コロナ渦で利用が増加したオンラインサービス。そんなオンラインサービスの利用に欠かせないのが口コミです。
「口コミの評価がよかったから買ってみたけど、いまいち…やっぱり実物を見たほうがよかった」といった、まさに「百聞は一見に如かず」の経験をした人も多いのではないでしょうか?
「百聞は一見に如かず」の意味は「人から何度も聞くより、一度であっても自分の目で実際に見るほうが、確実でよくわかること」です。
この記事では「百聞は一見に如かず」の意味はもちろん、由来や使い方、類語、英語表現まで詳しく解説していきます。
コロナ渦で日常生活だけでなく、ビジネスにおいてもオンラインサービスを利用する機会が増えています。人や社会との距離が遠くなっている今だからこそ、ビジネスシーンにおいて「百聞は一見に如かず」がきっと役立つはずです。
「百聞は一見に如かず」の意味
百聞は一見に如かず
読み:ひゃくぶんはいっけんにしかず
意味:人から何度も聞くより、一度であっても自分の目で実際に見るほうが、確実でよくわかること
先述した通り、「百聞は一見に如かず」の意味は「人から何度も聞くより、一度であっても自分の目で実際に見るほうが、確実でよくわかること」です。
「百聞は一見に如かず」は
- 百聞:何度も聞くこと
- 一見:一度見ること
という用語で構成されています。「百聞」は「百回聞く」ことではないので、注意しましょう。
「百聞は一見に如かず」の由来は『漢書』
「百聞は一見に如かず」の由来は、中国の歴史書である『漢書』の「趙充国伝」の一節といわれています。「趙充国伝」は古代中国・前漢の将軍、趙充国について記された歴史書です。
それでは「趙充国伝」の一節を見てみましょう。
・充国曰、「百聞不一見如。兵難踰度。~
書き下し
・充国曰く、「百聞は一見に如かず。兵は踰に度り難し。~
現代語訳(意味)
・充国が言うには、「百聞は一見に如かず。現場(の兵)から遠く離れたこの地で、現在の戦況を予測することは難しいのです。~
「百聞不如一見」は現代中国の故事成語
「百聞は一見に如かず」の由来である「百聞不如一見(※)」は、現代の中国においても成語として使用されています。成語とは、中国の故事成語のことです。
「百聞不如一見」は、中国の成語の中でも有名な表現のひとつです。先述した通り、「百聞は一見に如かず」と同様に「百聞不如一見」の由来も、古代中国の歴史書「漢書 趙充国伝」の一節です。
現代中国において、成語を日常的に使うことは、その人の教養性の高さを表すといわれています。
「百聞不如一見」も「百聞は一見に如かず」と合わせて、おさえておきましょう。
※「聞」と「見」は簡体字(かんたいじ)を使用
「百聞は一見に如かず」の例文と使い方
「百聞は一見に如かず」は、自分で見て行動することの重要性や必要性を説く故事成語です。
ビジネスシーンにおいては、実際に自分が関わるプロジェクトや商品を見ることの重要性を人に伝えたいときに使用します。
後輩や新人の指導を任されたときに、自らの経験も合わせて「百聞は一見に如かず」を使うといいでしょう。
例文1.実物も見ずに、プロモーションを考えるなんて無理があるよ。百聞は一見に如かず、一度自分の目で実物見てきたら?
例文2.今度のイベントの会場まだ決まってないの?百聞は一見に如かず、一度候補会場へ足を運んで、自分の目で確かめてきなよ。
例文3.次の商品企画、全然ダメ。ターゲットのニーズわかってる?百聞は一見に如かず、本当のユーザーニーズはデータだけじゃなくて、街に出て実際の声をきかないとわからないのよ。
例文4.百聞は一見に如かずというだろう、先輩や同期に話を聞くだけじゃなくて、実際に、街を歩いて自分の足でマーケットを見ることも必要だよ。
例文5.百聞は一見に如かず。私が仕事をする上で、一番大切にしている考えです。
「百聞は一見に如かず」の類語
「百聞は一見に如かず」の類語は、「論より証拠」です。
「論より証拠」の意味は、「口頭で議論するよりも、主張の根拠となる証拠を提示したほうが物事が明確になること」です。
「論より証拠」は「百聞は一見に如かず」と同様に、ビジネスシーンで使用される機会が多い故事成語です。
例えば、下記のように同僚や後輩にデータ・数値、資料作成の必要性を説明するときに使用します。
例文1.企画書見たけど、いまいち説得力がないな。論より証拠というように、データをしっかり入れ込んだほうが、わかりやすいし通りやすいと思うよ。
例文2.論より証拠。無用な議論を生まないためにも、議題に沿ったデータはそろえておいたほうがいいよ。
例文3.この会議では、5時間も同じ議論を繰り返している。論より証拠、何か決定的なデータはないのか。
例文4.君の熱意は伝わった。しかし論より証拠というだろう、そのターゲティングが正しいという根拠はなんだい?
例文5.論より証拠、新しい施策を打ちたいのなら、その根拠となるデータをしっかり提示してください。
「百聞は一見に如かず」の四文字熟語
「百聞は一見に如かず」には四文字熟語の表現、「百聞一見」があります。
意味は「百聞は一見に如かず」と同様に、「何度も聞くより、実際に一度見たほうが確かであること」です。
例文1.百聞一見というように、自分の目で現場を見なければ何もわからないよ。
例文2.もしかして、ずっとデスクの上だけで仕事してるの?百聞一見、街に足を運んでこそ見えるものがあると思うけど。
例文3.百聞一見って知ってるかい?そうやって口コミの情報にばかり頼らないで、実際に自分で商品を試しに行ったら?
「百聞は一見に如かず」の英語表現
「百聞は一見に如かず」の代表的な英語表現は、「Seeing is believing」です。非常にシンプルな英文で、使用されている単語のレベルも基本的なものなので、しっかり覚えてください。
「Seeing is believing」は、英文の第三文型SVCにあたる英語構文です。
- Seeing:【主語・S】(名詞)
- is:【動詞・V】(be動詞)
- believing:【補語・C】(形容詞)
この英文は動詞「see」「believe」を、それぞれ動名詞にして英文を構成しています。
まとめ
「百聞は一見に如かず」は、非常に有名な故事成語です。その意味だけでなく、由来や使い方、類語、英語表現までおさえることで、さまざまなビジネスシーンに活かすことができます。
「百聞は一見に如かず」をマスターして、ビジネスパーソンとしての教養を深めてください。
①「百聞は一見に如かず」の意味
・人から何度も聞くより、一度であっても自分の目で実際に見るほうが、確実でよくわかること
②「百聞は一見に如かず」の由来
・中国の歴史書『漢書』の「趙充国伝」の一節「百聞不如一見~」より
③「百聞は一見に如かず」の使い方と例文
・実物も見ずに、プロモーションを考えるなんて無理があるよ。百聞は一見に如かず、一度自分の目で実物見てきたら?
・今度のイベントの会場まだ決まってないの?百聞は一見に如かず、一度候補会場へ足を運んで、自分の目で確かめてきなよ。
・次の商品企画、全然ダメ。ターゲットのニーズわかってる?百聞は一見に如かず、リサーチはデータだけじゃなくて、街に出て実際の声をきかないとわからないのよ。など
④「百聞は一見に如かず」の類語
・「論より証拠」
⑤「百聞は一見に如かず」の英語表現
・「Seeing is believing」