『先手は万手(せんてはまんて)』の意味【使い方・類語・対義語・英語表現も解説】

「先手は万手」の意味と使い方

転職活動は、新年度に向けて活発になります。そんな転職活動で目にする機会が増えるのが、適正診断です。

適性診断では、「何事も始める前にじっくり考えるか、それとも行動しながら考えるか」といった行動タイプを問う質問を目にします。このうち後者の行動タイプを端的に表したことわざに、「先手は万手」があります。

「先手は万手」の意味は、「他人よりも先に物事を行うことで、有利な立場に立てること」です。

この記事では「先手は万手」の意味はもちろん、使い方や類語、対義語、英語表現まで詳しく解説していきます。

目次

「先手は万手」の意味

先手は万手

読み:せんてはまんて

意味:他人よりも先に物事を行うことで、有利な立場に立てること

先述した通り、「先手は万手」の意味は「他人よりも先に物事を行うことで、有利な立場に立てること」です。

「先手は万手」の使い方と例文

「先手は万手」は、他より先に行動を起こしたほうがいいことを相手に伝えたいときに、使用します。

例えば、社内コンペといった誰かと競う場面で、同期や後輩にアドバイスするときに使います。

例文1.「先手は万手」というだろう。勝ち抜きたいなら相手の先を行かないと。

例文2.君が慎重なのはよく知っているし、行動する前によく考えることは大切なことだ。でも「先手は万手」というように、ときには他人よりも先に行動してみたらどうかな?

例文3.「先手は万手」って言葉を知っているか?誰よりも先に行動を起こすことが、勝敗をわけることもある。

例文4.「先手は万手」というし、考えるだけじゃなくて、相手より先に行動してみてもいいんじゃない?

例文5.「先手は万手」、競合他社よりも先に動くことで、優位になることがある。

「先手は万手」の類語

「先手は万手」の類語として考えられる故事成語・ことわざを、4つ紹介します。

  1. 先ずれば人を制す
  2. 機先を制する
  3. 思い立ったが吉日
  4. 先手必勝

①先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)

「先んずれば人を制す」の意味は、「どんなことでも他人より先に行えば、優位に立てること」です。

  • 先んずれば:相手より先に行う
  • 人を制す:相手を自らの支配下におく

をそれぞれ意味します。

例文1.「先んずれば人を制す」というように、何事も先に先に行動することで他より優位に立てる。

例文2.この領域はまだどこも手を付けていない。「先んずれば人を制す」というし、可能な限り早く手を付けるべきだ。

例文3.「先んずれば人を制す」というだろう。勝負ごとにおいて先手を打つことは重要なことだと思う。

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②機先を制する(きせんをせいする)

「機先を制する」の意味は、「相手が計画を実行しようと意気込んでいるときに、相手より先に行動することで、その計画や気勢(※)をくじき、相手より優位に立つこと」です。

「機先を制する」は、試合やゲームなど勝敗をつけるときに使用します。

例文1.「機先を制する」というように、相手よりも先に行動したほうが有利なことがある。

例文2.今回のコンペは絶対に負けられない。そのためには「機先を制する」で、相手の先を行かなくてはならない。

例文3.「機先を制する」というだろう。先手を打つことが、ときに勝敗を大きく分けるのだ

※積極的に何かをしようと意気込んでいる気持ちのこと。

③思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)

「思い立ったが吉日」の意味は、「物事を思いついたら、あれこれ思い悩まず、すぐに実行したほうがいいこと」です。

「吉日」は「きちじつ」のほかに、「きつじつ」「きちにち」などの読み方があります。

例文1.「思い立ったが吉日」というだろう。思ったその時が、新しいことを始めるチャンスだ。

例文2.最近運動不足で太ったなぁ。よし「思い立ったが吉日」で、今日からダイエットするぞ。

例文3.「思い立ったが吉日」というように、何か始めようと思ったなら、その時に始めないと何もできないと思うよ。

④先手必勝(せんてひっしょう)

