国内最大手の飲料メーカーであるサントリー。この記事では、そんなサントリーの年収を「年齢別」「役職別」「競合他社比較」で詳しく解説します。
そもそもサントリーグループとは?
サントリーグループは、サントリーホールディングスを親会社に337社が所属している企業群です。
サントリーは、各事業ごとに分社化しています。
例えば、『CCレモン』や『ボス』、『伊右衛門』などの清涼飲料水を扱っているのは、サントリー食品インターナショナルを中心とした複数の企業。『金麦』や『プレミアムモルツ』などのビール系飲料を扱っているのはサントリービール。
分社化しているため、サントリーグループの平均年収は会社ごとに異なり、会社によっては、平均年収に大きな差があります。
この記事では、有価証券報告書を提出している「サントリーホールディングス」と「サントリー食品インターナショナル」の平均年収を中心に解説していきます。
サントリーホールディングスの平均年収
サントリーホールディングスの平均年収は1,146万円です。国税庁の民間給与実態統計調査によると平均年収は432万円なので、サントリーホールディングスの平均年収は2.6倍以上だということがわかります。
- サントリーホールディングスの平均年収:1,146万円
- 平均年収:432万円
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サントリーホールディングスは、事業会社ではなく純粋持株会社です。私たちがよく知るサントリーの食品や飲料の開発・製造・販売などの事業を運営しているのは、サントリーホールディングスの子会社群です。
サントリーホールディングスは、グループ全体の経営戦略の策定・推進や、コーポレート機能を果たしています。そのため、従業員数も少なく、また高給職が多いため、平均年収が非常に高いです。
サントリーホールディングスの平均年収の推移
サントリーホールディングスの最新の有価証券報告書を見ると、右肩上がりに平均年収が増加していることがわかります。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
2018年 | 1,146万円 | 44.4 | 18.8 | 434 |
2017年 | 1,126万円 | 43.4 | 18.2 | 449 |
2016年 | 1,065万円 | 43.0 | 17.9 | 438 |
2015年 | 1,040万円 | 42.8 | 17.6 | 442 |
2014年 | 1,032万円 | 42.9 | 17.8 | 437 |
2013年 | 986万円 | 42.3 | 16.9 | 448 |
出典:有価証券報告書
サントリーホールディングスは非上場企業です。一方で、子会社の『ダイナック』が東証二部、『サントリー食品インターナショナル』が東証一部に上場しています。
サントリーホールディングスは非上場企業でありながら、毎年度有価証券報告書を提出しています。その理由は、「社債」を発行しているから。有価証券という言葉には、株式だけではなく、社債などの債権も含まれています。サントリーホールディングスは社債を大量に発行しているため、上場していなくても有価証券報告書を提出する義務があるのです。
サントリー食品インターナショナルの平均年収
サントリー食品インターナショナルの平均年収は1,061万円です。国税庁の民間給与実態統計調査によると平均年収は432万円なので、サントリー食品インターナショナルの平均年収は2.4倍以上だということがわかります。
- サントリー食品インターナショナルの平均年収:1,146万円
- 平均年収:432万円
サントリー食品インターナショナルの平均年収の推移
サントリー食品インターナショナルの最新の有価証券報告書を見ると、年々平均年収が増加していることがわかります。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
2018年 | 1,061万円 | 40.2 | 14.9 | 508 |
2017年 | 1,085万円 | 39.6 | 14.5 | 503 |
2016年 | 1,014万円 | 39.8 | 14.3 | 482 |
2015年 | 982万円 | 39.0 | 13.9 | 503 |
2014年 | 969万円 | 39.0 | 13.6 | 482 |
2013年 | 953万円 | 38.0 | 12.9 | 468 |
出典:有価証券報告書
サントリーグループの年代別の平均年収
サントリーグループの年代別平均年収の推定値を算出しました。
各子会社ごとに平均年収に差があるので、推定値に幅があります。20代から高年収が約束されており、30代で1,000万円に到達するというイメージです。
年齢 | 平均年収 |
50代 | 800万円〜1,200万円以上(推定) |
40代 | 700万円〜1,100万円(推定) |
30代 | 500万円〜1,000万円(推定) |
20代 | 400万円〜700万円(推定) |
サントリーグループの役職別の平均年収
サントリーグループの役職別平均年収の推定値を算出しました。
こちらも年代別の平均年収と同様、各子会社ごとに平均年に差があるため、推定値に幅があります。メンバークラスでも年収700万円をもらうこともできるため、総じて高年収です。課長クラスになると、1,000万円を超えてくると推定できます。
役職 | 平均年収 |
部長クラス | 900〜1,400万円以上(推定) |
課長クラス | 700万円〜1200万円(推定) |
