欧州中央銀行とは【役割や金融政策、本部の場所についても解説】

欧州中央銀行という名前を、世界史の授業で聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

欧州中央銀行とは、大まかに言うと「ユーロ圏内の通貨量を管理する中央銀行」です。この記事では、「欧州中央銀行の役割や金融政策」「日本に与える影響」について解説します。

目次

欧州中央銀行(ECB)とは

欧州中央銀行とは、「ユーロ圏内19カ国の金融政策を行う中央銀行」です。英語では「European Central Bank」と言い、ECBという略称で呼ばれます。

本部はドイツのフランクフルトにあり、現在の総裁はクリスティーヌ・ラガルドが務めています。

そもそも、中央銀行とは?

そもそも「中央銀行」とは何かと言うと、国内にある多数の銀行に資金を貸し出したり、借り入れたりすることで流通する資金の量を調節し、国の経済をコントロールする銀行のことです。

欧州中央銀行は、EU各国の銀行におけるユーロの流通をコントロールすることで、EUの経済を司っていると言えます。EUは米国に次ぐ経済規模を持つため、新しい金融政策が行われる際には世界から大きく注目されます。

欧州中央銀行の金融政策は?

EU創立に関する規約を定めたマーストリヒト条約では、欧州中央銀行の金融政策において「物価の安定」を主軸とすることが書いてあります。

欧州中央銀行はユーロ圏の物価の安定を目指しながら、それを損なわない範囲で、EU全体の視点に立った経済援助を行います。

ギリシャ危機(2009年)

2009年に起きたギリシャ危機では、厳しい緊縮財政政策を条件にすることで、金融支援を行いました。ギリシャの経済悪化をそのままにすれば、EUの債券を持っている世界各国からの信頼を失ってしまい、暴落を引き起こす可能性が生まれるためです。

2022年6月29日時点では、ウクライナ情勢を受け、ロシア産のエネルギー供給が滞る代わりにEUにおけるエネルギー供給が増えたことで、インフレが起きています。

インフレを抑制するために、来月7月から利上げを始めると、ラガルド総裁が発言しています。利上げの制裁により、ユーロの価値が上昇することが見込まれます。

欧州中央銀行が日本に与える影響は?

上記の金融政策などを見ていくと、欧州中央銀行の政策はユーロの価値変動を大きく左右することが分かります。ユーロ通貨ペアを用いたFX取引をしている投資家にとっては、欧州中央銀行の意向が重要な意味を持ちます。

日本円との取引に置き換えてみると、欧州中央銀行の利上げが始まることもあり、現在はユーロ高・円安の状態が続いています。

ユーロ高が進むと、EU圏内に進出している日本の海外企業の売上が増加すること、またEU圏内からの輸入品にかかる金額がさらに高くなることが予想されます。

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