退職交渉の鍵は「切り出し方」【気持ちよく退職する方法】

転職活動は、内定を貰って終わりではありません。内定を貰ったら、転職活動最後の関門と言われる「退職交渉」が残っています。

「退職交渉」は、万全な準備をして、スムーズに進めなければいけません。準備をしないと、過剰な引き止めにあったり、大きなトラブルが起こってしまうケースもあります。このページでは、「退職交渉をスムーズに進めるために知っておくべきこと」を元リクルートの転職エージェントが解説します。

スムーズに退職交渉が進む場合もありますが、強い引き止めにあうことはよくあります。

どうしても退職を許してもらえない場合には、『退職代行Jobs』や『弁護士法人みやび』のような退職代行サービスを利用するのも一つの手です。

専門知識を持った弁護士さんがあなたの代わりに退職の手続きを進めてくれます。

目次

退職交渉で一番重要なのが「切り出し方」

退職交渉をスムーズに進めるために一番重要なのが、「退職の切り出し方」です。

最初の一歩である「切り出し方」を間違えてしまうと、その後の退職交渉が難航することがあります。引き止めが長引いたり、大きなトラブルに発展したり、精神的な負担が大きくなります。

最悪の場合、内定企業の希望入社日に間に合わなくなり、せっかくの内定を辞退しなければいけなくなることも。そのため、万全な準備の下、退職交渉を進める必要があります。

退職を切り出す時の3つのポイント

退職をうまく切り出すためには、下記3つのポイントを意識しましょう。

  1. 事前に直属の上司の時間を押さえておく
  2. 「相談」ではなく「報告」
  3. 同僚には絶対に言わない

①事前に直属の上司の時間を押さえておく

事前に直属の上司の時間を押さえておきましょう。上司のタイミングを伺っていると、いつまで経っても退職交渉を始められません。意を決して上司に話しかけたとしても、「今は忙しい」と後回しにされてしまうことも多いです。

そのため、上司の時間はあらかじめ押さえておきましょう。できるなら、まだ業務が忙しくない朝の時間を押さえておくといいです。時間を押さえる時は、「退職の話し合いのため」ではなく「今後についての相談」など、少し曖昧な状態で押さることも一つの手です。

②「相談」ではなく「報告」

退職を切り出す時は、「退職の相談」ではなく「退職の報告」というスタンスがおすすめです。

「退職しようと思っています」と、相談のように切り出してしまうと、上司から「まだ引き止めの余地が残っている」と思われてしまいます。

そのため、「退職することを決めました」のように退職することは決定済みで、あくまでも退職の事実を報告しているだけである、というスタンスで切り出しましょう。

③同僚には絶対に言わない

直属の上司に退職を切り出す前に、同僚や後輩などの他の社員に退職を伝えたり、退職の気配を見せることは絶対にNGです。

万が一、退職の噂が回ってしまい、事前に上司の耳に入ってしまうと最悪です。退職交渉の対策を立てられてしまったり、退職を伝えにくい状況を作られたり、そもそも二人で話す時間を設けてもらえない可能性があります。

また、上司からの心証が悪くなるため、退職交渉を妨害するような行動を取られることも。そのため、どれだけ仲が良くても、信頼していても、他の社員に言ってはいけません。

スムーズに退職交渉を進める3つのポイント

退職交渉で重要なのは「切り出し方」ですが、その後の退職交渉の進め方にも重要なポイントがあります。スムーズに退職交渉を進めるためには、下記3つのポイントを意識する必要があります。

  1. ネガテイブなことは絶対に言わない
  2. 転職先の企業名は言わない
  3. いつまでにどういう行動を取るか約束してもらう

①ネガテイブなことは絶対に言わない

「なぜ転職したいのか?」を聞かれた時に、現職のネガテイブな理由は伝えない方が良いです。「仕事内容がつまらない」「人間関係が悪い」などのネガテイブなことを伝えてしまうと、相手の心証を悪化させるため、トラブルの原因になります。