係長クラス | 500万円〜900万円(推定) |
メンバークラス | 400万円〜700万円(推定) |
サントリーの子会社の平均年収
サントリーホールディングスやサントリー食品インターナショナルの年収をご紹介しました。しかし、サントリーグループの中でもこの2社は例外的に年収が高く、その他のサントリーグループ企業の年収とは差があります。
とはいえ、サントリーは日本最大規模のグループ会社であるため、子会社の中にも高年収企業はありますのでご確認ください。(下記の平均年収は、2019年の有価証券報告書、口コミなどを独自に集計・算出しました)
No. | 社名 | 平均年収 |
1 | サントリーホールディングス | 1,146万円 |
2 | サントリー食品インターナショナル | 1,061万円 |
3 | サントリーフーズ | 710万円(推定) |
4 | サントリーコーポレートビジネス | 700万円(推定) |
4 | ハーゲンダッツ | 700万円(推定) |
6 | サントリービール | 600万円(推定) |
7 | ダイナック | 557万円(前年度) |
8 | サントリープロダクツ | 500万円(推定) |
9 | サントリースピリッツ | 450万円(推定) |
10 | ジャパンビバレッジ | 400万円(推定) |
①サントリーホールディングス
サントリーホールディングスの平均年収は1,146万円です。
サントリーホールディングスとは、サントリーグループ全体を統括する企業です。純粋持株会社として、サントリーグループ全体の経営戦略立案・実行やコーポレートを担っています。
②サントリー食品インターナショナル
サントリー食品インターナショナルの平均年収は1,061万円です。
サントリー食品インターナショナルとは、サントリーグループ内の清涼飲料水の開発・企画などを行う企業です。2009年にサントリーがホールディングスへ移行するにあたり、国内外食品事業を継承する形で設立されました。
私たちに馴染み深い清涼飲料水を扱う「サントリー」とは、サントリー食品インターナショナルのことです。サントリー食品インターナショナルは中間持株会社としての機能もあり、販売機能を担うサントリーフーズやジャパンビバレッジなどを子会社に持っています。
③サントリーフーズ
サントリーフーズの平均年収は約710万円です。
サントリーフーズとは、サントリー飲料の販売、ミネラルウォーターの宅配事業を行う企業です。2011年にサントリー食品インターナショナルの機能子会社になりました。
④サントリーコーポレートビジネス
サントリーコーポレートビジネスの平均年収は約700万円です。
サントリーコーポレートビジネスとは、酒類・食品販売、サントリーグループ商材の提案、商業施設での付加価値提案・料飲店への物件紹介などを行う企業です。
④ハーゲンダッツ
ハーゲンダッツ・ジャパンの平均年収は約700万円です。
ハーゲンダッツ・ジャパンとは、アイスクリームの製造・輸入・販売する企業。1984年にオランダ法人のハーゲンダッツ・ネザーランド、サントリー、高梨乳業により設立された合弁会社です。
⑥サントリービール
サントリービールの平均年収は約600万円です。
サントリービールとは、サントリーグループのビール事業を担う企業です。金麦やプレミアムモルツを製造販売しています。2009年にサントリーが持株会社へ移行したことにより、ビール事業が「サントリー酒類」に引き継がれました。
その後、組織再編により、さらにビール事業が再子会社化され、サントリービールが誕生しました。
⑦ダイナック
ダイナックの平均年収は557万円(前年度)です。
ダイナックとは、バーレストラン事業や、運営ノウハウを活かしたレストランの受託運営事業。各種イベント・パーティの企画運営事業などを行う企業です。全国に254店舗の店・施設を展開しています。東証二部に上場企業です。
有価証券報告書によると、現在はホールディングス制に移行しており、ダイナック本体には11人しか従業員がいません。11人の平均年収は723万円ですが、実態に即していません。昨年のホールディングス化前のダイナックの平均年収が557万円でしたので、こちらの数値を利用いたしました。
⑧サントリープロダクツ
サントリープロダクツの平均年収は約500万円です。
サントリープロダクツとは、サントリーグループの清涼飲料水を製造する企業です。2009年、サントリーの持株会社移行にともなって設立されました。2015年にサントリー食品工業、日本ペプシ製造を吸収合併しました。
⑨サントリースピリッツ
サントリースピリッツの平均年収は約450万円です。
サントリースピリッツとは、サントリーグループのウイスキーを製造している企業です。角瓶や白州、山崎、響などのウイスキーを製造し、日本のウイスキーブームを牽引してきました。現在は需要増大に対して生産が追いつかず、山崎や白州、響などの供給量を減らしています。
⑩ジャパンビバレッジ
ジャパンビバレッジの平均年収は約400万円です。
ジャパンビバレッジとは、自動販売機オペレーター(自動販売機での清涼飲料水の販売・自動販売機の維持、管理)を行う企業です。販売機保有台数は約25万台、自動販売機専業オペレーターとしては日本1位の企業です。
サントリーと競合他社を比較
2019年に公表された有価証券報告書をもとに飲料メーカーの平均年収ランキングを作成いたしました。サントリーホールディングスの平均年収は2位に位置しています。その他、気になる数値をまとめています。
