『雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)』の意味【使い方・例文・類語・英語表現】

雨垂れ石を穿つの意味と使い方

「雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」という故事成語を知っていますか?

結論から言うと「雨垂れ石を穿つ」の意味は「どんなに小さな努力でも途中でやめずに続けていれば、最後に成功すること」です。

この記事では「雨垂れ石を穿つ」の意味はもちろん、由来や例文、類語まで詳しく解説していきます。

「雨垂れ石を穿つ」は、有名なことわざである「継続は力なり」と同じく、「努力」「継続」の重要性を説いた故事成語です。ビジネスに活きる故事成語なのでしっかりおさえていきましょう。

目次

『雨垂れ石を穿つ』の意味

雨垂れ石を穿つ

読み:あまだれいしをうがつ

意味:どんなに小さな努力でも途中でやめずに続けていれば、最後に成功すること

先述した通り、「雨垂れ石を穿つ」の意味は「どんなに小さな努力でも途中でやめずに続けていれば、最後に成功すること」です。

『雨垂れ石を穿つ』の由来

「雨垂れ石を穿つ」の由来は、中国の歴史書である『漢書』の枚乗伝の一節「泰山之露穿石」といわれています。

『漢書』の枚乗伝の一節「泰山之露穿石」を見てみましょう。

  • 泰山之露穿石、~

書き下し文

  • 泰山の露石を穿ち、~

現代語訳(意味)

  • 泰山に降る雨の露は石をつきぬき、~

「泰山」は、中国山東省にある名山のことを指しています。

中国の名山である泰山に染みた雨の雫が、長い時間をかけて滴り落ちて石を突き抜く様子を表しています。

この表現が転じて「雨垂れ石を穿つ」という故事成語ができたといわれています。

『雨垂れ石を穿つ』の例文と使い方

「雨垂れ石を穿つ」は、成功を得るための地道な努力の重要性を説明する際に使用します。

あまり馴染みのない言葉ですが、努力することの重要性を説く表現ですので、日常生活だけでなくビジネスシーンにも活かせる故事成語です。

例文1.平凡だった私が全国大会で優勝することができたのは、毎日の練習の積み重ねの結果です。雨垂れ石を穿つとは、まさにこのことだと実感しています。

例文2.雨垂れ石を穿つというように、望む結果を出したいなら毎日コツコツ努力することが重要だ。

例文3.私の座右の銘は、「雨垂れ石を穿つ」。「平凡でも努力することで非凡な結果を出せる」と、つらいときやもう一息踏ん張りたいときに振り返る言葉です。

例文4.雨垂れ石を穿つ、言うのは簡単だが、実行し結果を出すのは大変だ。

例文5.ついこの間の評価面談で昇進が決まった!案件の大小に関わらず、雨垂れ石を穿つの精神で仕事に取り組んできたかいがあった。

『雨垂れ石を穿つ』の類語

「雨垂れ石を穿つ」の類語を6つ紹介します。

  1. 石の上にも三年
  2. 継続は力なり
  3. ローマは一日にしてならず
  4. 塵も積もれば山となる
  5. 積羽舟を沈む
  6. 涓滴岩を穿つ

①石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)

「石の上にも三年」の意味は「どんなに難しいことでも辛抱して取り組めばいつか成功すること」です。

「石の上にも三年」は、「そんなに大変で辛くてもある程度の期間は続けなくてはならない」といった誤った意味で使用されている場合があるので注意が必要です。

例文1.石の上にも三年というだろう。辛くてもそうやって一所懸命に取り組んでいれば必ず結果はついてくるさ。

例文2.新卒で営業部に配属された時はつらくて大変だったけど、売上に貢献できるようになってとても面白いと感じてる。まさに石の上にも三年だね。

例文3.ようやく全国大会に出場できた。初心者が多くてきつい時期もあったが、石の上にも三年の精神でコツコツがんばってきた成果がようやく実感できたよ。

②継続は力なり(けいぞくはちからなり)

「継続は力なり」の意味は「何事も途中でやめずに続けて(継続して)いくことで成功するということ」です。

非常に有名なことわざで、座右の銘にしている方も多い言葉です。

例文1.継続は力なり、何事もあきらめずに続ければ必ず結果がついてくるさ。

例文2.今が一番つらい時期だろう。だけどね、継続は力なりといって練習を怠らず一生懸命に取り組み続ければ必ず道は開けるよ。

例文3.同期で初めての営業獲得だ!これも地道に営業回りした成果だ。継続は力なり、この調子で営業活動続けていくぞ!

