日本の二大航空会社の一つであるJAL(日本航空)の平均年収は828万円です。一般的な平均年収は432万円なので、JALの年収の高さがわかりますね。
この記事では、そんなJALの年収を「職種別」「競合他社比較」で詳しく解説します。
JAL(日本航空)の平均年収
JALの平均年収は828万円です。国税庁の民間給与実態統計調査によると平均年収は432万円なので、JALの平均年収は1.9倍以上ということがわかります。
- JALの平均年収:828万円
- 平均年収:432万円
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JAL(日本航空)の平均年収の推移
JALの有価証券報告書を見ると、年々右肩上がりで年収が上がっていることが分かります。
航空業界は、燃料代の変動や景気に大きく影響を受けるため、年度ごとの利益が大きく変わることが常ですが、その中でもJALは従業員に高い年収を払い続けていることがわかります。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
2018年 | 828万円 | 35.9 | 15.0 | 12,750 |
2017年 | 867万円 | 40.0 | 15.2 | 12,127 |
2016年 | 859万円 | 39.6 | 14.2 | 11,449 |
2015年 | 761万円 | 39.5 | 13.9 | 11,224 |
2014年 | 736万円 | 38.7 | 14.4 | 11,007 |
2013年 | 690万円 | 38.9 | 13.5 | 9,945 |
出典:有価証券報告書
JAL(日本航空)の職種ごとの平均年収
JALは職種によって大きく年収が変わってきます。ちなみに、整備士や空港受付などのグランドスタッフ職は、JAL本社勤務ではなく、子会社勤務となります。
JALの職種分類は以下の通りです。
- 業務企画職(総合職)
・地上職(事務系)
・地上職(数理・IT系)
・地上職(技術系) - 客室常務職(CA)
- パイロット
- 整備士(子会社:JALエンジニアリングなど)
- 空港受付などのグランドスタッフ・一般職(子会社:JALスカイ)
職種 | 平均年収 |
パイロット | 1,500万円〜2,000万円(推定) |
地上職(技術系) | 500万円〜600万円(推定) |
地上職(数理・IT系) | 500万円〜600万円(推定) |
地上職(事務系) | 500万円〜600万円(推定) |
CA(客室乗務員) | 450万円〜550万円(推定) |
整備士 | 350万円〜400万円(推定) |
グランドスタッフ(地上職・一般職) | 300万円〜350万円(推定) |
参考:賃金構造基本統計
パイロットの平均年収:約1,500〜2,000万円
パイロットは基本的に高給職ではありますが、JALは中でもトップクラス。基本給が高いだけでなく、諸手当も豊富につきます。
基本的には年功序列で、年次を重ねていき、機長にまでなると年収も2,000万円を大幅に超えていきます。
地上職(技術系)の平均年収:450〜550万円
業務企画職(総合職)は3系統に分かれており、その中の一つが地上職の技術系職種です。業務企画職の給与体系は基本的に統一されています。
地上職技術系は、入社後の最初の数年間は整備現業部門に配属され、運航整備、重整備、エンジン整備、装備品整備など、実際の整備現業を行います。
その後は、品質保証や生産管理、整備企画、部品管理、運行技術支援、海外駐在、開発などの上流業務部門に配属されます。
地上職(数理・IT系)の平均年収:450〜550万円
業務企画職(総合職)は3系統に分かれており、その中の一つが地上職の数理・IT系職種です。業務企画職の給与体系は基本的に統一されています。
地上職数理・IT系は、情報通信技術や統計学といった専門性が求められる職種。JALグループが蓄積するビッグデータを定量的、定性的に分析しながら、路線計画や販売戦略、IT企画などを担います。具体的には、下記業務に分かれます。
- 路線収支管理:一便ごとのフライトにおける売上、費用などを分析し、収益最大化計画を策定
- マーケティング分析:JAL全体のマーケティング分析
- デジタルイノベーション:IT・IoT・AIなどを活用したイノベーション創出
- IT企画・システム刷新推進:運行システム、整備システム、旅客システムなどのブラッシュアップ
地上職(事務系)の平均年収:450〜550万円
業務企画職(総合職)は3系統に分かれており、その中の一つが地上職の事務系職種です。業務企画職の給与体系は基本的に統一されています。
地上職事務系の業務は非常に多岐にわたります。需要動向の予測・分析や、それらに応じた商品企画、営業活動、事業運営に必要な総務、調達、財務、経理、広報、部門ごとの採算管理など、基本的にはJALのバックオフィスや経営を担います。
入社後はジョブローテーションが行われ、様々な職種を経験することでジェネラリストになるよう育成されます。その後の事業運営を担うのも、基本的には地上職事務系の方々です。
