『虎穴に入らずんば虎子を得ず』の意味【由来・例文・反対語・類語・英語表現も解説】

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味と使い方

「虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)」という故事成語を知っていますか?

結論から言うと、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味は「危険を冒さなければ、大きな成功は獲得できないということ」です。

相手を激励したいときに活用できる故事成語です。例えば、仕事で悩みを抱える同僚や後輩を励ましたいときに使うことができます。

この記事では「虎穴に入らずんば虎子を得ず」意味はもちろん、由来や例文、類語、反対語、英語表現まで詳しく紹介していきます。

『虎穴に入らずんば虎子を得ず』の意味

虎穴に入らずんば虎子を得ず

読み:こけつにいらずんばこじをえず

意味:危険を冒さなければ、大きな成功は獲得できないということ

先述した通り、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味は「危険を冒さなければ、大きな成功は獲得できないということ」です。

『虎穴に入らずんば虎子を得ず』の由来

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の由来は、中国の歴史書である『後漢書』の班超伝の一節といわれています。

班超伝は、古代中国・後漢の武将である班超に関するエピソードのことです。班超伝の「虎穴に入らずんば虎子を得ず」にあたる一節は、班超が部下に言った言葉として記されています。

それでは『後漢書 班超伝』に記された「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の一節を見てみましょう。

・不入虎穴、不得虎子、

書き下し文

・虎穴に入らずんば、虎子を得ず、~

現代語訳(意味)

・虎の穴(住処)に入らなければ、虎の子を得ることはできない(危険を冒さなければ成功を獲得することはできない)、~

『虎穴に入らずんば虎子を得ず』の使い方と例文

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は、困難が生じたり、挑戦が必要な場面において、相手を勇気づけたり、鼓舞したりする際に使用する故事成語です。

ビジネスシーンにおいては、難易度が高いプロジェクトや業務に直面して、自信が持てない同僚や後輩にかけてあげる言葉として最適です。また自分自身が難題に直面した際に、自らを奮い立たせるために使用するのもおすすめです。

例文1.何をびびっているんだ?虎穴に入らずんば虎子を得ずというように、何事もやってみないと何も生まれないよ。

例文2.虎穴に入らずんば虎子を得ず。まずはやってみる、それが成功への第一歩さ。

例文3.このプロジェクトは今まで経験してきたなかで最も難しいと思う。虎穴に入らずんば虎子を得ず、挑戦あるのみだ!

例文4.虎穴に入らずんば虎子を得ず。積極的に敵陣に向かってこそ、勝機が見えてくるものさ。

例文5.虎穴に入らずんば虎子を得ずというだろう、慎重さは大事だが、挑戦することも重要だ。

『虎穴に入らずんば虎子を得ず』の類語

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の類語を2つ紹介します。

  1. 危ない橋も一度は渡れ
  2. 枝先に行かねば熟柿は食えぬ

1.危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)

「危ない橋も一度は渡れ」の意味は「成功するためには、時にリスクを冒して挑戦することも必要だということ」です。

「危ない橋も一度は渡れ」は、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と同様に、成功するためには、挑戦することが必要だということを示す故事成語です。

例文1.危ない橋も一度は渡れというだろう、あまり慎重すぎるのもよくないよ。

例文2.危ない橋も一度は渡れというように、成功を勝ち取るにはリスクを冒すことも必要だよ。

例文3.何が怖いの?危ない橋も一度は渡れ、挑戦しないと君が求める成功は得られないよ。

2.枝先に行かねば熟柿は食えぬ(えださきにいかねばじゅくしはくえぬ)

「枝先に行かねば熟柿は食えぬ」の意味は「欲しいものや良いものを手に入れようと思うなら、危険を恐れてはいけないこと」です。

「枝先に行かねば熟柿は食えぬ」は、枝先に行くという危険を冒さないと美味しく熟した柿は手に入らない様子を表したことわざです。

例文1.枝先に行かねば熟柿は食えぬというように、慎重すぎると成功できないよ。

例文2.枝先に行かねば熟柿は食えぬというだろう、同期より早く成功したいなら挑戦を恐れてはいけないよ。

例文3.必ず誰よりも先に昇進してやる。枝先に行かねば熟柿は食えぬ、リスクは覚悟の上で、大きなプロジェクトに対しても、臆せず積極的に挑戦していくつもりだ。

『虎穴に入らずんば虎子を得ず』の反対語(対義語)

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の反対語(対義語)を6つ紹介します。

  1. 石橋を叩いて渡る
  2. 命あっての物種
  3. 君子危うきに近寄らず
  4. 危ないことは怪我のうち
  5. 命を知る者は巌牆の下に立たず
  6. 棚から牡丹餅

1.石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)

「石橋を叩いて渡る」の意味は「用心の上にさらに用心深く物事に取り組むこと」です。

「石橋を叩いて渡る」は、非常に頑丈で壊れることがないように見える石橋ですら、壊れないか叩いて確認しながら渡る様子を表しています。念には念を入れて行動する様子を説明することわざです。

例文1.石橋を叩いて渡る、用心するに越したことはないよ。

例文2.石橋を叩いて渡るというように、どんなにささいなことでも見逃さないように注意してくれ。

例文3.そんなに簡単に決めて大丈夫?重要なことは石橋を叩いて渡るの精神で、用心に用心を重ねて検討したほうがいいよ。

2.命あっての物種(いのちあってのものだね)

