一口に事務職と言っても、一般事務や営業事務、総務事務、経理事務など、数多くの種類があります。
この記事では、事務職の仕事内容だけでなく、事務職の種類や事務職のメリットとデメリットについて解説します。
事務職に転職を考えている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
事務職の仕事内容
事務職は、誰かのサポートをする仕事です。
- 営業事務:営業のサポート
- 総務事務:総務部のサポート
- 経理事務:経理部のサポート
このように、縁の下の力持ちとなり、サポート役に徹するのが事務職の仕事です。事務職は、机の上で行う作業が多いため、デスクワークと言われることもあります。
事務職の具体的な仕事内容
事務職の具体的な仕事内容は、さまざまです。
- 電話・メール対応
- データ入力
- 書類作成
- ファイリング
- 伝票処理・整理
- 消耗品管理・発注
- 郵便物・FAXの整理
- 窓口・来客対応
上記が代表的な事務職の仕事内容となります。幅広い業務を行うのが事務職の特徴と言えます。
事務職の1日の流れ
・8:45 出社
→15分ほど早めに出社して、気持ち良く仕事ができるようにデスクの整理
・9:00 業務開始
→メールチェックやデータ処理、電話対応など
・12:00 お昼休憩
→同僚とランチへ
・13:00 業務開始
→会議の準備のために、資料配布やお茶出し、郵便物の確認など
・18:00 退社
→1日の業務内容を日報にまとめて退社
基本的に事務職は、残業が少ないと言われています。突発的な業務により、残業が発生することもありますが、他の職種に比べると残業は少ないです。
そのため、子育て中の女性が働く職種として人気が高い傾向にあります。
事務職の種類
事務職の種類は非常に多いです。ここでは8つの事務職を紹介します。
①一般事務
一般事務とは、事務職のなかでも最も代表的な職種です。
特に専門知識は必要なく、パソコンでデータ入力をしたり、書類の作成・処理・整理など、多種多様な業務があります。
一般事務は、OA事務とも呼ばれ、未経験者歓迎の求人が多いので、女性に人気の職種に挙げられます。
②営業事務
営業事務は、営業のサポートをする仕事です。営業担当者がクライアントとの交渉に集中できるようにバックアップします。
営業担当者とコミュニケーションを取りながら、サポート業務をするため、コミュニケーションスキルが重要です。
③経理事務
経理事務には、「経理職と事務職を担当する場合」と「経理業務のサポートをメインに担当する場合」の2種類あります。
会社によって、経理事務の捉え方はさまざまなので、自分がどの仕事を担当するかは必ず確認しましょう。
④人事事務
人事事務は、人事部が担当する仕事をサポートします。直接的に採用には関わりませんが、人事関連の書類作成や手続き業務を行います。
⑤労務事務
労務事務は、労務部が担当する仕事をサポートします。労務部では、給与計算や勤怠管理、福利厚生、保険関係の手続きを行います。
⑥総務事務
一般的に、総務部は、備品の管理や発注、オフィスの管理、社内規定の作成・更新、社内イベントの企画・運営を行います。
総務事務の場合、総務部のサポート業務を行うことになりますが、会社の規模感によって担当する範囲は異なります。
人員の少ない会社では、総務事務が一般事務の仕事も兼任することも多いです。
⑦法務事務
法務事務は、会社の法務部門をサポートする仕事です。
法務部が行う会社登記や商取引に関わる法的案件、法的トラブル、労災、知的財産権、顧問弁護士とのやり取りなど、これらの業務をサポートするのが法務事務の役割と言えます。
⑧貿易事務
貿易事務は、商社やメーカーなどの貿易業務が発生する会社でよく募集されています。専門性が高く、語学力も必要とされるため、一般事務とは大きく異なります。
貿易書類の作成や確認はもちろん、出荷・輸送・通関などの手配、出荷・納入管理など、貿易に関わる幅広い業務を担当します。
事務職のメリットとデメリット
事務職には、数多くの種類があることがわかりました。ここからは、一般的な事務職のメリットとデメリットを解説します。
事務職を目指している方は、事務職の良い面だけでなく、悪い面もしっかりと確認しておきましょう。
メリット
1.未経験でもチャレンジできる
事務職の求人には、未経験歓迎の求人が多いです。
先述したとおり、電話・メール対応、データ入力、書類作成のような、慣れればすぐにできる仕事が多いので無資格の方でもチャレンジできます。
2.残業が少ない
事務職は、仕事の性質上、残業が少ないと言われています。営業マンのように営業目標がないので、自分のペースで任された仕事をこなしていきます。
繁忙期や突発的な業務が発生した場合には、残業をすることもあると思いますが、比較的残業は少ない職種です。
3.基本的なビジネススキルが得られる
事務職は、電話・メール対応、データ入力、書類作成のような、基本的な仕事を一通り経験できる職種です。
幅広い業務を任されますが、その分、浅く広くビジネススキルを身につけることが可能です。
デメリット
1.決まった業務が多い
事務職には、多種多様な業務がありますが、決まった業務が多いのが特徴です。電話・メール対応、データ入力、書類作成のような決まった業務を日々こなしていきます。
「自分のアイデアを実現したい」「責任のある仕事を担当したい」という方は、事務職には向いていないかもしれません。