CA(客室乗務員)の平均年収:450〜500万円
CAは、業務企画職と給与体系が変わり、若干基本給が少なくなります。一方で、フライトに搭乗すると様々な手当がつくため、働けば働くほど年収を上げることが可能になります。
整備士の平均年収:350〜400万円
JALの整備士は、JAL本体ではなくJALの子会社勤務になります。JALの業務企画職・技術系職種とは異なり、基本的には整備士として現場で勤務し続ける職種です。そのため、平均年収も下がります。
グランドスタッフ(地上職・一般職)の平均年収:300〜350万円
JALのグランドスタッフは、JAL本体ではなくJALの子会社勤務になります。ジョブローテーションなどもなく、一般職として、空港の受付業務などを行います。そのため、平均年収も下がります。
JAL(日本航空)の役員の平均年収
有価証券報告書によると、2018年度にJALが取締役に支払った報酬の総額は4億8400万円。JALの場合、対象となる役員の人数が9人であるため、一人当たりで計算すると5,377万円程度が支給されています。
配分はわかりませんが、JALの社長は約6,000万円以上の報酬があると予想できます。
JAL(日本航空)の関連会社の平均年収
JALグループ主要7社の平均年収を紹介します。航空業界は燃料費の変動や景気の影響を強く受けるため、業績連動のボーナスが毎年大きく変動します。
そのため、平均年収も毎年変動いたします。なお、下記平均年収は、2019年の有価証券報告書、口コミなどから独自に集計・算出しました。
No. | 社名 | 平均年収 |
1 | JAL(日本航空) | 828万円 |
2 | 日本トランスオーシャン | 400万円(推定) |
2 | JALエンジニアリング | 400万円(推定) |
4 | ジェイエア | 380万円(推定) |
5 | JALグランドサービス | 350万円(推定) |
5 | ジェットスター航空 | 350万円(推定) |
7 | JALスカイ | 330万円(推定) |
①JAL(日本航空)
JALの平均年収は828万円です。
JALは、日本で最も長い国内線と国際線の歴史を持つ航空会社です。ANA(全日本空輸)と並んで日本の2大航空会社の一つです。
JALは、2010年に経営破綻しました。2008年のリーマンショックによる世界的な大不況に耐えられなかったことが大きな原因です。その後、政府介入がありながら、事業の効率化や経営改革、給与カット、リストラを経て、再生し、2012年に再上場を果たしました。
②日本トランスオーシャン
日本トランスオーシャンの平均年収は約400万円です。
日本トランスオーシャンは、主に沖縄を中心とした航空会社。元々は、1958年、米軍政権下の沖縄で、日本航空の出資により「南西航空」として設立されました。
②JALエンジニアリング
JALエンジニアリングの平均年収は約400万円です。
JALエンジニアリングは、JALグループの航空機・機材全般の点検・整備を行う企業です。飛行間点検やドッグでの航空機整備、エンジン整備装備品整備などを担っています。
蓄積した技術力を生かし、国内外50社以上の会社の整備受託も行なっています。
③JALグランドサービス
JALグランドサービスの平均年収は約350万円です。
JALグランドサービスは、空港におけるJAL航空機の誘導や機体洗浄、荷物搭載、機内清掃、整備補助などのハンドリング全般を行う企業です。
④ジェイエア
ジェイエアの平均年収は約380万円です。
ジェイエアとは、大阪国際空港をベースにJAL国内線の約3割を運航しているJAL子会社の航空会社です。パイロット、客室乗務員、航空職員によって、年収幅は大きく変わります。全て年功序列なため、年収が上がるペースは遅いです。
⑤ジェットスター航空
ジェットスターの平均年収は約350万円です。
ジェットスター航空は、オーストラリアのカンタス航空が設立した確約航空会社。2012年に、カンタス航空、三菱商事、日本航空により、「ジェットスター・ジャパン」が就航しました。そのため、JALの子会社ではなく、持分法適用関連会社です。
持分法適用関連会社
持株法とは、「投資会社が被投資会社の純資産及び損益のうち投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の額を連結決算日ごとに修正する方法」(企業会計審議会、連結財務諸表原則注解17の1)です。
非常に簡単に言うと、親会社が決算を行う時、子会社の利益を全て決算に加えるのではなく、親会社が保有している株式のパーセンテージ分のみの利益を決算に加えるという方法のことを指します。
⑥JALスカイ
JALスカイの平均年収は約330万円です。
JALスカイとは、JALグループの航空会社及び日本航空が提携している外国航空会社の旅客に関するハンドリングを請け負っている企業です。具体的には、カウンター業務や、ロードコントロール、ラウンジ、トラフィック、デスク、手荷物サービスなどを行います。
JAL(日本航空)とANA(全日本空輸)の比較