「先手必勝」の意味は、「相手や他より先に行動したほうが、有利な立場に立てるということ」です。

「先手必勝」は、将棋や囲碁が由来といわれています。

例文1.「先手必勝」というだろう。相手の出鼻をくじきたいなら、先手を打たなくてはならない。

例文2.私は何事も「先手必勝」が大切だと考えている。

例文3.「先手必勝」といように、まずは相手よりも先に行動することが勝負を左右するのだ。

「先手は万手」の対義語

「先手は万手」の対義語として考えられる故事成語・ことわざを、2つ紹介します。

  1. 急いては事を仕損じる
  2. 急がば回れ

①急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)

「急いては事を仕損じる」の意味は、「何事も焦ってやると失敗しやすいので、急いでいるときほど落ち着いたほうがいいこと」です。

「急いては事を仕損じる」は、自分や他人の行動を戒めるときに使用します。

例えば、重要なコンペやプレゼンの準備でメンバーに焦らないようアドバイスするときに使います。

例文1.例のコンペが、いよいよ来週に迫っている。でも「急いては事を仕損じる」というように、残り一週間だが、焦らずにしっかりと取り組んでくれ。

例文2.「急いては事を仕損じる」というだろう。明日の昇進試験は焦らず、自分のペースでのぞもう。

例文3.結果を急ぎ過ぎると、思わぬ失敗を招く。「急いては事を仕損じる」で、焦らず進めたほうがいい。

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②急がば回れ(いそがばまわれ)

「急がば回れ」の意味は、「急いでいるときほど危険な近道を選ぶより、多少遠くても確実な道を選ぶほうがいいこと」です。

「急がば回れ」は室町時代に活躍した連歌師(れんがし)・宗長(そうちょう)の歌が由来といわれています。

例文1.「急がば回れ」というだろう。結果が欲しいと思っているときこそ、確実な方法を選んだほうがいい。

例文2.成績が良くなくて焦る気持ちはわかるが、そうやってやみくもに電話をかけても時間がかかるだけさ。「急がば回れで、しっかりリサーチしてアプローチしたほうが確実だよ。

例文3.新しい理論や方法に飛びつくのではなくて、「急がば回れ」で従来にやり方の精度を上げることに時間をかけるほうが案外うまくいくものさ。

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「先手は万手」の英語表現

「先手は万手」の英語表現は、「The first blow is half the battle.」です。直訳は「最初の一撃で戦いは半分勝ったも同然だ」です。

  • first:(形容詞)最初の
  • blow:(主語・名詞)一撃、攻撃
  • half the battle:(イディオム)半分勝ったも同然

で構成されています。

「half the battle」は、「最も重要な部分」「最も困難な部分」といった意味もあるので、合わせて覚えておいてください。

まとめ

スポーツ観戦やゲームなど、日常生活において多くの勝負事に触れます。ビジネスパーソンなら、コンペやプレゼンといった「受注獲得」の勝利をかけた競争に日々直面します。

こうしたさまざまな勝負を乗り越えていくための手段のひとつとして、「先手は万手」は必ず役立ちはずです。ぜひ活用してくださいね。

①「先手は万手」の意味

他人よりも先に物事を行うことで、有利な立場に立てること

②「先手は万手」の使い方と例文

・「先手は万手」というだろう。勝ち抜きたいなら相手の先を行かないと。

・君が慎重なのはよく知っているし、行動する前によく考えることは大切なことだ。でも「先手は万手」というように、ときには他人よりも先に行動してみたらどうかな?

・「先手は万手」って言葉を知っているか?誰よりも先に行動を起こすことが、勝敗をわけることもある。など

③「先手は万手」の類語

・「先ずれば人を制す」

・「機先を制する」

・「思い立ったが吉日」

・「先手必勝」

④「先手は万手」の対義語

・「急いては事を仕損じる」

・「急がば回れ」

⑤「先手は万手」の英語表現

・「The first blow is half the battle.」

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