ソーシャルレンディングの種類っていくつあるの?
ソーシャルレンディングの種類を知ったところで役に立つの?
このような疑問にファイナンシャルプランナーが答えます。
結論から言うと、ソーシャルレンディングは投資対象によって、
- 国内事業性資金
- 国内不動産
- エネルギー
- 国内個人ローン
- 海外事業性資金
- 海外不動産
- 海外個人ローン
などに分類されます。
また、運営方法によっても、
- マーケット型
- オークション型
- ファンド型
に分類されます。
この記事ではファイナンシャルプランナーでありソーシャルレンディング投資家の私が「ソーシャルレンディングの種類」について解説します。
ソーシャルレンディングの投資対象による分類
ソーシャルレンディングは投資対象によって以下の7つに分類することができます。
- 国内事業性資金
- 国内不動産
- エネルギー
- 国内個人ローン
- 海外事業性資金
- 海外不動産
- 海外個人ローン
①国内事業性資金
国内事業性資金とは、国内の事業で使われる資金のことです。特に、起業したばかりの会社や飲食店などは資金が足りないので、ソーシャルレンディングを通じて融資を受けることがあります。
ソーシャルレンディングで借りたお金は以下のような用途で用いられることが多いです。
- 開始資金:新規事業をはじめるための資金
- 投資資金:設備などに投資するための資金
- 運転資金:事業を運営していくための資金
②国内不動産
国内不動産では、国内で不動産を開発したり、改修したりする事業者に貸し出しを行います。
国内不動産の場合、以下の用途で使われることが多いです。
- 不動産の取得資金
- 不動産の改装資金
国内不動産は、不動産が担保になっていることが多いのが特徴です。不動産の担保がついている安心感があるので、国内不動産の案件は投資家からの人気が高くなっています。
③エネルギー
エネルギーでは、国内のエネルギー関連事業者に貸し出しを行います。太陽光や風力など、再生可能エネルギーの業者に貸し出されることが多いです。
エネルギーの場合、以下の用途で使われることが多いです。
- 発電用の土地や施設の取得
- 発電用施設の建設
④国内個人ローン
国内個人ローンでは、国内の個人に向けて貸し出しを行います。用途はさまざまです。以前はmaneoを始め、多くの事業者が取り扱っていましたが、今ではほとんど行われていません。
日本では、個人にお金を貸すインフラがきちんと整っているため、今後も成長しないと予測されています。
⑤海外事業性資金
海外事業性資金は海外で事業を行う企業に貸し出しを行います。用途は国内事業性資金と同じで、事業の開始資金、投資資金、運転資金です。
海外事業性資金のリスク①:為替リスク
為替リスクとは、為替が変動して利益が減ってしまうリスクのことです。海外事業性資金では、お金の貸し出しや返済が現地の通貨で行われるので、貸出時よりも返済時のほうが円高になっていれば、利益が減ってしまうのです。
例えば、1ドル100円のときに100万円をドル建て年利10%で1年間貸し出したとします。すると、1年後には1万1000ドルが返ってきます。為替の変動がなく1ドル100円のままだった場合には、110万円を受け取ることができます。
1ドル95円の円高になってしまうと受け取れるのは104万5000円です。この場合、1ドル100円のままだったら受け取れた10万円の利息が半分以下になってしまいます。
逆に、円安になった場合には想定よりも多くの利息を得ることができます。
海外事業性資金のリスク②:カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資した国や地域で政治や経済に変化が起こり、貸し倒れなどが多発するリスクのことです。
例えば、投資した国で大不況が起こった場合、借り手の企業が倒産して貸し倒れが起こってしまうかもしれません。
カントリーリスクは一般的に欧米などの先進国より新興国や発展途上国のほうが高いと言われています。カントリーリスクを正確に評価するのは難しいですが、株式会社日本貿易保険が発表している「国・地域ごとの引受方針」はカントリーリスクの目安として非常に参考になります。
⑥海外不動産
海外不動産では、海外で不動産を開発したり、改修したりする事業者に貸し出しを行います。用途は国内不動産と同じで、不動産の取得資金や改装資金です。
⑦海外個人ローン
海外個人ローンでは、海外の個人に向けて貸し付けを行います。直接貸し付けることは少なく、現地の銀行などの金融機関を通じて貸し付けが行われます。
最終的な貸し付け先である個人の用途はさまざまですが、以下の用途で用いられることが多いです。
- 医療費
- 自動車の購入
- 住宅の改装
- 学費
ソーシャルレンディングの運営方法による分類
ソーシャルレンディングは運営方法によって3種類に分けることができます。
- マーケット型
- オークション型
- ファンド型
①マーケット型
マーケット型は、まずソーシャルレンディング事業者が借り手の格付けを行います。それをもとに、個人投資家はどのくらいの金利でどのくらいのお金を貸すかを決定します。ソーシャルレンディング事業者は、これらを取りまとめて借り手にお金を貸します。
できるだけ借り手に有利な金利と金額を提示した個人投資家が選ばれるので、金利が市場原理によって公正に決定されるようになっています。
②オークション型
オークション型は、まず借り手は借り入れの目的と自分の信用度をアピールします。そして、貸し手はその情報からどこに投資するかを決定します。
オークション型の最大の特徴は金利がオークション形式で決まることです。貸し手は入札という形で金利を提示し、一番安い利率を提示した貸し手が貸し付ける権利を得ることができるのです。
ハイリスクな借り手の場合にはやはり利率は高くなり、ハイリスクハイリターンの投資になる傾向があります。
この運営方法は、かつてmaneoが個人の借り手向けに行っていましたが、現在では運営方法を変更しています。現在の日本ではほとんど行われていない運営方法です。
③ファンド型
ファンド型は、ソーシャルレンディング事業者が決算書、事業計画書、信用情報などをもとに、借り手の企業を審査して金利や金額、借入期間などを決定します。
そのため、貸し手は金利の指定をすることはできませんが、自分の好きな案件に好きな金額を投資することができます。
ソーシャルレンディング事業者がきちんと審査を行うので貸し倒れ率が低く、日本ではほぼこの運営方法でソーシャルレンディングが行われています。