仕事上のやり取りで「取り計らう」という言葉を目にしたことがある方は、多いのではないでしょうか。「取り計らう」という言葉は、日常生活で使われることはあまりないため、意味や使い方について少し曖昧に理解されている方は多いです。今回はそんな「取り計らう」の意味と使い方について例文付きで解説します。
「取り計らう」の意味
取り計らう
読み:とりはからう
意味:物事が上手く運ぶよう、良く考えて対処する
「取り計らう」の意味は、「物事が上手く運ぶよう、良く考えて対処する」です。一つひとつ具体的な指示はなくても、良い結果になるように自ら考えて対処することを意味します。
ビジネスシーンにおいては、上司やクライアントに対して「上手く対処をして下さってありがとうございました」という感謝を伝えるシーンや、「上手く対処をお願いできますでしょうか」という依頼するシーンにおいて用いられます。
「取り計らう」の例文と使い方
感謝を伝えるシーンでの「取り計らう」
「取り計らう」は感謝を伝えるシーンで最も多く使われます。感謝する場面で使われる場合「お取り計らいありがとうございます」のように、感謝を表す言葉と一緒に使われ、相手が良いように対処してくれたことに対する感謝を表します。特に、特別な対応をして貰った場合に使われることが多いです。
依頼するシーンでの「取り計らう」
「取り計らう」は、何かを依頼するシーンでも良く使われます。依頼する場面で使われた場合は「お取り計らい頂けますよう、宜しくお願い致します」のように依頼文と一緒に使われ、相手に上手く対応して貰えるようお願いする場面で使われます。
上司やクライアントに具体的な指示を出すことは失礼に当たる場合がありますが、「取り計らう」を使うことでオブラートに包み、「上手く対応お願い致します」という丁寧な表現に変えることができます。
「取り計らう」の使い方と注意点
注意点①:「取り計らう」は自分の行動には使わないことが多い
「取り計らう」という言葉には「色々と考えて相手の求めに沿うようにする」というニュアンスもあるため、自分の行為に対しては使わないことが多いようです。
また、上司からの指示に対して「私の方で取り計らっておきます。」のように使うと、「あとは私の方で上手くやっておくよ」という偉そうな印象を与えかねないため、注意が必要です。
自分自身に対して使える「善処します」という言葉があります。物事の状況に応じて適切に処理をすることを表す言葉で、「何とか頑張ります」ということを表します。偉そうなニュアンスも含まれないため、自分の行動に対しては「私の方で善処します」のように伝えると良いでしょう。
注意点②:些細な感謝や依頼に対しては大げさ過ぎることも
「お取り計らい頂き、ありがとうございます」や「お取り計らい、お願いできますでしょうか」は、とても丁寧な表現であり、相手に合わせ上手く対処するというニュアンスを持つため、日常の些細な感謝や依頼に対して使うと大げさな印象を持たれる場合があります。
そのような場面で使うことが間違いという訳ではありませんが、感謝や依頼に対して毎回使うのではなくて、シーンごとに使い分けをした方が相手にスマートな印象を与えることができます。
「お取り計らい」の類語
お取り計らいの類語①:「段取りする」「手配する」
「お取り計らい」は少し固い表現になりますが、日常で使う言葉では「段取りする」「手配」が意味として近いです。
お取り計らいの類語②:「善処します」
前述の通り、自分に対して「取り計らう」を使うケースは少なく、代わりとして「善処します」という表現が使えます。「善処します」には、前向きに取り組む、努力するという意味があるため、こちらであれば自分に対して使っても、失礼や不快という印象を与えることはないでしょう。
お取り計らいの類語③:「良きに計らえ」
時代劇で将軍が「良きに計らえ!」と言っているシーンを見たことがあると思いますが、「良きに計らえ」は「自分の良いように処理しておいていいぞ」と家来に対して指示を出すときに使われ、お取り計らいと近い意味を持っています。もちろん、現代のビジネスシーンでは使われませんが、冗談としてたまに使われることがあります。
おわりに
ここまで見てきた通り、「取り計らう」は感謝や依頼するシーンにおいて「上手く対処頂きありがとうございます」や「上手く対処をお願いできますでしょうか」という意味を表す言葉として使われます。
また、具体的な内容をオブラートに包み、一連の対応としての感謝やお願いを伝えることができます。ビジネスシーンでは良く見かける表現ですので、この機会に「取り計らう」の意味と使い方をマスターしておきましょう。