給料交渉の方法と注意点をわかりやすく解説【タイミングは内定後が基本】

転職する動機は「年収・給料をアップしたい」「上司との考え方が合わない」「職場環境を変えたい」などさまざまです。

今回は、多くの方が転職理由の一つに挙げている「年収・給料」に直接関係する、給料交渉について解説します。給料交渉次第で給料が万単位で変わることがあるので、給料交渉は非常に重要です。

目次

給料交渉とは


中途採用の場合、スキルや経験によって年収・給料が決まります。例えば、経験者Aさんと未経験者Bさんが同じ会社に転職した場合、経験者Aさんの方が年収は高くなります。

中途採用の求人の年収欄には、「 想定年収400万〜600万」のように年収レンジが記載されており、レンジの中で年収・給料が決まります。年収・給料を決めるために行うのが「給料交渉」です。

最終面接フェーズで面接官が「希望年収」を聞いてきた場合は、内定の確率が高いです。しかし、給料交渉がうまくいかず、落とされてしまうこともあります。そうならないためにも、給料交渉の流れや注意点を理解しておくことが必要なのです。

給料交渉のタイミング

給料交渉のタイミングは基本的に内定後になります。内定通知書に記載されている「提示年収」と「希望年収」に大きなギャップがある場合に、給料交渉を行います。

企業側がオファー面談(条件面談)の場を設けてくれることが多く、オファー面談の場で改めて希望年収を伝え、企業とのすり合わせを行います。

「内定後に給料交渉が失敗して内定取消になることはありますか?」という質問を頂きますが、給料交渉が原因で内定取消はないので安心して給料交渉に入りましょう。

しかし、レアケースとして給料交渉が原因で内定取消になることもあります。そのため、内定が出たからといって退職届を出さないようにしましょう。退職届は、内定承諾して入社確定してから出しましょう。

給料交渉の方法

給料交渉の方法は、大きく3つあります。基本的には、最終面接フェーズで「希望年収」を聞かれ、双方の意見をすり合わせて年収・給料は決まっていきます。

  1. メールで交渉する
  2. 最終面接フェーズで直接交渉する
  3. 転職エージェントを介して交渉する

給料交渉の方法①:メールで交渉する

提示年収に満足できない場合、企業側にメールにて給料交渉を行う方がいますが、メールで給料交渉をするのはおすすめできません。メールで希望年収を送ったとしても、自分の思いは伝わりませんし、採用担当者がメールを読んでくれたとしても誤解が生じる可能性があります。

「お金」に関わるメールにおいて、送りっぱなしは通用しません。メールを送ったとしても、最終的には内容に齟齬がないように直接すり合わせの場が設けられるので、はじめから面接時に「希望年収」を伝えることが重要です。

給料交渉の方法②:最終面接フェーズで直接交渉する

基本的には、最終面接フェーズで直接交渉するのがおすすめです。交渉と言っても、採用担当者から「希望年収」を聞かれて、双方の意見をすり合わせるだけです。

よくあるのが、面接で伝えた年収額と提示年収に大きなギャップがあるケースです。このような時には、企業側にその旨を伝えて、オファー面談の機会を設けてもらいましょう。

給料交渉の方法③:転職エージェントを介して交渉する

一番おすすめしているのが、この方法です。転職のプロであるエージェントに間に入ってもらい給料交渉をしてもらいます。給料交渉を自分で行うよりも成功確度は高まります。

例えば、リクルートエージェントは、条件交渉に強いことで定評があります。(2011年度のデータによると、年収アップをした方は62.7% 、年収ダウンした方は37.3%となっています)

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給料交渉のコツ

給料交渉のコツは、企業研究を通して適正な希望額を提示することができるかです。よくある失敗例が、自分自身を過大評価し過ぎて、採用担当者が驚くような希望額を提示してしまうパターンです。

自分自身を過大評価している人は、自分の市場価値を客観的に見積もり、自分にとって適切な年収・給料を考えましょう。また、企業研究を通じて、どれくらいの年収・給料を社員に支払っているのかを確認しておきましょう。

給料交渉のコツ①:企業研究

給料交渉の仕方は、企業によって異なります。「希望年収を言ってくるのは失礼」という企業もあれば、「自分の価値をしっかりと見積り、希望年収を提示するべき」という企業もあります。

給料交渉が可能かは、企業研究を通して判断することができます。企業研究と言っても、そこまで大それたことではなく、会社HPや求人票を読み込むだけで十分です。

求人票には、多くの情報が記載されています。企業の特徴欄に、自由闊達な社風のような記載がある場合、自分の意見を聞いてくれるので、給料交渉の余地はあるでしょう。

また、企業の評判や社員インタビューを見るだけでも、その企業の社風や企業体質が見えてくると思います。しっかりと情報収集をして、給料交渉の余地があるかを見極めましょう。