売上高で見ると、サントリーは断トツで1位です。しかし、平均年収では、サントリー、キリン、アサヒの3社で大きな差はありません。
企業名 | 平均年収 | 売上高 | 一人あたりの役員報酬 | 転職人気ランキング |
キリンホールディングス | 1,158万円 | 1兆9,305億円 | 約8,940万円 | 87位 |
サントリーホールディングス | 1,146万円 | 2兆7,341億円 | 非公表 | 13位 |
アサヒホールディングス | 1,093万円 | 1兆8,903億円 | 約1億500万円 | 83位 (アサヒビール) |
サッポロホールディングス | 856万円 | 5,105億円 | 約2,700万円 | 100位圏外 |
出典:有価証券報告書
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サントリーに転職するためには
サントリーの転職難易度は高いです。「社会人が選ぶ転職人気企業ランキングでも常に上位にランクインしており、サントリーを志望している方は、事前準備が重要になります。
サントリーに転職するために知っておくべきこと
サントリーに転職をするために知っておくべきことは、3つあります。
- キャリアシステム
- 募集が非常に少ない
- 転職エージェントを利用する
1.キャリア登録システム
サントリー食品インターナショナルには、「キャリア登録システム」(リンク先ページ最下部)が存在します。(サントリーホールディングスにはありません)
サントリー食品インターナショナルの採用ページで自身のキャリアを登録しておくと、サントリー食品インターナショナルの採用担当者があなたのキャリアを閲覧します。そして、「この人と会いたい」と採用担当者が思えば、面接へのオファーメッセージが届きます。
一般公開されている求人の中に興味のあるものや、自身の経験とマッチするものがなかった場合でも、キャリアを登録しておけば、非公開求人の打診を行ってくれる可能性があります。したがって、サントリー食品インターナショナルに興味を持っている方は、必ずサントリー食品インターナショナルのキャリア登録システムを活用しましょう。
2.中途採用の募集が非常に少ない
サントリーホールディングス、サントリー食品インターナショナル共に、中途採用の募集が非常に少ないです。全く募集していないことも多く、募集が始まったとしても片手で数える程度の求人しかありません。
したがって、サントリーへの転職難易度は非常に高いことに加えて、常に募集の情報収拾を行う必要があります。サントリーへ転職したい方は、キャリア登録制度に登録することはもちろん、転職エージェントを利用することも必須です。
3.転職エージェントを利用する
転職エージェントとは、求人紹介や履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、面接の日程調整、面接後の条件交渉などを担当のキャリアアドバイザーがサポートしてくれる無料サービスです。
サントリーの場合、転職難易度が非常に高いので、万全な準備が求められます。転職エージェントでは、サントリーの求人紹介はもちろん、サントリーから内定を貰うための面接対策を行ってもらえるため、転職エージェントを利用した方が内定確度は高まるでしょう。
加えて、サントリーは、転職エージェントに「非公開求人」を掲載している可能性が高いです。サントリーのような人気企業が求人を出すと応募者が殺到しやすいため、一般には公開しない「非公開求人」を転職エージェントに発注します。
そのため、「一般公開されている求人は合わないな」と思っていたとしても、転職エージェントに行けば、あなたに合うサントリーの求人が多数掲載されている可能性があります。
- リクルートエージェント:転職支援実績No.1
- JACリクルートメント:ハイクラス転職実績No.1
- パソナキャリア:転職サポートの質が高い
まとめ
サントリーホールディングスの平均年収は総じて高いです。グループ会社のサントリー食品インターナショナルの平均年収も1,000万円を超えています。
高年収であり、職場環境も良いため、転職先として人気なのも納得ですね。
■まとめ
・サントリーホールディングスの平均年収
1146万円
・サントリー食品インターナショナルの平均年収
1061万円
・平均年収ランキング
サントリーホールディングス:42位
サントリー食品インターナショナル:53位
・サントリーグループの年齢別の平均年収
50代:800万円〜1,200万円以上(推定)
40代:700万円〜1,100万円(推定)
30代:500万円〜1,000万円(推定)
20代:400万円〜700万円(推定)
・サントリーグループの役職別の平均年収
部長クラス:900〜1,400万円以上(推定)
課長クラス:700万円〜1200万円(推定)
係長クラス:500万円〜900万円(推定)
メンバークラス:400万円〜700万円(推定)
・サントリーグループの平均年収
サントリーホールディングス:1,146万円
サントリー食品インターナショナル:1,061万円
サントリーフーズ:710万円(推定)
サントリーコーポレートビジネス:700万円(推定)
ハーゲンダッツ:700万円(推定)
サントリービール:600万円(推定)
ダイナック:557万円(前年度)
サントリープロダクツ:500万円(推定)
サントリースピリッツ:450万円(推定)
ジャパンビバレッジ:400万円(推定)
・サントリーに転職するために知っておくべきこと
①キャリアシステム
②募集が非常に少ない
③転職エージェントを利用する