転職エージェント経由で応募した企業の求人でも、面接辞退することは可能です。
しかし、面接辞退の方法やタイミングによっては、転職エージェントからマイナス評価を付けられて、ブラックリストに入れられることもあります。そうなると、求人を紹介されなくなったり、選考が通りにくくなることがあります。
この記事では、「安全に面接を辞退する方法」や「ブラックリスト入りの可能性」について元リクルートの転職エージェントが解説します。
面接を辞退するとブラックリスト入りの可能性はあります
そもそも面接を辞退すると、どうなるのでしょうか?
体調不良、事故、身内の不幸などの止むを得ない理由がある場合を除いて、求職者が面接を辞退すると、転職エージェントが企業から怒られることがあります。
そのため、転職エージェントは面接を辞退する求職者を嫌がり、辞退可能性のある求職者をブラックリストに入れることがあります。
なぜ転職エージェントが企業から怒られるのか?
転職エージェントは採用企業に対して、求職者を「推薦」という形で紹介します。「求人にマッチしている求職者から応募があったため、ぜひ書類選考をお願いします」と書類を送付するのです。採用企業は書類選考を行い、面接の日程調整をします。
そのため、面接の日程調整が完了した後に辞退されてしまうと、企業は「話が違うじゃないか」と感じることになります。
面接辞退の内容によってはブラックリスト入りします【経験あり】
転職エージェントは、正当な理由なく面接辞退した求職者に対して「また面接辞退をするのではないか」と考え、採用企業に推薦するのに慎重になります。簡単に言うと、危険人物としてブラックリストに入れられるのです。
ブラックリストに入ると下記2点の不利益が生じます。
- キャリアアドバイザーから求人を紹介してもらえなくなる
- 転職エージェントだけが閲覧できる資料に「面接当日のキャンセル実績有り」と記載される
結論、ブラックリストに入ると、その転職エージェントから積極的に求人を紹介されることはなくなります。だからこそ、面接辞退は「安全に」行わなければいけません。
転職エージェント時代、とても憂鬱だった業務の一つが、企業に求職者の辞退連絡を入れることでした。理解ある採用担当者もいるのですが、なかには激高してくる人もいるので、その場合はもうただただ謝るしかありません。一番辛いのは、面接当日の辞退。これはもう絶望です。ひたすら企業の採用担当者からの激詰めが続く中、電話越しで、頭を机に擦り付けて謝り続けていました。でも、これはマシな方で…(②へ続く)
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ブラックリスト入り確実の面接辞退方法
ブラックリスト入り確実の面接辞退方法は、下記2点です。
- 連絡を入れずに無断で辞退
- 面接当日の辞退
これらは絶対にやってはいけません。
採用企業にも大きな迷惑がかかりますし、転職エージェントが一番嫌がることです。
一度、役員面接をドタキャンされたことがありました。役員陣が相当お怒りということだったので、翌日の朝一、謝罪のために一人で企業まで出向きました。すると、出迎えてくれたのはゲッソリとした顔見知りの採用担当者。そして、こんな言葉を言いました。
「いやいや、いいですよ。私が役員に土下座しただけなんで。御社のおかげで出世コースから外されたかもね。ははは」こうなったらいっそ、逆に自分も一緒に「ははは」と笑う方がいいのかな、それで和やかな雰囲気になってすべて丸く収まらないかな、という妄想もしましたが、現実はあまりに厳しく、辛すぎて帰りの駅のトイレでおろろろろ(③に続く)
安全な面接辞退方法
面接辞退をすると必ずブラックリストに入るかというと、決してそういう訳ではありません。下記2点を守りながら面接辞退の連絡を行えば、ブラックリストには入ることはないでしょう。
- 面接の数日前までに連絡する
- 面接辞退の理由を明確に述べる
①面接の数日前までに連絡する
面接の直前の辞退ほど、企業は嫌がります。
なぜなら、時間的損失が生まれるからです。採用企業は、求職者を書類選考して、他の候補者を落として、面接日まで待っている訳です。待ったあげく、面接日で辞退となると、これまでの時間がすべて無駄になり、また一から候補者を探すことになります。
安全に面接を辞退するためには、面接日の数日前までには必ず辞退連絡をしましょう。
②面接辞退の理由を明確に述べる
「なんとなく辞退したいです」という理由で辞退するのはNGです。
面接辞退の理由を転職エージェントに伝えなかったり、言語化できていないと、転職エージェント側としては「なんとなくで辞退されたら改善方法が分からないし、また繰り返すのではないか」と考えてしまいます。
そのため、面接辞退の理由は明確に具体的に転職エージェントに伝えましょう。納得いくものであれば、ブラックリスト入りはありません。
面接辞退は悪いことではない
最後に、当然ではありますが、面接辞退は悪いことではないです。
「なんか違うな」と思いながら面接に進むことの方が時間の無駄ですし、誰の得にもなりません。そのような場合は、早めに辞退した方がベターです。
ただし、求職者に事情があるように、企業の採用担当者にも事情があり、転職エージェントにも事情があります。自分のことばかりではなく、社会人として責任のある形で面接辞退をしましょう。
お互い気持ちよく終われるように、辞退の際には「面接の数日前」「理由は明確に」を心がけましょう。それさえできれば、穏便に面接辞退を行うことができます。
まあでもですね、求職者の気持ちも分かります。面接をドタキャンしたことで、それによって一人の採用担当者が役員に土下座しようが、一人の転職エージェントがゲロ吐こうが、別に関係ないですもんね。何だったらそれらも含めて「業務」な訳ですからね。
しかし、それでも正当な理由なき当日ドタキャンをすると、心を病む人がどこかにいるのだということを覚えてもらいたいのです。ドタキャンは社会人にあるまじき行為ですから。そういう意味でも、「面接日の数日前までに連絡」「面接辞退の理由を明確に述べる」これだけは忘れないでください。そうすることで、世界が少しだけ平和になります。
補足:面接日程の変更も注意
面接日程の変更も、面接辞退の時と同じようなコミュニケーションが求められます。
無断でキャンセルしたあとの日程変更打診や、当日の日程変更打診はやむを得ない理由がない限りNG。「社会人としてのマナーがない」と思われ、日程変更打診を企業から断られることもあります。
面接の日程変更を打診する際にも、「数日前までの事前連絡」「理由を明確に述べる」ことは必ず必要です。