自分がやるべき仕事を確実にこなせ、縁の下の力持ちとしてサポートできる責任感のある方が向いています。
2.成果を数値化しにくい
事務職の仕事は、営業目標がないため、成果を数値化するのが難しいです。そのため、目に見えた成果が出にくく、達成感ややりがいを感じられないという方もいるのが事実です。
3.給料が上がりにくい
営業職や販売職では、目標を達成していけば、年々給料が上がっていくと思います。一方、事務職の場合には、成果を数値化するのが難しいため、給料が上がりづらい特徴があります。
事務職に求められるスキル
事務職に求められるスキルとして、真っ先に挙がるのがパソコンスキルです。パソコンスキルと一口に言ってもさまざまなものがあります。
①ExcelとWord
ExcelとWordは、必ず使うと考えておきましょう。特にExcelは、データ入力やデータ処理の際によく使うので、マスターしておきましょう。
事務職では、Officeソフトを使うことが多いので、基本的な操作に慣れておくだけで、仕事を効率的に進めることができます。
②ブラインドタッチ
事務職では、文章を打ったり、数字を入力する作業が多いです。キーボードを見ながらタイピングしていると、作業時間は予想以上にかかります。
ブラインドタッチができるようになると、作業効率は格段に上がり、作業時間を大きく削ることができます。
ブラインドタッチに自信がない方は、『寿司打』や『e-typing』を使い練習しておきましょう。
③ショートカットキー
作業効率の観点で、ショートカットキーは必ず覚えておいた方が良いです。マウスを使わずにExcelの作業ができれば、作業時間は圧倒的に少なくなります。
『Officeの公式HP』では、ExcelやWordごとにショートカットキーがまとまっています。ぜひ活用してみてください。
④メールマナー
事務職は、電話やメール対応を日々行います。クライアントに失礼のないように、ある程度のメールマナーは必須です。
特に営業事務では、営業担当者に代わってクライアントにメールを送ることもあります。その際に、「どのようにメールを送れば良いかわからない」という状況にならないように、メールマナーは学んでおきましょう。
『入社1年目ビジネスマナーの教科書』という本では、メールマナーのいろはを学べるのでおすすめですよ。
事務職に役立つ資格
事務職にとって、資格は必須ではありませんが、持っていると有利に働く資格もあります。ここでは、代表的な資格を紹介します。
①MOS
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)とは、マイクロソフトが認定する世界共通の資格です。WordやExcelを実務的に使えることを示すことができるので、事務職においては取っておいた方が良い資格と言えます。
MOSは、各ツールごとにスペシャリストレベル(一般レベル)とエキスパートレベル(上級レベル)の2種類あります。
スペシャリストレベルであれば、初心者の方でも取得しやすいので、ぜひ一度受けてみてください。
②日商PC検定
日商PC検定とは、日本商工会議所が認定する資格です。ベーシック、3級、2級、1級という4階級に分かれています。事務職であれば、3級を持っておくと良いでしょう。
日商PC検定は、データ分析や文書作成などの実務能力が問われる資格です。事務職が行う業務外の内容も出題されますが、高度な実務能力があることをアピールできます。
③秘書技能検定
秘書技能検定は、社会人に求められる一般常識やビジネスマナー全般を身に付けるための資格です。ビジネスシーンにふさわしい言葉使い、敬語など使った文書作成方法を身に付けることができます。
秘書検定には、3級、2級、準1級、1級があり、事務職の場合は2級以上を持っておくと有利に働くと思います。
④日商簿記
日商簿記は、経理事務や貿易事務であれば持っておきたい資格です。一般事務であれば、あまり重要視されないので、時間をかけてわざわざ取得しなくても良いと思います。
日商簿記には3級、2級、1級があり、3級は独学でも十分合格できます。一方、2級以上になると、出題範囲が一気に広がるので難易度が高いです。
⑤TOEIC
TOEICを持っておくことで、幅広い業種でアピールすることができます。特に、貿易事務であれえば、日常的に英語を使う場面があるので必ず受けておきましょう。
貿易事務の場合、求人票に「TOEIC◯◯点以上」と記載されていることが多いので、TOEICは必須と言えます。
事務職に向いている人の特徴
事務職に向いている人の特徴を「スキル面」と「パーソナル面」の2つの切り口から解説します。事務職を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
スキル面
1.パソコンスキル
パソコンスキルがあれば、事務職の仕事をスムーズに進めることができます。メール対応やデータ入力をする際には、必ずパソコンを使います。
すでにパソコンスキルがある人であれば、事務職の仕事にすぐに慣れることができます。
2.コミュニケーションスキル
パソコンスキルだけでなく、コミュニケーションスキルも重要です。
例えば、営業事務であれば、営業担当者とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていきます。
パーソナル面
1.人を支えて感謝されることが好き
