追証(おいしょう)とは
追証(追加証拠金)とは、取引において委託保証金維持率が最低維持率を下回った場合、最低維持率に届くまでの不足金を、期日までに追加入金する制度です。
期日を過ぎても追証を入金しない場合、強制決済され、通常よりも高い手数料を支払うことがあるので注意しましょう。
FX業者では、追証なしのゼロカットシステムを採用している業者もあり、取引の際に損失が出ても業者が負担し損失をゼロにすることができます。
委託保証金維持率とは、約定代金に対して、投資家が株式の信用取引や発行日決済取引を行う際に、証券会社へ差し入れる担保の額の割合です。
委託保証金維持率は、信用取引を行う上で最も重要になります。相場全体が下落すると発生した損失額は委託保証金から差し引かれるため、維持率も低下することがあります。
追証が発生するタイミングはいつ?
信用取引やFXなどで、追証が発生するタイミングは、委託保証金維持率が、証拠金取引において定められている「最低維持証拠金」を下回る場合です。
委託保証金維持率は、以下の条件で低下します。
- 担保にしている株式の評価額が下がる
- 買い建てた株式が含み損となる
- 売り建てた株式が含み損となる
委託保証金維持率の発生を防ぐためには、委託保証金を差し出さないようにして、委託保証金維持率を高く保つことが重要です。また、委託保証金がどのように推移しているか確認すると良いです。
委託保証金維持率に余裕がなければ、最低維持証拠金を下回ってしまい追証が請求されるので、注意が必要です。取引を行う際は、余裕を持って、計画的に資金をコントロールするようにしましょう。
追証を避けるためには?
追証を避ける方法は、以下のとおりです。
①保証金を現金で差し出す
保証金はできるかぎり現金で差し出しておくことで、銘柄の含み損のみとなり、追証のリスクを減らすことができます。
「代用有価証券」を保証金にした場合、証券自体の価値が下がると、保証金の価値も低下し、追証のリスクが高くなるので注意しましょう。
②レバレッジをかける際は注意する
レバレッジを大きくかけることで、その分損失が発生し、追証となる可能性が高くなります。レバレッジをかける場合は、自己資金や相場を確認してから取引すると良いです。
また、レバレッジをかける金額を下げたり、保証金を多く入金することで余裕のある取引を行うことも大切です。追証を防ぐためには、限度額ギリギリの取引を避けるようにしましょう。
③損切りをすぐに行う
相場が大きく変動した際に、損失を拡大しないように、損切りを素早く行うことが重要です。委託保証金維持率の低下に注意し、計画的に資金を余裕を持って管理することで、追証を防ぐことができます。
追証の解決方法
追証を求められた際の解決方法は、以下のとおりです。
①一部の保有ポジションを決済する
追証の解決方法の1つ目は、一部の保有ポジションを決済し、整理することです。
ポジションの一部を決済することで、必要な委託保証金維持率を上げることができます。委託保証金維持率が上げることで、保有するポジションを維持することができます。
②追加で入金する
追証の解決方法の2つ目は、追加で入金することです。委託保証金維持率以上の金額を追加で入金することで、取引行う際余裕を持って計画的に行うことができます。
追証が払えない場合は?
追証が払えない場合は、以下のとおりです。
①保有ポジションを決済する
ポジションをマイナスのまま決済することになりますが、現在のポジションを決済します。
追証の支払いについて、追証の通知がきた場合に「追加を入金する」あるいは「現在のポジションを決済する」ことを考えて判断する必要があります。
②金融機関に相談する
金融機関へ連絡して相談する方法があります。
金融機関に相談をすることで、場合によっては分割して支払うことも可能です。分割して金額を支払う場合は、返済の期日までに支払う必要があります。
③専門機関に相談する
国民生活センターといった専門機関に相談することも方法のひとつです。国民生活センターでは、消費生活全般に対しての問い合わせに担当者が対応するため、追証が払えない場合は相談してみると良いでしょう。
国民生活センターの公式サイトは、こちらです。