ミイダスの年収査定は嘘?「市場価値」のカラクリを解説

ミイダスとは、自分の市場価値がわかるサービスとして近頃注目度が高まっている転職サービスです。

利用する中で、

  • ミイダスはどのように「市場価値」を算出しているのか?
  • その「市場価値」は本当に実際値に近いのか?

このような疑問が生まれると思います。

結論から言うと、ミイダスの「市場価値分析」は嘘ではないです。しかし、算出方法が公表されていないため、どこまで信じるべきか判断に困るところ。

なにより、ミイダスの本当の価値は「市場価値分析」以外にあります。

この記事では、元転職エージェントが、ミイダスの「市場価値分析」の実態を徹底的に分析・解説します。


ミイダスとは

ミイダスの評判と特徴

ミイダスとは、転職エージェント業界2位のパーソルキャリアが運営している転職サイトです。パーソルキャリアは、dodaも運営しているので、知っている人は多いと思います。

ミイダスは、300万人の転職データから自身の市場価値を分析できる機能を最大の売りにしています。企業登録社数も50,000社以上を誇っており、企業から面接確約オファーを受け取ることもできます。

ミイダスの市場価値分析とは

ミイダスでは、300万人の転職データをもとに登録者と類似しているユーザーの「オファー年収実績」を分析することで、登録者の想定オファー年収を算出します。

ミイダスの市場価値分析の判断項目

ミイダスの市場価値分析の判断項目は、下記の通りです。

これらはミイダスに登録する際に入力する内容です。この入力項目からわかる通り、ミイダスは割と表面的なデータから市場価値を分析しています。

  • 基本情報:性別/生年月日/在住地(都道府県)/第一言語/最終学歴(学校名・学部・卒業年度)
  • 転職履歴:6ヶ月以上の離職経験の有無/経験社数
  • 在職状況:入社年月・退職年月
  • 直近の勤務先:会社名/業種/従業員規模/雇用形態/年収/経験職種(年数)/マネジメント経験
  • 職種にまつわること:職種によって変わります(営業の場合、新規か既存か、ルート営業か提案営業か、担当顧客の規模・業種取扱商材、取り扱い商材の単価/達成率など)
  • 資格・スキル:語学力/Excelスキル/自動車免許/その他資格

疑問:ミイダスの市場価値分析で算出される想定年収は高い?

ミイダスの市場価値分析で提示される想定年収は高い傾向があります。

例えば、最初に「性別」「生年月日」「都道府県」を入力しただけで、オファー年収実績が「529万円」と表示されます。

ミイダス市場価値

その後、「これまで、6ヶ月以上の離職を経験されたことはありますか?」という設問に「いいえ」と回答するだけでオファー年収実績が124万円上昇し「653万円」と表示されます。

ミイダス市場価値

ちなみに、「東京都/25歳/人材紹介会社/法人営業/年収400万円後半/マネジメント経験なし」の友人がミイダスの市場価値分析を行なったところ、オファー年収実績が「796万円」になりました。

ミイダス市場価値

上記の通り、ミイダスではなかなか現実的ではない高い年収が提示されることが多いです。

これだけを見ると、ミイダスは想定年収を適当に算出したり、嘘の想定年収を提示しているように思えます。

しかし、ミイダスは嘘の市場価値を提示している訳ではありません。ミイダスの想定年収が高いのには、しっかりとしたカラクリがあります。


想定年収が高く表示されるカラクリ:内定時の年収ではない

ミイダスが提示する想定年収は、「実際に届いているオファーの平均年収であり、実際に内定後に提示された年収の平均ではない」です。

ミイダスの「オファー」という言葉は、「内定」を意味していません。ミイダスの言う「オファー」とは、「面接が決まった」ということです。

つまり、「オファー年収の平均」という言葉を分かりやすく言い換えると、「面接案内の連絡がきている求人の年収帯の平均」という意味でしかないのです。

求人の年収帯にもカラクリがある

ミイダス市場価値

ミイダス掲載の求人は想定年収を「400〜700万円」「300〜500万円」と幅を持たせて記載します。なかには、540〜3000万円など、非常に振り幅が大きい求人もあります。

これは転職業界ではよくあることですが、採用企業は求人の「見栄え」のために、年収の上限を現実的ではない数字に設定します。

つまり、適正年収400万円の登録者に対しても「想定年収400〜700万円」で求人オファーを送っている場合があります。

そのため、オファー年収の平均を試算する際、現実的ではない高い平均が算出されてしまうのです。

まとめ

「オファー求人の年収帯の平均」は、現実的ではない「年収上限」も混ざった振り幅の大きい年収帯の平均になる。そのため、ミイダスのオファー年収は高く表示されることがある。

ミイダスの市場価値分析は鵜呑みにしない方が良い

ミイダスの市場価値分析結果は「嘘」ではないものの、実際値ではないので、あくまでも「参考値」程度にしかなりません。

先述したとおり、ミイダスのオファー年収とは、「現実的ではない求人の年収上限まで算入した平均額」であり、「内定時の実際に決定した年収ではなく、求人の想定年収」です。

ミイダスの提示する「市場価値」とは

以上を踏まえて、ミイダスの「市場価値」は、「ミイダスに掲載されている求人の中で、どれくらいの年収帯のオファーが来ると想定されるか」ということになります。

そのため、このミイダスの「市場価値」は参考値にはなりますが、実際値ではないです。一喜一憂せずに、参考程度に捉えるのが一番良いと思います。

ミイダスの本当の価値は「市場価値分析」以外にある

では、ミイダスは「意味のないサービス」なのでしょうか。

そんなことはありません。ミイダスの市場価値分析とは、あくまでも集客するための「広告」のようなもの。ミイダスのサービス自体は非常に良く作り込まれており、コンセプトもとても面白いです。

特に、ミイダスを利用するべき本当の価値は下記3点。

  1. 自己分析ツール
  2. 自身のコンピテンシーとパーソナリティーに合う企業と出会える
  3. 「可能性の資産」を溜められる


1.自己分析ツール

ミイダスでは、コンピテンシー診断とパーソナリティー診断を受験することができます。これらは、個人の職務特性や人としての個性、コンディションを明らかにするもの。

自分では気づいていない自身の職務適正や個性、コンディションが明らかになるため、自己分析ツールとしては非常に有用性が高いです。

2.自身のコンピテンシーとパーソナリティーに合う企業と出会える

コンピテンシー診断とパーソナリティー診断の結果は企業も見ることができます。コンピテンシーやパーソナリティーは絶対的なものではありません。業界、職種、企業、部署によって、適しているコンピテンシーやパーソナリティーは異なります。

ミイダスでオファーがあるということは、「その企業や部署で活躍している人材と特性が似ている」というお墨付きをもらうということ。

つまり、自分では決して見つけることができない「活躍可能性の高い」企業から勝手にオファーがくるというサービスがミイダスなのです。

3.「可能性の資産」を溜められる

ミイダスでは、企業から面接確約のオファーメールが届きます。他の転職サービスとミイダスの決定的な違いは、オファーメールに返信期限がないということ。

つまり、「思い立ったら面接に行ける企業」がどんどん蓄積されるということです。オファーメールの蓄積数が、自分自身の「可能性の資産」になるのです。

これまでの転職は、「自己都合」で転職を行うことが常でした。自身に「転職したい」という理由があり、その度に求人を探すやり方です。

しかし、ミイダスは「マーケット都合」で転職ができるというコンセプトを持っています。「面接に行ける企業」を蓄積しておいて、良い企業があったら試しに面接に行く。ミイダスを利用すれば、そんな新しい転職の形を実現することができるのです。