また、「年収が低い」「希望部署に行かせてくれない」などの、条件面に関するネガテイブな理由を伝えてしまうと、「年収を上げたら残留する」「希望部署に異動させたら残留する」と勝手に思われてしまいます。

つまり、改善したら残留する余地があると思われてしまうため、説得や引き止めの時間が長引いてしまうのです。

②転職先の企業名は言わない

退職交渉の時に、転職先の企業名を言う必要はありません。

相手方からは、転職先の企業名をしつこく聞かれることが多いです。しかし、企業名を伝えるということは、相手に「引き止め材料を渡す」のと同じことであると思ってください。

具体的には、転職先企業の根も葉もない悪い噂を伝えてきたり、「転職先企業よりも現職の方が良い理由」を理論武装してきて、現職に留まるよう説得してくることがあります。つまり、退職交渉が長引きます。

業界や職種、仕事内容などを伝えるのは構いませんが、企業名を伝えることは控えましょう。

最悪、悪い噂を流されることも…

退職交渉がこじれてしまい、相手からの心証が悪くなると、報復として転職先の企業にあなたの悪い噂を流されることもあります。そのリスクを避けるためにはも、企業名を伝えることは得策ではありません。

③いつまでにどういう行動を取るか約束してもらう

1回目の退職交渉の時に、「いつまでにどういう行動を取るか」を約束してもらいましょう。

退職の流れや手続きは企業ごとに異なる上に、煩雑であることが多いです。特に大手企業だと、スムーズに退職交渉が進んだとしても、1、2週間かかることはザラにあります。そのため、上司がダラダラしていると一向に退職交渉が前に進みません。

そのため、「○日までに部長に話を伝えてください」「○日までに人事に話を通してください」と、自分で退職交渉の流れをある程度コントロールすることが重要。受け身のままでは、退職交渉は進みません。

約束してもらうのが難しい場合は、せめて、退職の流れだけでも、上司に聞いて把握しておきましょう。時間が経っても何も進展しない場合は、上司にプッシュする姿勢が必要です。

私が退職したときの流れ

私が退職した時は、下記のような段階を踏みました。時間にすると、2〜3週間はかかった覚えがあります。

①リーダーに退職を切り出す→②リーダーがマネージャーに退職を報告する→③マネージャーと面談を行う→④マネージャーが役員に退職を報告する→⑤役員と面談を行う→⑥退職が認められる→⑦人事が退職手続きの準備をする→⑧人事から退職手続きの資料が送られてくる→⑨退職手続き完了

ざっと退職の流れを書き出してみましたが、これだけでも9つのフローがありますね。

それでもしつこく引き止められた時

先述したポイントを踏まえて退職交渉を進めたにも関わらず、それでもしつこく引き止められることがあります。特に、下記3点はよくある引き止めパターンです。

  • 引き止めケース①:希望部署への配属を打診
  • 引き止めケース②:年収アップを打診
  • 引き止めケース③:泣き落とし

上記の引き止めケースごとの対処法は、下記の記事で詳しく解説しています。その他、引き止めに応じることのデメリットなども記載しているため、興味のある方は、ぜひご覧ください。

それでもトラブルになったら…

丁寧に退職交渉を進めたとしても、企業や上司のモラルが低い場合、大きなトラブルが起こってしまう場合があります。特に、下記3点はよくあるトラブルパターンです。

  • ケース①:脅し
  • ケース②:有給消化をさせてくれない
  • ケース③:退職届けを故意に受け取ってくれない

「自分の今の企業は、ちょっとモラル低いかも…」と思われる方は、トラブルを避けるために下記3点を注意することが必要です。

  1. 繁忙期を避ける
  2. 上半期・下半期に切り替わる直前を避ける
  3. 引き継ぎ期間を十分に取る

退職交渉とトラブルについては、下記の記事で詳しく解説しています。興味のある方や不安な方はぜひご覧ください。

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