仕事やプライベートにかかわらず、対応の頻度や積極度合について表す言葉の一つに「折に触れて」という言葉があります。この言葉は公式な文章や会話でよく使われており、上品な大人の響きがあるので、使った人の印象を高める言葉です。
この記事では「折に触れて」という言葉の意味や使い方、使用する際の注意事項などについて解説しています。これを機にぜひ「折に触れて」の使い方をマスターしましょう。
「折に触れて」の意味
折に触れて
読み:おりにふれて
意味:機会があればいつも、機会があるたびに
「折に触れて」の意味は、「機会があればいつも、機会があるたびに」です。クライアントに対してのビジネスメールなどでよく使う表現なので、覚えておいて損はありません。
「折に触れて」の語源・由来
「折」は、もともと折り紙など紙を折った時につくの区切りの線(折り目)という物理的な意味です。それが、時間の意味に転じて、時間・期間の中の区切られたある時点、つまり機会、時節、時期という意味になりました。「触れて」は機会や物事に出会うという意味で、この2つの言葉の組み合わせでできた言葉です。
折:区切られた時点=機会、次節、時期
触れて:機会や物事に出会う
「折に触れて」の例文と使い方
「折に触れて」は日常的に使う言葉ではなく、公式な場面で使われることが多いです。
また「折」という言葉は、「四季折々」「折節の移り替わり」など文語的、文学的な雰囲気のある美しい日本語です。どのような場面で使うのがよいか、ご自分の仕事や生活の場面に当てはめて考えてみましょう。
「折に触れて」の使い方の注意点
先述したように、「折に触れて」は公式な場面で使われることが多いので、くだけた私的な場面で使うと、逆に嫌味に聞こえてしまいます。
「折に触れて」の類語
言葉の意味は、似たようなほかの言葉と比較するとよりはっきりするので、「折に触れて」の類語を考えてみましょう。類語には次のような言葉があります。
- 機会があるたびに
- 機会があるごとに
- 何かあるたびに
- 何かあるごとに
- 何かにつけ
- 何事につけ
- 事あるごとに
- その都度
- 毎回
「折に触れて」と同じような意味の言葉ですが、微妙にニュアンスが違う言葉もあります。言葉の意味は、使う時の状況や言葉の前後関係により異なってくるので一概には言えません。これらの中では、「機会があるたびに」や「機会があるごとに」が「折に触れて」とニュアンスが近いです。
一方、「何かにつけ」「何事につけ」「事あるごと」という言葉は、否定的に使われることが多く、「折に触れて」をそのまま置き換えては使えないので使い方には注意しましょう。
- あの人に話しかけると、何かにつけ、文句を言われるで正直困っています。
- 何事につけうるさい上司だ。
- ○○さんは事あるごとに、感情的になるので、こちらもついムキになります。
「折に触れて」と似ている「折を見て」
「折に触れて」に似た言葉に「折を見て」という言葉があります。
- 折を見て:機会があれば
- 折に触れて:機会があるたびに
「折に触れて」は、機会があるたびにそうするという積極的な対応であるのに対して、「折を見て」は、機会を見計らい、いつか機会があればという消極的なニュアンスがあります。
また「折に触れて」は「今後何回も」という意味であるのに対して、「折を見て」は「一度だけの対応」になる場合が多く、対応の頻度の面でも異なります。ちなみに、「折を見て」はそのつもりがない=言葉を濁したいときに社交儀礼的に使われることがあります。
おわりに
「折に触れて」という言葉は、格調の高い、大人の品のある言葉です。
話や文章の中に適時適切に一つ入れるだけで、使った人の印象が格段に上がる言葉です。逆に親密な人とのプライべーな場面ではあまり使われません。使い方を間違えないように注意しましょう。