ソーシャルレンディングでレバレッジをかける方法

目次

そもそもレバレッジとは?

レバレッジ(levarage)とは、取引額を自己資金以上に引き上げることです。

例えば、10万円しか持ってなかったとしても、5倍のレバレッジをかければ、50万円の投資ができます。

レバレッジは、利益が出た時には利益を大きくすることが可能ですが、その分リスクも高くなります。

例えば、5倍のレバレッジをかけて投資を行えば、利益は5倍になりますが、損失が出た時には、損失も5倍になります。

ソーシャルレンディングではレバレッジをかけられない?

ソーシャルレンディングでは、FXなどのやり方でレバレッジをかけることはできません。

ソーシャルレンディングは、投資家が持っているお金を集めて企業に融資を行うので、仕組み上レバレッジをかけることはできないのです。

しかし、ソーシャルレンディングには実質的にレバレッジをかけて投資する方法があります。それについては次の項で見ていきましょう。

ソーシャルレンディングでもローンを使えばレバレッジをかけられる

ソーシャルレンディングでは、ローンを利用して投資を行えば実質的にレバレッジをかけることができます。

ローン=お金を借りて、それをソーシャルレンディングで投資すれば、元本を大きく増やすことができるのです。

例えば、自己資金が100万円でも、ローンで200万円を借りれば300万円を投資に回すことができます。

ローンの金利が3%、投資する案件の利回りが7%で1年間投資を行ったとすると、得られる利回りは21万円です。ここからローンの金利を引くと、得られる利益は15万円になります。

レバレッジをかけずに100万円を同じ案件に投資したとすると、得られる利益は7万円になります。

ローンでレバレッジをかけるメリット

ローンでレバレッジをかけて投資すると、以下のようなメリットがあります。

  1. 実質金利を高められる
  2. 自己資金がなくても条件のよいファンドに投資できる
  3. 借り入れ金利は経費として計上できる

①実質金利を高められる

ローンでレバレッジをかけると、実質金利を高めることができます。これが最大のメリットです。

上記の例では、普通に投資しただけでは7万円の利益でしたが、レバレッジをかけて投資を行うことで利益を15万円にすることができています。

②自己資金がなくても条件の良いファンドに投資できる

「〇〇記念」などのキャンペーンファンドは、通常よりも利回りや条件が良いことが多いです。

ただし、条件の良いファンドがいつ募集されるか完璧に予想することは難しく、募集された時に手元に資金がないのはよくあることです。

こんな時にローンでお金を借りて投資を行えば、せっかくの機会を逃すことなく投資を行うことができます。

③借り入れ金利は経費として計上できる

ソーシャルレンディングで得られる利益は税制上、雑所得という種類の所得として分類されてます。

雑所得では、利益から経費を差し引いたものが税金の対象になります。

そのため、経費を多く差し引くことができれば、それだけ節税をすることができます。ちなみに、国税庁によると、経費の対象になるのは以下の2つです。

(1) 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

(2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

出典:国税庁ホームページ

ローンの金利は、「その総収入金額を得るために直接要した費用」に含まれるはずなので、経費として計上できると考えられます。

そのため、ソーシャルレンディングでローンを使ってレバレッジをかける場合、節税効果を期待できます。

ローンでレバレッジをかける時の注意点

ローンでレバレッジをかける時には、以下のような注意点もあります。

  1. 低い金利で借りなければならない
  2. 借りすぎると危険

①低い金利で借りなければならない

当たり前の話ですが、ローンの借入金利がソーシャルレンディングの投資利回りよりも低くなければ、逆に損をしてしまいます。

消費者金融などから借りてしまうと、借入金利の方が高くなります。

また、ローンを借り入れてからソーシャルレンディングに投資するまでには必ずタイムラグがありますが、この間は単にローンの金利だけがかかって損をしている期間になります。

そのため、投資している案件によりますが、借入利回りは3~4%以下でなければ、レバレッジをかけて投資する意味はありません。

②借りすぎると危険

ローンを低い金利で借りられた場合、借りる金額は大きくなるほど、ソーシャルレンディングで得られる利益は大きくなります。

しかし、借りれるだけ借りれば良いという訳ではありません。

ソーシャルレンディングは元本保証の投資商品ではないため、貸し倒れにより元本まで失ったり、返済遅延により投資したお金が予定通りに返ってこない場合もあります。

このような時にローンを返すことができなくなってしまうと、借金を背負うことになります。最悪、自己破産してしまう場合も考えられます。

そのため、貸し倒れや返済遅延が起こっても対応できるよう、借入金額は増やし過ぎないのが重要です。

確実にローンを返済できるように、ローンで借りた金額をすべて貸し倒れで失っても、余裕資金の範囲内で返済できるようにするべきです。

レバレッジに適したローン

レバレッジに使えるローンには、以下のようなものがあります。

  1. 証券担保ローン
  2. 住宅ローン・自動車ローン・教育ローンなど
  3. 不動産担保ローン
  4. 銀行カードローン
  5. 小規模企業共済(一般貸付)
  6. 定期預金担保貸付