JALの競合他社であるANAとの違いはあるのでしょうか?気になる数値を表にまとめてみました。
航空会社 | 平均年収 | 売上高 | 営業利益 | 転職人気ランキング |
JAL | 828万円 | 1.48兆円 | 1,762億円 | 11位 |
ANA | 777万円(HD) | 2.05兆円 | 1,650億円 | 6位 |
ANAの平均年収が777万円なのに対し、JALの平均年収が828万円でした。
ANAの平均年収は、ホールディングスの管理部門・200人弱のものに対して、JALの平均年収は12,750人の従業員のもの。このことからも、JALの平均年収はANAよりも高いと言えます。
JALは2010年に経営破綻し、給与もカットされたため、一時期はANAより2割少ない給与水準でした。しかし、経営再建を経て、今ではANAを上回る年収を支給しています。一方、売上高ではANAがJALに1.5倍程度の差をつけています。
JAL(日本航空)に転職するためには
JALの転職難易度は高いです。「社会人が選ぶ転職人気企業ランキング」でも常に上位にランクインしており、JALを志望している方は、事前準備が重要になります。
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JAL(日本航空)に転職するために知っておくべきこと
JALに転職するために知っておくべきことは、3つあります。
- 業務企画職(総合職)は、基本的に35歳までの年齢制限あり
- 客室乗務員は英語能力と身体検査が重視
- 転職エージェントを利用する
1.業務企画職(総合職)は、基本的に35歳までの年齢制限あり
JALの業務企画職(総合職)は、事務系、数理・IT系、技術系、全ての職種で35歳程度までの年齢制限を設けています。
理由は、長期継続によるキャリア形成を図るため。JALは入社後、ジョブローテーションなどを行うため、若ければ若いほど良いと考えられます。一方、採用人数は多くないため、ある程度の専門性や実績を有していなければ選考を通過することは難しいです。
2.客室乗務員(CA)は英語能力と身体検査が重要
客室乗務員職への転職には、英語能力と身体検査が重視されています。就労経験などは問われていません。
英語能力は、最低でもTOEIC600点以上か同等程度の英語力が必要です。身体検査では、呼吸器、循環器、耳鼻咽喉、眼球、脊髄、視力などを調べられます。基準に満たなければ、どれだけ優秀でも採用されることはありません。
3.転職エージェントを利用する
転職エージェントとは、求人紹介や履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、面接の日程調整、面接後の条件交渉などを担当のキャリアアドバイザーがサポートしてくれる無料サービスです。
JALの場合、転職難易度が非常に高いので、万全な準備が求められます。転職エージェントでは、JALの求人紹介はもちろん、JALから内定を貰うための面接対策を行ってもらえるため、転職エージェントを利用した方が内定確度は高まるでしょう。
加えて、JALは、転職エージェントに「非公開求人」を掲載している可能性が高いです。JALのような人気企業が求人を出すと応募者が殺到しやすいため、一般には公開しない「非公開求人」を転職エージェントに発注します。
そのため、「一般公開されている求人は合わないな」と思っていたとしても、転職エージェントに行けば、あなたに合うJALの求人が多数掲載されている可能性があります。
- リクルートエージェント:転職支援実績No.1
- JACリクルートメント:ハイクラス転職実績No.1
- パソナキャリア:転職サポートの質が高い
まとめ
JALの平均年収は828万円ということがわかりました。燃料費の変動や景気動向により業績が大きく左右されるため、ボーナスの変動が大きいです。そのため、平均年収は毎年変わりますが、それでも日本の平均年収の1.9倍程度は保っています。
■まとめ
・JALの平均年収
828万円
・JALの平均年収ランキング
453位
・JALの職種ごとの平均年収
パイロット:1,500万円〜2,000万円(推定)
地上職技術系:500万円〜600万円(推定)
地上職数理・IT系:500万円〜600万円(推定)
地上職事務系:500万円〜600万円(推定)
CA(客室乗務員):450万円〜550万円(推定)
整備士:350万円〜400万円(推定)
グランドスタッフ(地上職・一般職):300万円〜350万円(推定)
・JALの関連企業の平均年収
JAL(日本航空):828万円
日本トランスオーシャン:400万円(推定)
JALエンジニアリング:400万円(推定)
ジェイエア:380万円(推定)
JALグランドサービス:350万円(推定)
ジェットスター航空:350万円(推定)
JALスカイ:330万円(推定)
・JALに転職するために知っておくべきこと
①業務企画職(総合職)は、基本的に35歳までの年齢制限あり
②客室乗務員は英語能力と身体検査が重視
③転職エージェントを利用する