為替レート(為替相場)とは
為替レートとは、「2つの通貨が取引されるときの価格」のことです。
為替レートを、具体例を使って解説します。
例えば、あなたはアメリカに旅行するとします。アメリカではドルが使われているため、まずは円をドルに換金しなくてはなりません。
そこで外貨両替所に行くと、「今日は1ドル=100円です」と説明されました。この「1ドル=100円」がすなわち為替レートのことです。
為替レートは、取引する通貨によって異なります。
また、為替レートは一定ではなく、その日によって変化します。これは変動相場制と言われる制度が取り入れられているためですが、詳しくは下記で解説します。
為替レートの種類
為替レートには、2つの種類があります。
- 対顧客取引の為替レート:個人が銀行と取引するときに使われる為替レートのことです。
- インターバンク取引の為替レート:銀行同士の取引で使われる為替レートのことです。
為替レートの仕組み・価格の決め方
為替レートでは、ある資産において、買い手の買いたい値段と売り手の売りたい値段がつり合うことで、価格が決まります。
このような価格の決まり方を、「変動相場制」といいます。
変動相場制を、例え話を使って解説します。
自分がスーパーの営業者だったとしましょう。とにかく利益を上げたいので、にんじん1本200円で売ります。でも、そんなに高かったら誰も買いませんよね。
そこで、買い手の買いたい値段と自分の売りたい値段をすり合わせて、一本30円まで下げたところ、よく売れるようになりました。これが変動相場制の仕組みです。
変動相場制の価格は、市場に参加する買い手と売り手の数によって、さらに変化します。
株式取引を例に出すと、2020年度の個人株式保有者数は、なんと5981万人もいると言われています。この数を見ても、市場には実にたくさんの買い手・売り手がいることが分かりますね。買い手の「買いたい値段」と売り手の「売りたい値段」は一人ひとり異なるので、日々値段が変化します。
また、「国の景気の状態や、国内情勢」「通貨同士の金利の違い」なども、日々価格に影響を与えています。
なぜ銀行によって為替レートが違うの?
為替レートが銀行によって異なる事情については、「銀行ごとに通貨を売りたい・買いたいという方針が異なる」ことが、原因の一つとして予想されます。
例えば、多くの銀行が1ドル=109円でレートを設定したとします。
A銀行では円の買い手が多いので、なるべくドルを買いたくない(円を売りたくない)と考えて、1ドル=110円にレートを設定しました。
このように、銀行ごとによって資金の事情が異なるために、それが為替レートの違いに現れているのです。