。この英文は、SVCの第2文型で「SはCになる」という意味です。makeは形容詞が後ろにつくことで、上記の意味になります。

また、makeがisになっても同様の意味の英文になるので、合わせて覚えておきましょう。

②Losers are always in the wrong.

「勝てば官軍」の英語表現のふたつめは、「Losers are always in the wrong.」です。直訳は「敗者はいつも悪である」、日本語訳は「勝てば官軍、負ければ賊軍」です。

  • loser:(主語・名詞)敗者
  • always:(副詞)いつも
  • be in the wrong:(熟語・イディオム)間違っている、悪い

という単語や熟語(イディオム)から構成されています。この英文も、SVCの第2文型です。

「be in the wrong」は重要なイディオムなので、「Losers are always in the wrong.」と一緒にしっかり覚えてください。

まとめ

「勝てば官軍」は日常生活、そしてビジネスシーンでも、耳にする機会のあることわざです。

座右の銘として使用されている方もいらっしゃるので、意味はもちろん、由来、使い方、類語、対義語、英語表現までおさえて、ビジネスコミュニケーションにも活かしてくださいね。

①「勝てば官軍」の意味

・道理はどうであれ、勝ったものが正しいということ

②「勝てば官軍」の由来

・江戸時代と明治時代にかけて起こった、日本最大の内戦「戊辰戦争」から

③「勝てば官軍」の使い方と例文

・「勝てば官軍」というように、今回のコンペに勝ってしまえば、こっちのものだ!

・「勝てば官軍」、今回のコンペで勝てたおかげで、以前逃したグループ会社のプロジェクトも獲得できた!

・また案件獲得したの?すごいね、でも君のように「勝てば官軍」と手段を選ばないやり方ではいずれ限界がくるよ。

・「勝てば官軍」というが、ビジネスにおいて競合に勝利すればいいというわけでない。など

③「勝てば官軍」の類語

・「弱肉強食」

・「小股取っても勝つが本」

④「勝てば官軍」の対義語

・「勝負は時の運」

⑤「勝てば官軍」の英語表現

・「Might makes right. / Might is right.」

・「Losers are always in the wrong.」

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