毎日残業があるのは、おかしい?
平均的な残業時間が知りたい。
私は元リクルートの転職エージェントとして、数多くの企業を見てきました。月の残業時間が100時間を超える会社や残業がゼロの会社など。
ですが、平均残業時間のデータを見ると、毎日残業があるのはおかしいことではありません。むしろ、残業がゼロの会社は珍しいです。
この記事では「毎日残業があるのはおかしい?」だけではなく、「毎日残業から抜け出す方法」についても解説します。
毎日残業があるのはおかしい?
「毎日残業があるのはおかしい!」と思っている人が多いですが、ほとんどの会社で毎日残業しているのが事実です。
そのため、毎日残業があるのはおかしくなく、一般的と言えます。
実際に、平均残業時間のデータを見てみましょう。
平均残業時間のデータ
dodaが2020年4〜6月の15,000人を対象に行った調査によると、平均残業時間は「20.6時間/月」となっています。
20.6時間(平均残業時間) ÷ 20日(営業日)=1.03時間
つまり、1日あたり1時間程度の残業は平均的ということがわかります。
コロナの影響で残業時間は短くなってきている
2020年4〜6月の平均残業時間は「20.6時間」でしたが、同年の1〜3月の平均残業時間は「28.1時間」です。
つまり、コロナの影響で平均残業時間が「7.5時間」も短くなっているのです。
コロナの影響でリモートワークが当たり前になり、通勤や訪問営業などの移動時間が削られたことが主な要因と言われています。
残業が少ない職種と多い職種
dodaが2020年4〜6月の15,000人を対象に行った調査から、残業が少ない職種と多い職種を紹介します。
残業が少ない職種
「事務/アシスタント系」の職種は、残業時間が短いことがわかります。
この傾向は、コロナ以前も同様で、「事務/アシスタント系」の職種は安定的に残業時間が少ないことがわかります。
順位 | 職種 | 残業時間/月 |
1 | 営業事務アシスタント | 9.2時間 |
2 | 医療事務アシスタント | 10.7時間 |
3 | MR | 11.8時間 |
4 | 薬事 | 12.5時間 |
5 | 一般事務アシスタント | 12.7時間 |
6 | 経理/財務アシスタント | 13.2時間 |
7 | 店舗/施設管理/店舗開発 | 13.2時間 |
8 | 秘書/受付 | 13.9時間 |
9 | 企画/マーケティング関連事務アシスタント | 13.9時間 |
10 | 内部監査 | 14.6時間 |
11 | 金融事務アシスタント | 14.8時間 |
12 | 旅行/宿泊/ホテル/冠婚葬祭関連職 | 14.8時間 |
13 | 販売/接客/売り場担当 | 15.3時間 |
14 | 学術/メディカルサイエンスリエゾン | 15.4時間 |
15 | 人事事務アシスタント | 15.5時間 |
16 | 貿易事務アシスタント | 15.7時間 |
17 | 金融業界の個人営業 | 16.4時間 |
18 | 品質管理/品質保証(素材/化学/食品系) | 16.4時間 |
19 | 総務/法務/知財/広報事務アシスタント | 16.4時間 |
20 | 電機メーカーの営業 | 16.5時間 |
残業が多い職種
順位 | 職種 | 残業時間/月 |
1 | 教育/スクール | 38.6時間 |
2 | 施工管理 | 36.9時間 |
3 | 人材サービスの営業 | 30.8時間 |
4 | 物流/倉庫/在庫管理 | 28.0時間 |
5 | 設計監理/施工監理/コンストラクションマネジメント | 28.0時間 |
6 | 総合商社の営業 | 27.7時間 |
7 | 建設/不動産の営業 | 27.5時間 |
8 | ITコンサルタント(アプリ) | 27.2時間 |
9 | サーバーエンジニア | 26.5時間 |
10 | IT/通信/インターネットの営業 | 26.2時間 |
11 | 回路設計 | 25.8時間 |
12 | 法務/知的財産/特許 | 25.7時間 |
13 | 広告/メディアの営業 | 25.5時間 |
14 | 設計/デザイン/積算/測量 | 25.5時間 |
15 | 基礎研究 | 25.4時間 |
16 | プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連) | 25.2時間 |
17 | 組み込みエンジニア | 25.2時間 |
18 | 研究(医療系) | 25.1時間 |
19 | 運輸/物流サービス | 24.8時間 |
20 | 研究開発/R&D(IT/通信) | 24.3時間 |
毎日残業から抜け出す方法
平均残業時間は「20.6時間/月」なので、ほとんどの会社で毎日残業していることがわかりました。
でも、できれば毎日残業はしたくないですよね。
私も残業が大嫌いだったので、なるべく残業しないようにいろいろな工夫をしていました。ここでは、毎日残業から抜け出すための方法を紹介します。
毎日残業から抜け出す方法①:仕事の生産性を上げて定時で帰る
これが一番現実的な方法です。
そもそも、残業が発生する理由は「仕事が定時までに終わらないから」です。当たり前のことですが、仕事の生産性を上げれば、定時までに仕事が終わり、残業せずに帰ることができます。
仕事の生産性を上げるために重要なことを4つに絞って解説します。
- 残業ありきではなく、定時ありきのスケジュールを立てる
- 午前中に大事な仕事を終わらせる
- 優秀な先輩を徹底的にまねる
- 日々の業務はテンプレ化する
残業ありきではなく、定時ありきのスケジュールを立てる
毎日残業している人は、残業ありきで1日のスケジュールを立てているはずです。もしかすると、スケジュールさえも立てていないかもしれません。
残業することが当たり前になっていると、確実に残業はなくなりません。
意識の問題ですが、定時ありきのスケジュールを立てると、いかに日々の業務を「効率化するか?」「生産性を上げるか?」を考えるようになります。
日々PDCAを繰り返すことで、生産性が高まっていき毎日残業から抜け出すことができます。
午前中に大事な仕事を終わらせる
午前中は、一番集中できるゴールデンタイムです。大事な仕事を午前中までに終わらせることを意識するだけでも生産性は確実に上がります。
ちなみに、午後は頭を使わない仕事を入れると良いです。お昼を食べた後は眠くなりますし、15時頃を過ぎると疲が出てくるので、集中力は自然と下がっていきます。
優秀な先輩を徹底的にまねる
手っ取り早く仕事の生産性を上げるためには、できる先輩を徹底的にまねるのが効果的です。
- 朝何時から仕事をしているのか?
