「重ね重ね」という言葉は、取引先やお客さまに送るビジネス文書や少しかしこまったプライベートなやり取りの中で使われます。誰もが一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
何気なく使っている言葉ですが、使う相手や状況などによって使う場面を選んだほうが良い表現です。この記事では「重ね重ね」の意味を解説した上で、正しい使い方や使う上での注意点をご紹介していきたいと思います。
「重ね重ね」の意味
重ね重ね
読み:かさねがさね
意味:同じ行為・事態が繰り返されるさま、たびたび
「重ね重ね」の意味は、「同じ行為・事態が繰り返されるさま」「たびたび」です。
「重ね重ね」と同じように強い思いを伝える言葉としては、「深くお詫び申し上げます」という意味での「深く」や、「誠にありがとうございました」という意味での「誠に」「本当に」「心より」などの言葉があります。「重ね重ね」はそうした言葉を使った後に、最後の締めの言葉としてより気持ちを強調するために使われます。
「重ね重ね」の例文と使い方
①謝罪で使う場合
①は複数の内容についての謝罪、②は回数を重ねて迷惑をかけたことについての謝罪、③は1回だけだが改めて深いお詫びを強調する使い方です。
②感謝で使う場合
①と②は複数の厚意についての感謝、③は何回も厚意をいただいたことへの感謝を伝える使い方です。
③依頼で使う場合
①は何回も送ってもらうことについて、②は複数の要件について依頼する際の使い方です。
「重ね重ね」を使用する際の注意点
①葬儀や結婚式では使用を控える
「重ね重ね」は改まった場で使われることが多いのですが、結婚式や葬式の席では避けるべき「忌み言葉」とされています。
このような場で「重ね重ね」を用いると、夫婦の離別や死別が続くことを連想するため、縁起が悪いと言われています。
②後ろに名詞が続く場合は「重ね重ねの〜」とする
「重ね重ね」は「重ね重ねお願いいたします」のように動詞の前に使うことが多いです。「お願い」「ご依頼」「説明」のような名詞の前では「重ね重ねの~」という言い方になります。
③使いすぎない
「重ね重ね」は複数の謝罪や感謝、依頼事項を伝えたり、気持ちを強調するために使います。「重ね重ね」を頻繁に使うことで、相手に誠意が感じられないと受け取られ、逆効果になることがあるので注意しましょう。
「重ね重ね」の類語
次のような言葉がありますが、「重ね重ね」とは微妙にニュアンスが異なるのでそのまま置き換えられない言葉もあります。
- 重ねて
「重ね重ね」は「重ねて」を繰り返した言葉なので、「重ね重ね」とほぼ同様に使用できます。
- かえすがえす
「かえすがえす残念だ」など、過去の出来事について、悔やむ気持ちを表わすので、少しニュアンスが異なります。
- 重々(じゅうじゅう)
「重々承知の上で」など、「十分に」、「よくよく」の意味で使われることが多い言葉です。
- 度々
「何度も繰り返して」、「しばしば」の意味で、「重ね重ね」を繰り返しの意味で使う場合と同じように使えます。「重ね重ね」のように改まった言葉ではないので、ビジネスでよく使う表現です。
- 再三
問題が繰り返されることへの非難の意味があるので、そのまま置き換えては使えません。
まとめ
この記事では、「重ね重ね」の意味や使い方についてご説明しました。当たり前に使っていた言葉だからこそ、初めて知る内容もあったのではないでしょうか。
まとめると、、、
・重ね重ねの意味
→「同じ行為・事態が繰り返されるさま」「たびたび」
・重ね重ねの使い方
→謝罪、感謝、依頼の場で使われることが多い
・重ね重ねの類語
→重ねて、かえすがえす、重々、度々、再三 etc
ということが理解いただけたと思います。最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。