給料交渉のコツ②:適正な希望額を算出する

企業研究をしたら、調べた情報から「希望額」を算出します。しかし、企業の情報と自分の市場価値を比較し、適正な「希望額」を算出するのは非常に難しいです。

そこでおすすめなのが、その企業が属している業界の研究です。業界研究をすることで、その業界の景気動向がわかります。景気を知れば、企業情報、業界情報、自分の市場価値という3つのデータから「希望額」を算出することができます。調べたデータを用いて説明すれば、説得力が高まり「希望額」が採用される可能性が高まります。

給料交渉のポイントは、「この人はよく調べて、適正な年収・給料を提示しているな」と採用担当者に思わせることです。そのため、企業研究、業界研究は非常に重要なのです。

給料交渉の注意点

適正な希望額を算出して、いざ給料交渉をしようとしても、焦りは禁物です。面接の場では、相手との距離感・流れを考えながら、給料交渉をする必要があります。意識しておくべきことを2つに絞ってご紹介します。

給料交渉の注意点①:話し方や態度をわきまえる

自信過剰であったり、傲慢な態度はNGです。一方、「これくらいの年収でお願いします」という、お願い姿勢もよくありません。
では、どうするべきか?ポイントは2つあります。

  1. 年収・給料、待遇が第一目的ではないという姿勢
  2. 説得するのではなく、納得してもらう話し方

①「年収や待遇が第一目的ではない」という話の流れ

転職者の中には、「年収・給与アップ」を転職軸にしている方もいると思いますが、給料交渉の場では、その姿勢を全面に出すことはおすすめできません。

「まずは仕事を通して御社に貢献する、その貢献に対する対価として給料をいただく」という気持ちで給料交渉をするべきです。給料交渉は、自分のスキルや経験に対して適正な評価をしていただく場です。貪欲になることは悪いことではありませんが、「年収・給料、待遇が御社を選んだ第一目的です」という姿勢は良くありません。

②説得するのではなく、納得してもらう話し方

給料交渉でたまにあるのが、下記のような会話です。

転職者:「希望額は〇〇万円です。理由は〜。」

人事:「・・・」

転職者:「なので、〇〇万円を希望しています。お願いします。」

人事:「・・・」

転職者が、なんとか説得して希望額を通そうとしているが、人事はそれに対して納得していないという会話例です。この状態は、給料交渉としてはふさわしくありません。

大前提として、人事に対して説得する姿勢はNG。(お願い姿勢はNG!)納得してもらうには、適正な希望額と根拠の提示が必要です。そのためには、上記で説明した企業研究や業界研究が非常に重要になります。

給料交渉の注意点②:タイミングを間違えない

希望額を提示するタイミングは、自分からではなく、相手が聞いてきた時がベターです。自分から希望額を提示するのは、完全なフライング行為です。

また、相手が給料体系などの話をしている時に、「いつ希望額を言おうかな」と考えているのもNGです。まずは、相手の話を聞き、自然な流れで具体的な給料の話に入っていく。これがベストな流れです。フライングはマイナス評価につながることもあるので、気をつけましょう。

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採用担当者の生の声


企業の採用担当者から、印象が良い給料交渉と悪い給料交渉を伺いました。各社各様、給料交渉のやり方は違いますが、採用担当者の生の声はぜひ参考にしましょう。

良い給料交渉

・前職よりも控えめな給料を提示してきて、「成果・貢献度合いに応じて、給料の見直しの機会を設けて欲しい」と言われた。非常に真摯な姿勢で好感を持てた。【IT企業人事】

 

・自分の希望を強引に押し通そうとせず、会社にアジャストしようという姿勢が見れてよかった。このようなタイプは内定後もスムーズに進む。【サービス業人事】

 

・自身の市場価値を客観的に捉え、希望額を提示してくれたので、根拠ありきで納得できた。社長決裁も下りやすく本当に助かる。【専門商社人事】

 

・家族を養わなければいけないという理由で、最低保証金額をストレートに伝えてもらった。わかりやすい給料交渉の場となり、気持ちが良かった。【金融会社人事】

悪い給料交渉

・「現在は600万貰っているので、600万円以上が希望額です」と言われ、希望額に対する根拠が薄く、首を縦に振りづらかった。【メーカー人事】

 

・自信過剰で、自分を過大評価していて、希望額が予想以上に高かった。自己分析と他己分析のギャップが大きく、納得はできなかった。【IT企業人事】

 

・「前職の年収が700万だったので、希望年収は700万円です」と業界未経験の方に言われた。今のあなたに何ができるの?と思った。【サービス人事】

 

・資格をいっぱい持っているからという理由で、高い希望額を提示された。資格と実務は、まったく別物なので、希望額を採用しづらかった。【メーカー人事】

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