①証券担保ローン

対象 株・投資信託などの有価証券に長期投資している人
金利 1.5~4.5%

証券担保ローンは、証券会社が提供しているサービスで、保有している株式、投資信託、債権などを担保としてお金を借りることができます。

「持っている株を売りたくないけど、お金が必要」という時に使うことができます。

証券担保ローンを利用するためには、証券会社に口座を開設し、株式、投資信託などを購入するか、別の証券会社で保有している証券を移管する必要があります。

担保の価格の5~8割程度の範囲内で、自由にお金を借りることができます。ただし、担保にできない株や投資信託などもあり、借りたお金の使い方に制限がある場合もあるので注意が必要です。

また、担保とした株などの価格が下がってしまった場合には追加で担保を求められたり、強制的に売却されたりしてしまう可能性もあります。

  • 野村Webローン:年利1.5%
  • ダイワのSATローンⅡ:年利1.9~3.9%
  • ダイワのネットローン:年利2.8%
  • イージー・コムストックローン:年利3.175~4.175%
  • 日証金証券担保ローン:年利3.675~4.175%
  • コムストックローンダイレクト:年利3.175~4.175%

②住宅ローン・自動車ローン・教育ローンなど

対象 住宅・自動車・教育資金が必要な人
金利 住宅:1%以下程度/自動車:銀行系なら1〜2%/教育:国のローンなら1.71%

住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどは、もちろん資金の用途が決まっているローンです。そのため、借りたお金を直接ほかの用途に使うことはできません。自動車ローンは必ず車の購入資金にあてる必要があります。

しかし、これらのローンをうまく投資用資金に使う方法があります。それは、自己資金があるのにわざとローンを借りることです。

例えば、自己資金が200万円あって、200万円の車を購入するとします。ローンを使わずに自己資金で200万円を払った場合には、手元にお金は残りません。

一方、自動車ローンで200万円借りれば、車を購入しても200万円が手元に残ります。このお金を投資に活用することができるのです。

③不動産担保ローン

対象 不動産(自宅を含む)を持つ人
金利 5%以下程度

不動担保ローンは、不動産を担保にしてお金を借りることができます。担保が設定されている分、普通にお金を借りるよりも金利が低く、資金の用途は自由です。

当たり前のことですが、自宅を担保にした場合、返済できなければ自宅を失うことになるので注意です。

④銀行カードローン

対象 定職についていて安定した収入がある人
金利 2~15%程度

銀行カードローンは、銀行が無担保、保証人なしでお金を貸してくれます。資金の用途も自由です。

その代わり、担保や保証人が必要なものと比べて金利は高いです。(アコムなどの消費者金融が提供しているカードローンと比較すると、金利は低い程度)

定職についていて安定した収入があれば、たいてい借りることができますが、信用状態が良好でなければ低い金利で借りるのは難しいかもしれません。

⑤小規模企業共済(一般貸付)

対象 小規模企業共済に加入している人
金利 1.5%

小規模企業共済は、個人事業主などのための積立による退職金制度です。毎月積み立てるお金を老後に年金形式で受け取ったり、一括で受け取ったりできます。積み立てたお金は所得から控除されるため、節税にもなります。

そんな小規模企業共済に加入している場合には、今までに積み立てたお金の7~9割程度を1.5%の低金利で借りることができます。それが小規模企業共済(一般貸付)です。

借りれる額には上限もあり、10~2000万円の範囲内で5万円単位で借りることができます。小規模企業共済には、保証人や担保も必要ありません。申し込みから3日程度で借りることができます。

銀行の窓口に行って印鑑証明と収入印紙を提出することで申し込むことができます。ちなみに、資金の用途は建前上、事業用資金になっていますが、実際の用途が制約されることはないので、投資用にも使うことができます。

⑥定期預金担保貸付

対象 定期預金口座を持っている人
金利 0.5%程度

定期預金口座にお金を入れている場合、定期預金しているお金を担保にお金を借りることができます。

定期預金は期限まで解約することはできませんが、定期預金担保貸付を利用すれば預金額の8~9割程度を定期預金の金利に0.5%上乗せする程度の低金利で借りることができます。

返済期限は担保になっている定期預金が満期を迎えるまでです。満期までに返済できなかった場合には、未返済分の金額が定期預金の元本と利息を足したものから差し引かれてしまうので注意が必要です。

ちなみに、この方法を用いるために定期預金口座を作ってお金を入れ、貸付を受けるのは意味がないのでやめましょう。定期預金に預けられるお金があるなら、それを普通に投資した方が効率的に資産を増やしていくことができます。

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