「命あっての物種」の意味は「どんなことでも命があってこそできるのだということ」です。

「命あっての物種」の物種とは、物事の根源となるものを意味します。「命あっての物種」は、何事も命がなくてはできないことを表しています。

例文1.命あっての物種というだろう、無理をして身体を壊してしまったら、元も子もないさ。

例文2.たまには休んだら?命あっての物種だよ。

例文3.命あっての物種、仕事だけでなく、健康であることもビジネスパーソンとして重要なことだ

3.君子危うきに近寄らず(くんしあやうきにちかよらず)

「君子危うきに近寄らず」の意味は「教養があり品性が備わっている人は、自らを制し、危険な場所には近寄らないということ」です。

「君子危うきに近寄らず」の君子は、徳がある人、つまり教養や品性、気質が備わった人を指しています。

例文1.君子危うきに近寄らず、危ないなと感じたら近づかないことが重要だよ。

例文2.リスクを取ることもときには必要だが、むやみやたらに危険を冒すのは感心しないな。君子危うきに近寄らず、だよ。

例文3.君子危うきに近寄らずというだろう、何も考えずに挑戦するのはよくないと思うよ。

4.危ないことは怪我のうち(あぶないことはけがのうち)

「危ないことは怪我のうち」の意味は「危ないとわかっていることには、始めから近づくべきではないこと」です。

「危ないことは怪我のうち」は、危ないことに怪我は付き物であるという考えを表したことわざです。

例文1.危ないことは怪我のうち、危険だとわかっているところには、行かないほうが絶対にいいさ。

例文2.危ないことは怪我のうちというだろう、そんな一か八かの賭けはしないでくれよ。

例文3.危ないことは怪我のうちというように、リスクだと分かっているなら、やらないほうがいい。

5.命を知る者は巌牆の下に立たず(いのちをしるものはがんしょうのしたにたたず)

「命を知る者は巖牆の下に立たず」の意味は「自らの不注意で命を危険にさらすことなく、なすべきこと、やるべきことをまっとうすべきだということ」です。

「命を知る者は巖牆の下に立たず」は

  • 命を知る者:天命、つまり天から与えられた使命を知っている人
  • 巖牆:高くそそり立った塀、危険な場所の例え

で構成され、天命を知っている者はそれを果たすために、自分の命を危険にさらすような場所には行かないという様子を表した故事成語です。

例文1.命を知る者は巖牆の下に立たず、危ないとわかっているなら始めからやらないほうがいいよ。

例文2.命を知る者は巖牆の下に立たずというだろう、リスクなく進行できるならそのほうがいい。

例文3.命を知る者は巖牆の下に立たず、自分の能力を超えた賭けには乗らないのが一番さ。

6.棚から牡丹餅(たなからぼたもち)

「棚から牡丹餅」の意味は「何の努力もせずに、幸運や成功を手に入れること」です。

「棚から牡丹餅」は、何かを手に入れようと努力や苦労をせずに、ただ棚の前に寝転がり、口を開けて牡丹餅を待っている様子からできたことわざです。

「棚から牡丹餅」を縮めて、「たなぼた」と表現する場合もあります。

例文1.思いがけず、人気雑誌で自社の商品が特集された。まさに棚から牡丹餅、全シリーズ売り切れで売上大幅アップだ!

例文2.棚から牡丹餅というように、人数合わせで参加した合コンで彼女ができた。

例文3.棚から牡丹餅で、たまたま憧れの部署に空きが出て、入社2年目にして配属された。

『虎穴に入らずんば虎子を得ず』の英語表現

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現を紹介します。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現は、「Nothing ventured, nothing have.」です。直訳は「危険を冒さずに得られるものはなし」です。

  • nothing:(否定語)何も~ない
  • venture:(動詞)~を危険にさらす
  • have:(動詞)~を持つ、所有する

という単語で構成されています。否定語nothingによって、ventureとhaveを否定している点がポイントです。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の定型表現として、しっかりおさえましょう。

まとめ

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は有名な故事成語です。成功を得るための考え方として、特にビジネスシーンに活用できる言葉です。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味はもちろん、由来や使い方、類語、対義語、英語表現までマスターして、ご自身のビジネスシーンに活かしてくださいね。

①「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味

・危険を冒さなければ、大きな成功を獲得すること

②「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の由来

・中国の歴史書『後漢書』の班超伝の一節

③「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の使い方と例文

・何をびびっているんだ?虎穴に入らずんば虎子を得ずというように、何事もやってみないと何も生まれないよ。

・虎穴に入らずんば虎子を得ず。まずはやってみる、それが成功への第一歩さ。

・このプロジェクトは今まで経験してきたなかで最も難しいと思う。虎穴に入らずんば虎子を得ず、挑戦あるのみだ!

・虎穴に入らずんば虎子を得ず。まずは敵陣に向かってこそ、勝機が見えてくるものさ。など

④「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の類語

・危ない橋も一度は渡れ

・枝先に行かねば熟柿は食えぬ

⑤「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の反対語(対義語)

・石橋を叩いて渡る

・命あっての物種

・君子危うきに近寄らず

・危ないことは怪我のうち

・命を知る者は巌牆の下に立たず

・棚から牡丹餅

⑥「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の英語表現

・Nothing ventured, nothing have.