- 午前中にどのような仕事をしているのか?(午前中が一番集中力が高いので、重要な仕事をしているはずです)
- MTGでどのような発言をしているのか?
- 営業の仕方(営業マンの場合、優秀な先輩の営業同行は絶対にしておきましょう)
この他にもありますが、できる先輩をまねることで、仕事の生産性は確実に上がっていきます。
日々の業務はテンプレ化する
毎日発生する業務は、必ずテンプレ化しておきましょう。
すぐにできるテンプレ化の例としては、
- メールのテンプレート
- 予測変換
この2つは必須です。
例えば、クライアントのメールに返信する際に、何十分もかけてないですか?仕事の生産性を上げるためには、こういう時間を削減する必要があります。
また、文章を入力する際にも、一文字ずつ打っていませんか?よく使う文章や単語については、必ず単語登録をして予測変換で入力しましょう。
「塵も積もれば山となる」というように、日々の業務をテンプレ化することで、年間に換算すると何十時間もの削減に繋がります。
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毎日残業から抜け出す方法②:どう思われようが定時で帰る(定時で帰るキャラを定着させる)
私の職場では、毎日残業している人の顔ぶれはだいたい同じでした。「またこの人、残業してる!」といった感じです。
私の場合は、よっぽどのことがない限り残業しないと決めていました。
上司からは、「もう、帰るの?」と冗談交じりに言われることもありましたが、約3ヶ月の間、ほぼ残業せずにいたら、何も言われることなく帰れるようになりました。
つまり、定時で帰るキャラが定着したということです。
毎日残業している人の中には、「周りが残業しているから、帰れないよ…」と言う人もいると思います。周りに気を遣って帰れず、明日でも良い仕事をやっている人は多いですよね。
ですが、定時で帰るキャラが定着すれば、周りがまだ働いている時間に帰っても目立つことはなくなります。
最初は大変だと思いますが、「どう思われようが定時で帰る」を継続していけば、定時で帰るキャラが定着すると思います。
毎日残業から抜け出す方法③:思い切って転職する
思い切って転職するのも一つです。
下記で解説していますが、極端に残業が多いブラック企業では、自分がどんなに努力しても残業はなくなりません。
目標達成すると、もっと高い目標を課せられて、給料も上がらない…。このような会社では、モチベーションも続きませんし、身体的・精神的に疲弊してしまいます。
日本には、200万社以上の法人があるので、あなたに合った会社は他にあるはずです。ブラック企業に勤めている方は、思い切って転職するのもありです。
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【注意】会社に問題がある場合もあります。
ブラック企業の場合、理不尽に残業をさせられるケースもあります。
- 先輩が退社していないから帰れない
- 不可能な量のノルマがある
- 上司から帰るなと言われている
- 目標達成するとさらに高い目標を課せられ給料が上がらない
- そもそも残業代が支払われない
いずれかに当てはまるのであれば、ブラック企業の可能性が高いです。転職エージェントの経験上、すぐに転職をした方があなたのキャリアにとってプラスです。
ブラック企業を避けろ!残業が少ない会社に転職をする方法
ブラック企業を避けるためにやることは、シンプルです。
その方法は、「応募する前に、職場環境を熟知しておく」です。
残念ながら、職場環境は求人を見ただけではわかりません。求人には、魅力的なことばかり書かれているので、リアルな職場環境を知ることは難しいです。ブラック企業の場合は、特に注意が必要です。
そこで試してほしいのが、転職エージェントです。
なぜ、転職エージェントを利用するべき?
転職エージェントを利用すれば、担当のキャリアアドバイザーから、「残業時間」や「社内の雰囲気」などのリアルな職場環境を教えてもらえます。
また、面接対策では、面接官の特徴についても共有してもらえます。
おすすめの転職エージェント
「求人の質・量」「サポートの質」「実績」この3点から選ぶと、以下の転職エージェントがおすすめです。
残業時間が多くて苦しんでいる方は、一度相談してみてください。転職のプロがあなたの疑問や不安を解消してくれるはずです。
- リクルートエージェント:転職支援実績No.1
- マイナビエージェント:20代・30代の転職に強い
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