基軸通貨とは【三大基軸通貨とメリット・デメリットについて解説】

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基軸通貨(きじくつうか)とは?

基軸通貨とは「外国との貿易や資本取引などの経済取引において、その決済手段として用いられる通貨」で、各国通貨の価値基準となる通貨のことを指します。

また基軸通貨は、通貨価値が安定していることが求めらるため、主に米ドルが基軸通貨となっており、通貨の異なる国際間での決済手段や為替相場は、米ドルを用いて決済をすることが多いです。

また、英語では「Key currency」と言います。広義で「ポンド」「ユーロ」「円」「元」などを含める場合もあります。

三大基軸通貨とは

一般的に「アメリカドル」「ユーロ」「日本円」を指して世界三大通貨と言われており、別名「G3通貨」と呼びます。

この三大基軸通貨は、どこかの機関が定義したわけではなく、国際的に取引量が多い上位3つの国の通貨そのように言われていると考えられます。

補足:貿易の際に基軸通貨がある場合とない場合ではどのような違いがあるのか

基軸通貨がない状態で貿易をした場合、国際的な決済を各国の居住者が各々の通貨で行うため、膨大な種類(組み合わせ)の為替交換が必要になり、取引コスト(費用・手間・時間)が膨らんでしまいます。

一方で、基軸通貨がある状態で貿易をした場合、前提として、各国の居住者が国際的な決済方法に「基軸通貨」と「自国の通貨」を使用します。

つまり、貿易の際に「基軸通貨」と「自国の通貨」間で交換を行うだけで取引できるので、取引コストを抑えるこができます。その結果、貿易が盛んになり、経済の発展につながって行きます。

基軸通貨としての条件(基軸通貨がドルである理由は?)

結論から言うと、基軸通貨がドルである理由は、アメリカが世界一の経済大国であるためです。

近年では、中国が革新的な発展をしており、アメリカを抜いていると思う方々も少なくはないかもしれませんが、現状では未だにアメリカのレベルに達しているとは到底言えないでしょう。

そんな基軸通貨としての必要な条件は、以下の3つです。

  1. 経済規模の大きさ
  2. 経済規模の強さと質
  3. 強固な軍事力

条件①:経済規模の大きさ

1つ目は、その通貨を擁する国の経済規模と金融市場が大きいことです。その国の、GDPであったり、輸出総額などから計ることができます。

アメリカの実際の数値を見てみると、「GDPは世界最大」「輸出総額は中国に次ぐ世界第二位」など、経済規模で世界有数の大国だと言うことができるでしょう。

条件②:経済規模の強さと質

2つ目は、その国の通貨が占める市場の大きさだけでなく、市場規模の質も要求されます。

アメリカでは、FRB「連邦準備理事会(FederalReserveBoard)」が独立した中央銀行としてシステム全体の守護者として存在しているため、安全性が高いと言えます。

条件③:強固な軍事力

条件の①と②で上げた体制が、誰にも侵略されずに守り通せる強い軍事力も基軸通貨として扱われるための条件です。

アメリカは、軍事支出が世界で一番多く、さらに2位の中国と約60兆円ほど離しているほど圧倒的です。また、核兵器や強力な空軍と科学研究の強さは、まちがいなく世界最先端のレベルを有しており、圧倒的な軍事力を有していると言えるでしょう。

基軸通貨国のメリット・デメリット

基軸通貨国には、「自国の通貨が国際取引で使用されるため、経済が発展しやすいというメリット」と「貿易面で輸出でマイナスになりやすいというデメリット」があります。

基軸通貨国のメリット

基軸通貨国のメリットは、以下の2つです。

  1. 国際政治力・外交力の強化
  2. 為替リスクがない

メリット①:国際政治力・外交力の強化

基軸通貨国であるメリットの1つ目は、経済的(政治的)に世界をコントロールできる外交カードを持つことができる点です。

21世紀に入ってアメリカは、「北朝鮮」や「イラン」に経済制裁を加えたり、ドル資産の凍結を行っていますが、これらはドルが基軸通貨であるからコン トロールできることです。

メリット②:為替リスクがない

国際取引の場では、取引はほぼドル建て(ドルを利用した取引のこと)となるので、為替リスクを考える必要が基本的にありません。

ただし、日本の場合、海外で売り上げしたドル建ての製品について、円高や円安によって企業の利益が変わるので常に為替のリスクが伴います。

基軸通貨国のデメリット

基軸通貨国のデメリットは、主にアメリカドルを他の国が、外貨準備高(政府や中央銀行が外国への支払いに充てるための準備金)として保有していくため、ドルが買われ、ドル高になりやすいところです。

その結果、輸出をするときに不利になりやすく貿易赤字を計上することが多いです。

基軸通貨の歴史(アメリカドルが基軸通貨になるまで)

ここでは、大まかな基軸通貨の歴史について触れていきます。少し前までは、基軸通貨国として表舞台を席巻していたのは、アメリカではありませんでした。

イギリスのポンドが基軸通貨(18世紀〜20世紀まで)

18世紀半ば1760年からイギリスが産業革命を迎えたことにより生産性が高まり、製品が自国で消費されるだけでなく他国へ輸出されることになりました。

その結果、「モノ」と「お金」の流動性を高めることが求められます。そこでイギリスのポンドを基軸通貨として、各国の為替手段として使用するこになりました。ポンドは、第二次世界大戦くらいまでその位置に居続けました。

アメリカのドル(20世紀~)

1914年オーストリアの皇太子がサラエボで暗殺されてから始まった第1次世界大戦で、人類は初めて国民を巻き込んだ総力戦を経験しました。

その時、欧州の各国は主な戦場となっていったため、イギリスは疲弊したところに、アメリカが台頭し始めました。その頃はまだ、ポンドとドルの両輪で基軸通貨を担っていました。

そして第2次世界大戦を経て、1944年ブレトンウッズ体制という金とドルの価値を基準にする体制が取られた事を機に、正式にドルが基軸通貨となります。

そして、1971年のニクソンショックによってブレトンウッズ体制が崩れ、現在の変動為替相場制が取られることになりました。