「十分」と「充分」の意味の違い【使い方も合わせて解説】

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「十分」と「充分」意味の違い

十分と充分の意味の違いと使い方
「十分」と「充分」は、多少のニュアンスの違いはありますが、同じ意味の言葉です。元々は「十分」という言葉が使われていましたが、「充足・充実・充たす」という意味の言葉から「充分」も使われるようになりました。

「十分」と「充分」のニュアンスの違い

十分:数量的に満たされた状態を客観的に判断できる

充分:感覚的に満たされた状態を主観的に判断できる

「十分」のニュアンス

「十分」は、「十」という数字が使われているように、「数量的に満たされた状態」を表します。イメージとしては、1〜10まで客観的に満たされている状態の際に使います。

「充分」のニュアンス

「充分」は、「感覚的に満たされた状態」を表します。「十分」は客観的に満たされている状態、「充分」は主観的に満たされている状態と考えるとわかりやすいでしょう。

「十分」と「充分」使い方

「十分」の使い方

十分は、数量的に満たされた状態を表すので、見てわかる量を表す際に使われます。

例えば、

  • 「セミナーを開催するのに十分な人数が集まった」
  • 「新店舗を出すのに十分な売上がある」
  • 「海外旅行に行くのに十分な額が貯まった」

人数や売上のような「数量的なもの」を表す際には、「十分」を使います。

「充分」の使い方

充分は、感覚的に満たされた状態を表すので、満足感のような感覚や感情を表す際に使われます。

例えば、

  • 「お気持ちを理解できただけで充分です」
  • 「お目にかかれただけで充分です」
  • 「東京タワーに行けただけで充分満足です」

このように「感覚や感情」を表す際には、「充分」を使います。

「十分」と「充分」の使い分け

何となく「十分」と「充分」のニュアンスの違いや使い方を理解できたと思います。次に、「十分」と「充分」の使い分けをしてみましょう。

①定期試験に向けて“じゅうぶん”な時間勉強した

・勉強時間を決めていた場合

→具体的な目標時間を客観的に満たすことができた場合は「十分」

・勉強時間を決めずに、長時間勉強した場合

→長時間という主観的な目標を満たすことができた場合は「充分」

②夕食に“じゅうぶん”な量を作った

・人数分の量を作った場合

→人数分の量を客観的に満たすことができた場合は「十分

・お腹が満たされる量を作った場合

→特に量を決めずにお腹が満たされると主観的に判断した場合は「充分」

③新規事業に向けて“じゅうぶん”な人数が集まった

・必要人数が決まっていた場合

→必要人数を客観的に満たすことができた場合は「十分」

・新規事業を始められる人数が集まった場合

→必要人数を決めずに新規事業が始められると主観的に判断した場合は「充分」

「十分」と「充分」の関連用語

「分」がつく言葉

十二分

十二分は、「十分すぎるほどたっぷりしている」という意味です。「十二」という数字の通り、「十」を超える=満杯を超えた状態を指します。

例文

・試合では十二分に力を発揮できた

・十二分に売上を上げることができた

腹八分目

腹八分目は、「満腹になるまで食べるのではなく、八分目と思われる程度の量にしておく」という意味です。「八」という数字の通り、「十」を下回る=満杯を超えない程度を指します。

例文

・健康のためには、腹八分目に抑えた方が良い

・腹八分目に医者いらず

「十分な程度まで」を意味する類義語

みっちり

みっちりは、「手を抜かずに十分に行うさまを意味します。みっちりは、「みっしり」と同じ意味として使われます。

例文

・みっちりと練習を行う

・実力をみっちりつける

優に

優には、「それ以上にたっぷりあること、十分に」という意味です。

例文

・優に100人を超える行列ができている

・優に20人は入れる広さ

「十分な容量」「充分」を意味する類義語

潤沢

潤沢は、「豊かにあるさま」を意味します。

例文

・あの会社には潤沢な資金がある

豊富

豊富は、「豊かであること」を意味します。

例文

・あの国には豊富な天然資源がある

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