事務職は、縁の下の力持ちとしてサポートやバックアップをする仕事です。自分がフロントに立って行う仕事が少ないので、「人を支えて感謝されることが好き」という方に向いています。
2.人のために動くことが好き
自分の利益ではなく、誰かのために動くことで、業務をスムーズに進めていくことが事務職の仕事です。
事務職は、人をサポートする仕事なので、人のために動くことが好きという方に向いています。
事務職で勘違いされているコト
ここでは、事務職という職種に対して、勘違いしているコトを3つ紹介します。
①事務職の仕事は簡単ではない
「事務職の仕事は簡単」と言われることがありますが、やることが多いので慣れるまでは大変です。
「慣れるまでは、すべてが勉強」と考えて、根気強く覚えることもあります。簡単だから誰でもできると考えて転職をすると失敗することもあるので注意しましょう。
②パソコンスキルがすべてではない
「パソコンスキルがあれば、事務職ができる」と考えている人が多いですが、実際の業務ではコミュニケーションも多く発生します。
チーム内だけでなく、他部署とも連携を取る場面があるので、コミュニケーションスキルも重要です。
③育児と仕事を両立できるとは限らない
会社によっては、人員が足りずに事務職1人に対して大量の仕事が任されることもあります。その場合、育児と仕事を両立できないこともありえます。
また、繁忙期や突発的な業務により残業が発生することも考えられます。転職する前には、必ず「残業時間」や「事務職の働き方」について詳しく聞いておきましょう。
事務職は未経験でもチャレンジできる
事務職は未経験でもチャレンジできる求人が多いです。最初は覚えることも多いですが、慣れてくれば自分のペースで仕事をこなすことができます。
転職サイトでは、常に事務職の求人が掲載されているので、多くの会社で事務職のニーズはあります。
また、コロナの影響でリモートで働ける求人もあるので、「育児をしながら仕事をしたい」という方にとって、事務職はおすすめの職種と言えます。
事務職に転職を考えている方におすすめの転職サービス
ここでは、事務職に転職を考えている方におすすめの転職サービスを紹介します。特に、女性の転職に強い転職サービスをピックアップしました。
- リクルートエージェント:転職支援実績No.1
- doda:転職エージェント業界2位
- パソナキャリア:女性に優しい転職エージェント
リクルートエージェント:転職支援実績No.1
【おすすめ度】★★★★★(5.0)
【公式HP】https://www.r-agent.com/
リクルートエージェントは、業界最大手のリクルートが運営している転職支援実績No.1の転職エージェントです。
事務職の求人も大量に掲載されており、女性のキャリアアドバイザーも多いため、相談しやすいです。
利用者の60%以上が年収アップしており、転職をするなら必須の転職エージェントと言えます。
doda:転職エージェント業界2位
【おすすめ度】★★★★★(5.0)
【公式HP】https://doda.jp/
dodaは、人材業界大手のパーソルキャリア(旧インテリジェンス)が運営している転職エージェントです。
求人の量と質どちらも高く、事務職の求人も数多く掲載されています。リクルートエージェントと合わせて利用することをおすすめします。
パソナキャリア:女性に優しい転職エージェント
【おすすめ度】★★★★☆(4.5)
【公式HP】https://www.pasonacareer.jp/
パソナキャリアは、人材派遣業界で第2位のパソナが運営している転職エージェントです。顧客満足度が非常に高く、転職後の年収アップ率はなんと67.1%と驚異的な数値です。
女性の転職をサポートする専門部署もあるので、女性が利用しやすい転職エージェントと言えます。
まとめ
事務職の仕事内容や種類をイメージして頂けたと思います。事務職は、女性にピッタリの職種なので、興味のある方は選択肢の一つとして考えてみてくださいね。
①事務職の仕事内容
・誰かのサポートをする仕事
・具体的には、電話・メール対応、データ入力、書類作成を行う
②事務職の種類
・一般事務
・営業事務
・経理事務
・人事事務
・労務事務
・総務事務
・法務事務
・貿易事務
③事務職のメリットとデメリット
・メリット:未経験でもチャレンジできる、残業が少ない、基本的なビジネススキルが得られる
・デメリット:決まった業務が多い、成果を数値化しにくい、給料が上がりにくい
④事務職に求められるスキル
・ExcelとWord
・ブラインドタッチ
・ショートカットキー
・メールマナー
⑤事務職に役立つ資格
・MOS
・日商PC検定
・秘書技能検定
・日商簿記
・TOEIC
⑥事務職に向いている人の特徴
・スキル面:パソコンスキル、コミュニケーションスキル
・パーソナル面:人を支えて感謝されることが好き、人のために動くことが好き
⑦事務職で勘違いされているコト
・事務職の仕事は簡単ではない
・パソコンスキルがすべてではない
・育児と仕事を両立できるとは限らない
⑧事務職は未経験でもチャレンジできる
・事務職は未経験でもチャレンジできる求人が多い
・常に事務職の求人が掲載されているので、多くの会社で事務職のニーズがある
・コロナの影響でリモートで働ける求人もある
⑨事務職に転職を考えている方におすすめの転職サービス
・リクルートエージェント:転職支援実績No.1
・doda:転職エージェント業界2位
・パソナキャリア:女性に優しい転職エージェント