③ローマは一日にしてならず(ろーまはいちにちにしてならず)

「ローマは一日にしてならず」の意味は「大きなことを成し遂げるには時間がかかること」です。

ローマ帝国がおよそ700年という長い年月をかけて出来上がったことから、時間をかけることの重要性を示すたとえとして使われる表現です。

例文1.ローマは一日してならずというだろう、何か大きなことを達成したいなら、じっくり時間をかけて取り組むことも重要だよ。

例文2.本件は我が社の一大プロジェクトになるだろう。ローマは一日にしてならずというが、たとえ多くの時間をかけたとしても必ず結果を出すように。

例文3.ローマは一日にしてならず、始めたばかりのものがそう簡単に身につくなんてありえないさ。

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④塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)

「塵も積もれば山となる」の意味は「どんなに些細なことでも侮ってはいけないこと」です。

塵のように僅かな(少量)のものでも、積み重なれば山にも匹敵するほどの量になることから、わずかで取るに足らないことのように見えても、決しておろそかにしてはいけないことの例えとして使用されることわざです。

例文1.塵も積もれば山となるというだろう。日々の努力の積み重ねが大きな結果をうむことだって十分にある。

例文2.塵も積もれば山となるというように、一人一人の力はわずかでも、合わされば大きな力となるかもしれない。

例文3.塵も積もれば山となる。日々の簡単な宿題を怠ると大きな代償を負うことになるよ。

⑤積羽舟を沈む(せきうふねをしずむ)

「積羽舟を沈む」の意味は「小さな物事でも積み重なれば大きな力になること」です。

「積羽舟を沈む」は、古代中国の歴史書である史記に由来する故事成語です。一つひとつは軽い羽でも大量に積み重なると舟を沈めることができることの例えから、「小さな物事でも積み重なれば大きな力になること」という意味になっています。

例文1.積羽舟を沈むという言葉を知っているかい?今すぐには到底達成できないことでも少しずつ取り組んでいけば成し遂げられるかもしれないよ。

例文2.毎日小銭を貯金していたらいつの間にか結構な貯蓄額になっていた。まさに積羽舟を沈む、小銭貯金も侮れないな。

例文3.積羽舟を沈むというように、一人ひとりの力は小さくても力を合わせればできることはたくさんあるよ

⑥涓滴岩を穿つ(けんてきいわをうがつ)

「涓滴岩を穿つ」の意味は「どんなに難しく困難なことでもめげずに努力し続ければかならず成し遂げられること」です。

「涓」はしずく、「涓滴」はわずかなしずくという意味です。

「涓滴岩を穿つ」は、わずかな水のしずくであっても、長い時間をかければ岩をつきぬくことから、「どんなに難しく困難なことでもあきらめずに努力し続ければかならず成し遂げられること」の例えとして使用されています。

例文1.親や先生からも無理だといわれていた難関校に合格できた。受験勉強開始当初はまったく歯が立たない偏差値だったが諦めずに勉強してきたおかげだ。涓滴石を穿つとはこのことだ。

例文2.涓滴石を穿つというように、私の学歴や能力では無理だと言われた難関国家資格をパスできたのは毎日欠かさず勉強してきたからだ。

例文3.涓滴石を穿つ、弱音を吐くのはいいが最後まであきらめずにやり遂げることが重要だよ。

まとめ

「雨垂れ石を穿つ」は普段目にすることがない故事成語です。

一方でその意味や由来、使い方、類語を理解すると日常生活やビジネスに活きる表現だとわかります。

「雨垂れ石を穿つ」をマスターして、自分のビジネス教養をワンランクアップさせてくださいね。

①「雨垂れ石を穿つ」の意味

・どんなに小さな努力でも途中でやめずに続けていれば、最後に成功すること

②「雨垂れ石を穿つ」の由来

・中国の歴史書『漢書』の枚乗伝の一節「泰山之露穿石」

③「雨垂れ石を穿つ」の使い方と例文

・平凡だった私が全国大会で優勝することができたのは、毎日の練習の積み重ねの結果です。雨垂れ石を穿つとはまさにこのことだと実感しています。

・雨垂れ石を穿つというように、望む結果を出したいなら毎日コツコツ努力することが重要だ。

・私の座右の銘は、「雨垂れ石を穿つ」。「平凡でも努力することで非凡な結果を出せる」と、つらいときやもう一息踏ん張りたいときに振り返る言葉です。

・雨垂れ石を穿つ、言うのは簡単だが、実行し結果を出すのは大変だ。など

④「雨垂れ石を穿つ」の類語

・石の上にも三年

・継続は力なり
・ローマは一日にしてならず

・塵も積もれば山となる

・積羽舟を沈む

・涓滴岩を穿つ

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